Visionタカラトミーグループの人財戦略
自走的に持続的な成長ができる
組織として、
「アソビ」づくりに夢中になれる
環境を構築する。
当社にとってアソビの創造に関わる国内外グループの人財は重要な人的資本です。パーパスとビジョンに基づき、従業員のウェルビーイングの向上を実現するとともに、企業としての持続的な成長を実現する組織風土を一層強固なものにしていきます。
人財は、事業部門・コーポレート部門のそれぞれの機能を果たしつつも、既存の役割に囚われすぎず、機能横断的に課題解決にあたります。
人財強化については、特に事業戦略の成否にかかわる人財として、グローバルでマーケティングを推進する人財を強化していきます。
次世代の経営幹部候補は、中長期的な視点で経験の場を与えて育成していきます。加えて、外部の人財を迎え、活躍できる環境を提供していきます。
方針・考え方
パーパス・ビジョン・バリューズ・プロミスを
実現するための人財育成
タカラトミーグループは、人財戦略のVisionとして、『自走的に持続的な成長ができる組織として、「アソビ」づくりに夢中になれる環境を構築する』を掲げています。この人財戦略Visionのもと、従業員一人ひとりが自らキャリアを考え、スキルや能力向上を目指し、さらなる可能性を拓くことができるよう従業員の能力開発を支援していきます。また、多様な人財がやりがいをもって働き、自己の成長を最大限に発揮でき、パーパス・ビジョン・バリューズ・プロミスを実現するために、キャリアプランや評価・報酬体系の制度改革に取り組んでいます。特に今後は、次世代経営幹部人財やグローバルでマーケティングを推進する人財の育成を強化していきます。
従業員における理念の理解度調査アンケート結果
※理解度に当てはまる選択肢を1~10の10段階評価で回答- 2024年6月従業員アンケートより
理念浸透施策
※実施予定のものも含む- ●理念類の全社説明会
(年1回、4月予定。2024年は5月に実施) - ●理念浸透座談会の実施と社内発信
(2024年~バリューズ座談会) - ●パーパス浸透ワークショップと社内発信
(ボトムアップ型で『ONE TOMY』を目指す) - ●バリューズの360度評価
(管理職の人事考課に実装) - ●浸透度調査の継続実施
代表取締役社長COOを中心に行われた
理念浸透座談会の様子
ガバナンス体制
自走的に持続的な成長ができる
教育体系の整備・拡充
人財戦略の推進においては、代表取締役社長が議長を務める経営会議(常務会)で、人事・組織改編・職場環境などに関わる事項の審議及び意思決定を行っています。また、内容の重要性や社内外への影響度合いに応じて取締役会で決議や報告を行っています。
従業員の成長の促進においては、人事部門に人財開発・育成を推進する人財開発部門を配置し、「中長期経営戦略2030」で策定したビジネスビジョン、サステナビリティビジョン達成に向けた各種施策や取り組みを強化していく体制を整えています。タカラトミーグループでは、従業員一人ひとりの能力の最大化を支援し、自走的に持続的な成長ができる教育体系の整備・拡充に取り組んでいます。従業員一人ひとりが自らキャリアを考え、スキルや能力向上を目指し、さらなる可能性を拓くことができるよう多種多様な研修コンテンツを整えていくと共に、自身のキャリアプランに応じて自走的に選択できる仕組みを作り、従業員の能力開発を支援していきます。
取り組み
タカラトミーグループは以下、大きく6つの取り組みを推進していきます。
※DEI=ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンタカラトミー流 ジョブ型人事制度
タカラトミーグループでは、人事評価や昇格要件のルールを開示し、公正・公平な人事評価を行っています。また、管理職に対しては評価者研修を実施。従業員一人ひとりの成長や働きがいが促進され、最大限にパフォーマンスを発揮できる仕組みへと制度を改定しています。
タカラトミー流 ジョブ型人事制度 3つの特徴
①等級制度
管理職と専門職の複線型職群制度を導入し、多様な選択肢の中からキャリアを描く
これまで主流であった「管理職を目指す」というキャリアアップの考え方を刷新。専門職の役割定義を見直し、高い専門性を発揮することによるキャリアアップを図っています。管理職と専門職の複線型職群制度を導入し、これまで総合職としていた職群は「基幹職」に変更。職群内で開発職・生産技術職・品質管理職・マーケティング職・営業職・ロジスティクス職・コーポレート職などの職種に分類しています。
従業員は、それぞれの職種で専門性を磨き「専門職」へとキャリアアップしたり、様々な職種を経験して「管理職」を目指すといった、タカラトミー流のジョブ型等級制度を実施。また、基幹職内の等級の役割定義も見直しを行い、等級数を1つ減らして早期に専門職や管理職を目指せるようになりました。
ジョブ分類と職群・等級構造
②評価制度
それぞれの職種に求められるスキルの違いや評価プロセスが明確な仕組み
すべての職種共通の基準で評価するのではなく、それぞれの職種で求められるスキルをいかに発揮したかによる評価を導入。より細かく自身の現状を把握し、上司との面談を通じて成長につなげられる環境を用意しています。また、標準評価を中央として優劣を出現率でコントロールする相対評価の仕組みから、従業員それぞれの各種スキルの発揮度を設定基準と照らす「絶対評価」へと変更しています。 業務の成果・業績は業績評価とし業績賞与の変動係数として反映。一方で、昇格には業績評価は使用せず、自身の行動・スキルが上位等級に資する発揮度であると評価されれば、適性検査等その他要件を満たすことで昇格が可能といった、評価と処遇反映先の明確化を行っています。
