とても小さな
月面探査ロボットです

名前は「LEV-2」、
あだなはSORA-Qっていいます！
みんなSORA-Qって呼んでね！

JAXA、タカラトミー、
ソニーグループ、
同志社大学が一緒に開発した、
小さいロボットです。
タカラトミーがおもちゃ作りで磨いた
技術やアイデアがいかされています。

大きさは約8センチメートル、
重さは約250グラム。
野球ボールとほぼおなじ大きさです。

変形します

月は「レゴリス」という
細かい砂でおおわれています。
小さいとその砂に埋もれてしまい
うまく走行できません。
だからといって
大きいロボットにすると、
運ぶのにすごくお金が
かかってしまいます。

だったら、
運びやすい小さくて丸い形で月に行き、
着いたら大きくなって
走りやすい形に変形すればいい。
そんなふうにひらめきました。

変形を考えるときには、
トランスフォーマーという、
乗り物や動物からロボットに変形する
おもちゃを作っていたので、
そのアイデアや技術が役に立ちました。

生きものみたいに
動きます

月は平らな場所ばかりではありません。
穴ぼこがあっても大丈夫なように
砂の坂道をのぼれる必要がありました。

どうしようかと悩んでいたとき、
生まれたばかりのウミガメの赤ちゃんは
親が産卵のために
砂浜に掘った穴をのぼる！
そのひみつは
あの砂をかくヒレの動きだ！

そこで、生きもののように
車輪を動かすことにしました。

少しむずかしい言葉ですが
「偏心軸」という作りをしています。
車などのタイヤは、
その軸（棒のようなもの）が
真ん中にあります。
偏心軸では、その軸が
真ん中からずれた場所にあります。

ZOIDSという、恐竜や動物が機
械になったおもちゃがあり、その
動かし方も参考にしました。

2種類の
走り方があります

クロール走行

バタフライ走行

この2種類の走り方を使って
細かい月の砂「レゴリス」の上を
がんばって動きます。

みんなで作りました

JAXA、タカラトミー、
ソニーグループ、
同志社大学が一緒に開発しました。

2016年

JAXAといっしょに研究スタート
JAXAは、
宇宙で動けるかの実験を行ったり、
自動で動くように
プログラムを作ってくれます。

2019年

ソニーグループが参加
カメラや画像をとるプログラムなど、
目や頭脳を開発してくれます。

2021年

同志社大学が参加
タカラトミーと一緒に、
月面で変形して
しっかり動けるような仕組みを
作ってくれます。

最終的にJAXAが組み上げて、
ちゃんと動くことを確かめます。
実際に月にいく
SORA-Qからデータを受け取り
分析を行うのはJAXAです。

他にもたくさんの関係者、
応援してくれた子どもたち、
支えてくれた家族、
色んな人の応援や協力があって
完成しました。

名前のゆらい

SORAは宇宙という意味です。

宇宙を「そら」と読むことがあるので
そこから持ってきました

Ｑは「ぎもん」という意味で
「Question」の「Ｑ」です。
「もんだい」や「しつもん」という
意味もあります。

なんで「ぎもん」という意味の
「Ｑ」を持ってきたかというと
みんなに「宇宙のなんで」を
持って欲しかったからです。

なんで宇宙は黒いの？
なんで月はでこぼこなの？

何でも良いです。
みんなが「宇宙のなんで」を
いっぱい持って
宇宙をもっと知りたいと
思ってくれると嬉しいです。

おもちゃから生まれたSORA-Qが
遠い宇宙で頑張りました。

好きという気持ちをわすれず、
あきらめず、誰かと力をあわせれば、
できそうにないこともできるんです。

むずかしいこと　あたらしいこと
挑戦する勇気をもとう！

むずかしいことにぶつかったときも
つらいことがあったときも
SORA-Qが
月からきみを応援しているよ！