タカラトミーグループの
サステナビリティ

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対話と評価

有識者コメント

2023年度

タカラトミーグループのサステナビリティ取組みへの期待について、有識者の方にお聞きしました。

有識者との対談EXPERT TALK

● 参加者

宮井 真千子

森永製菓株式会社 取締役常務執行役員

1983年松下電器産業株式会社(現パナソニック)入社後、生活家電の開発に携わり、女性初の事業部長として、調理器事業のグローバル責任者となる。本社に異動後、パナソニックグループ全体の環境政策を担当し、女性初の役員、環境本部長に就任。パナソニックグループの環境政策を担うとともに、ダイバーシティの推進等にも携わる。
2014年森永製菓株式会社に社外取締役として就任後、2018年、取締役常務執行役員となり、マーケティング本部長を経て、同社でのパーパス・ビジョンの策定やサステナビリティの強化に関わる。
その他、特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム会長、国立大学法人お茶の水女子大学監事、積水化学工業株式会社社外取締役(2024年5月31日現在)。

(写真左から2番目:宮井 真千子氏)
(写真左から2番目:宮井 真千子氏)

● タカラトミー参加者
(2024年5月31日現在)

  • 小島 一洋
    代表取締役社長 CEO
  • 富山 彰夫
    取締役副社長 COO
  • 谷村 美奈
    連結管理本部 サステナビリティ推進室 室長

「アソビ」は、タカラトミーグループにとってのサステナビリティの核

宮井:私は現在、森永製菓の取締役常務執行役員として、海外事業、品質保証、サステナブル経営を担当しています。今、社会から求められているサステナビリティとは、短期的な利益だけでなく、中長期にわたり社会課題と向き合いながら持続的に利益創出していける企業になることです。いわゆる財務的な価値だけでなく非財務価値も向上させながらの経営が求められています。

小島:私たちは「アソビへ懸ける品質は、世界を健やかに、賑やかにできる」を2024年度から新パーパスとして掲げ、子どもたちの笑顔のために、子どもたちの夢を実現しよう、そしてこの子どもたちにはアソビ心を持つ大人たちもふくめようとしています。当社のサステナビリティを切れ味が鋭く分かりやすいものにするのは非常に難しいのですが、タカラトミーグループらしく「アソビ」にフォーカスしていくことを考えています。

宮井:「タカラトミーと言えばこの領域」という考えを磨いていく必要があると思います。おもちゃにはとても大きな可能性があり、タカラトミーでなければできないことがたくさんあると思います。子どもたちの健全な発達のために、おもちゃはなくてはならないものです。欧米でのある大規模調査によると、4・5歳までの幼児教育というのは極めて重要で、その質的な差によって、その人が将来リーダーシップを発揮したり、社会に対して貢献できる人になるかに差があることが確認できたそうです。

富山:おもちゃは情操教育や社会ルールの学びに適しており、立体物だからこその学びが多いです。特に0歳~6歳の子どもの外部環境の影響をうけながら成長するスピードが非常に早いと思っています。その大切なお子様の時間で大きく我々は接点を持っております。そのため、「アソビを通した豊かな社会への貢献」は、タカラトミーの重要課題の一つと考えられますね。一例として、プラレールは様々なレールやパーツを使って想像力を発揮しながら正確に組み立てないとうまく走らせることができず、子どもの忍耐力や表現力に影響を与えているかもしません。私たちはアソビを通じて子どもたちが健やかに育つようにと「情熱」を傾けて商品を作っています。

宮井:ステークホルダーからの期待ということでは、タカラトミーに温室効果ガスの大幅な削減を強く期待しているわけではないと思います。もちろん、温室効果ガス削減への取組みは必要ですが、環境配慮という側面で言えば、お客様に安心していただける素材でおもちゃを作る、製品の最終廃棄についても環境配慮をするといった基本的な責任を果たしていくことが重要かと思います。それにも増してタカラトミーにステークホルダーが大きな期待を寄せるのは、「おもちゃによる教育的な価値」の領域ではないかと考えます。森永製菓でも「世界の人々のすこやかな生活への貢献」というマテリアリティに関する長期目標は、当社が定義する<心の健康><体の健康><環境の健康>の価値を持った商品をより多くの人々にお届けすることを目指し、目標設定しています。

社員との対話を通じ、一人ひとりが個性を発揮しパーパスへの共感も高まる職場へ

小島:2022~23年度には延べ約530名の社員と、スモールミーティングを行い、社員の皆さんから様々なお話を聞くことが出来ました。その中で女性社員の中にはライフイベントもあり、自分は管理職には向いていないと思っている方がいました。

宮井:女性の場合、特に、会社での昇格タイミングとライフイベントが重なり、大事な時期に仕事を優先することができなくなる場合があります。そうならないために、私は、まず会社が柔軟な働き方を提供すること、さらに、女性たちに会社としての期待を伝え、機会を与える事、そしてこれまで以上に責任ある立場になるけれど挑戦することによって自身の成長に繋がっていくこと等を、会社から本人にメッセージすることも必要だと考えています。

小島:当社は働きやすい環境の整備を進め、テレワークもできるようになりました。現在、コアタイム(必ず勤務しなくてはならない時間)なしのスーパーフレックスタイム制度と組み合わせ、働き方をある程度自身で設計することを推奨しています。自分の方向性はご自身で決める社員が多くなることに期待しています。

富山:当社には、デザイナーとして活躍したいタイプ、アソビを創ることが好きなタイプ、チームを立ち上げ事業開拓していくタイプ等、さまざまなキャリアの方向性があると思います。それに合わせた人事制度の検討も進めています。その際には、女性、男性、ベテランの方、若い方など多様な社員のキャリアやモチベーションへの深い理解が出発点となるでしょう。そのため、社員一人ひとりに焦点を当てた対話を進めたいと思います。これは人的資本を高めていくためにも重要だと考えます。

宮井:日本はジェンダーギャップとともに、ジェネレーションギャップも大きい国です。20・30代の方は今までの世代とは価値観がまったく違います。これからの主役である若い人たちもがんばれるように会社を設計していくことも重要ですね。

小島:これからも、男女や年齢を問わず様々な社員との対話を通じて、一人ひとりがパーパスやサステナビリティを深く理解して仕事の中で実践できるよう進めていきたいと考えています。

有識者対談実施:2024年1月