※評価面談とは別に、従業員の中期的なキャリアプランのヒアリングも実施。思い描くキャリアに向けての成長を促進するとともに、海外志向等を把握しグローバル人財育成につながる仕掛けづくりも行っています。③報酬制度
年功賃金要素を払拭、属人的な手当を廃止し等級ごとにメリハリのある報酬制度へ
外部サーベイによる報酬額をベンチマークとし、等級ごとに上限額・下限額のレンジを設定。昇格すると昇格後の等級に設定されたレンジ内に移行され、年齢、経験年数に関係なくレンジ内での評価に応じた昇降給を行います。世帯主であることや扶養する子どもがいる場合に支給していた世帯手当や子手当は、主に男性が対象となり支給されるものでしたが、それらの手当は廃止し、賃金は個人の家族構成、家庭環境に関係なく、等級と成果に応じた要素を高め、属人的な事由による賃金差や不公平感が生じない報酬制度となっています。
旧レンジ
新レンジ
- G1~G3は上限に差をつけて等級の違いを明確化
- M1~M3は接続型にして役割差を明確化
教育への取り組み
タカラトミーグループは、人財戦略Visionのもと、従業員一人ひとりが自らキャリアを考え、スキルや能力向上を目指し、さらなる可能性を拓くことができるよう、各種研修を実施し従業員の能力開発を支援しています。
①教育体系概要
2024年度教育体系概要(詳細)
自己啓発・オンライン研修 全53コース (すべての等級が対象) |
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自己啓発・対面研修 全4コース (すべての等級が対象) |
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上記のほかにも、企画開発、技術開発、生産技術、品質管理に携わる若手従業員を対象に、玩具の構造や金型に関する技術などについて学ぶ「玩具技術講習会」等を開催。また、生産拠点立ち上げ時のノウハウを取りまとめた「タカラトミー玩具技術シンクタンク」(冊子)などを通じ、これまで蓄積してきた技術やノウハウを若手従業員が学びやすい体制を整えています。
②海外トレーニー
自走的なキャリア形成と、グローバル活躍人財育成の観点から、海外拠点現地でのトレーニング制度を導入いたしました。まずは開発技術・生産管理・安全品質に関わる職種、拠点での導入を行い、順次、職種の拡大、拠点の拡大を図っていきます。
目的
- 異文化体験による多様性理解、行動の醸成
- 世界に向けたインフラ整備状況の体感
- 海外拠点とのネットワーク構築
- 現地の就業環境、業務内容、役割の学習
- 現地視点から日本側の課題抽出
- 将来の長期駐在の見極めトレーニー仕組み
仕組み
- 長期の業務駐在ではなく、1年以内の短期間
- 自薦または上司推薦(本人同意の上)による応募、経営による選考・決裁
DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の促進
タカラトミーグループは「多様な人財による多様な視点」を事業に取り入れることで、企業の発展や活性化につながっていくと考えます。国籍・人種・宗教・障がいの有無、性別や年齢などに関わらず能力と個性を尊重しながら、総合的に判断した採用を行っています。また、海外事業を担うTOMY Internationalでは、DEIの大切さを認識し、DEIを推進する委員会を発足。この活動は北米、イギリス、ヨーロッパが中心となる国を超えた取り組みです。
女性の活躍推進
ジェンダーの視点から、多様な人財が活躍できる職場環境へ
タカラトミーでは、女性が管理職として活躍できる雇用環境の整備に向けた行動計画を策定。2026年3月末までに管理職に占める女性比率を20%以上にすること、男性の育児休業取得率を30%以上にすることを目標に掲げています。また、中期サステナビリティ目標・KPI(FY2024-2026)では、公平な人事制度によるグループ女性管理職比率30%以上にすることを掲げています。2024年4月からDEI推進部門を配置し、目標達成に向けた各種施策や取り組みを強化しています。主な取り組みとしては、女性従業員が自分に合った目標・手本となるロールモデルが見つけられるように若手管理職による座談会やワークショップを開催。そのほか、次世代女性リーダー育成研修やメンタルタフネス向上研修等を実施しています。
女性管理職比率
男性育休取得率の推移
定年退職者の再雇用 / 特定技能者人事制度
タカラトミーグループでは、定年を迎えた従業員を再び雇用する「定年退職者の再雇用制度」を整えています。再雇用された従業員は、長年培ってきたスキルや能力・経験を活用するとともに、後進を育成する役割を担っています。このほか事業において必要とされる特定の技能(設計、生産、品質、アフターサービス、海外での生産管理、経営など)を有している従業員が、「特定技能者(社内呼称:フェロー)」として任命される人事制度があります。国内外での多岐にわたる業務により蓄積した技術・ノウハウ・経験を次世代へ継承していくことが、持続的な事業の発展に必要になると考えています。
中途採用に関する取り組み
/ ジョブ・リターン制度
タカラトミーグループでは、スキルを持った経験者を即戦力として採用するキャリア採用にも積極的に取り組んでいます。また、自己都合で退職した従業員を再雇用する「ジョブ・リターン制度」を導入。これは結婚・出産・育児・介護・配偶者の転勤等のやむを得ない事由や学業・留学・転職等のキャリアアップを事由に退職した従業員を対象に、退職後に培った知識や経験を活かして、再びタカラトミーグループで活躍してもらうための制度です。ジョブ・リターン制度による社内の活性化や新しい価値創出を目指しています。