品質管理、設計・生産技術は、優良な商品づくりの“要”となります。
先端技術や大人の世界で流行っているものを、おもちゃ独自の技術・ノウハウを活用し、
手頃な価格で再現させる、それが私たちおもちゃメーカーの腕の見せどころです。
タカラトミーグループが90年を超える歴史の中で積み上げてきた“要”をカタチに残し、
次世代に伝えていくこと。子どもたちの健やかな成長に寄与し、
安全で安心できる良質なおもちゃづくりを続けていくためにも、
この取組の地道な繰り返しはとても重要だと考えています。
その姿勢をより確実なものとし、これまでの経験や蓄積を次世代へと継承していくことを目的に、
2017年度に任命された3名のフェロー(※)をご紹介します。
当社グループではこれまでも、ベテランエンジニアによる講義や工場見学会などの“育成塾”を開催し、後継の育成に取組んできました。一方で経験による技術やノウハウの継承には、長い時間を要します。自社の歴史、成功・失敗例から得た学びを確実に次世代に継承し、持続的な事業の発展へとつなげていくためには、それらを体系的な「カタチ」として残し、さらに社員が活用しやすい仕組で運用することも重要です。そこで、タカラトミーでは安全、品質、技術の向上に専門的に取組むフェローを新たに任命し、技術・ノウハウのアーカイブ化に取組んでいます。また、新たな遊びの登場やテクノロジーの進化に伴い、今まで想定しなかったような安全・品質・技術・生産上の課題に直面するかもしれません。これまで幅広い経験を積み重ねてきたフェローのメンバーは、そうした問題を抱える若手エンジニアからの相談窓口・指導者としての役割も期待されています。
フェローのメンバーは、設計、生産、品質、アフターサービス、海外での生産管理、そして経営など国内外で多岐にわたる業務を経験してきたベテラン社員で構成。さまざまな課題を抱えて訪れる、技術、安全・品質、生産に携わる若手担当者の相談に応えています。メンバーによる取組は、こうしたアドバイスの提供にとどまりません。新商品について事業部と連携し設計段階から課題の徹底的な洗い出しに取組むほか、発売済みの商品についても定期的に設計や技術の見直しを行っています。
また、不良品の出荷を未然に防ぐため、海外の生産現場における検査項目や体制の見直し、さらには技術指導にも取組んでいます。安全・品質・技術水準の更なる向上を目指し、2018年1~3月には、ベトナムをはじめとする海外生産拠点を訪問しました。
さらに、継承すべき技術やノウハウをカタチとして残し、社内で共有する仕組みづくりとして、用語集の作成やチェックリストの多言語化、生産拠点立ち上げ時のノウハウなどをとりまとめた「タカラトミー玩具技術シンクタンク」(冊子)の作成と社内での共有・活用を進めています。