【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

新時代のオールスター環境とは?「第2回川崎王決定戦」に向けて

はじめに

皆さんはじめまして!

このたび講師として着任しました「炎200(ほのおにひゃく)」と申します。

まずは簡単に自己紹介を……。

・『ウィクロス』は最初期からプレイ。楽しむことを第一に遊んでいます!
・白窓の部屋コミュニティ「オールスター老人会」会長
・推しルリグはメル。特にレベル5の《メル=スピリタス》を、登場当初から今に至るまで愛用
・戦績は……歴が長いだけです。第2回大須星決定戦ベスト4が最高戦績

私は先輩講師の皆様のような華々しい成績はありませんし、知識もオールスターに少し偏っている傾向があります。
そのため、基本的には少しカジュアルな視点からお話しができればと考えています。
また、今回のようなオールスターの講義についても、これからオールスターに触れていく方に向けた「オールスター入門」を軸に展開していきたいと思います。

こういった記事の執筆経験は浅く、拙い部分もあるかと思いますが、皆様と一緒に『ウィクロス』をさらに楽しんでいきたいと思いますので、新米のおじいちゃん講師をこれからどうぞよろしくお願いいたします!

オールスターの「これまで」と「今」

いよいよ来月15日に控えた「第2回川崎王決定戦」

オールスターの愛好家以外にも、久しぶりにオールスターに触れたり、オールスターのイベントが初めてというセレクターも参加されるかもしれません。

そのためにも今回の講義では、オールスターの「これまで」と「今」を学んでいきましょう。

オールスターの特徴については、先月のコラム『オールスター&キーセレクション特集!真夏のばとるに挑戦しよう!』で、からばこ講師がわかりやすく説明してくれています。

オールスターの醍醐味と言えば、攻防共に豪快で、場の再現性が高く、双方のデッキが常に全力でぶつかり合えるところでしょうか。
また、ルリグたちのフルパワーを体感することができるのも、大きな魅力かもしれません。
ぜひ、皆さんも推しルリグのオールスターデッキを組み、その力を体感していただければと思います。

「第2回大須星決定戦」から見た「これまで」

そんなオールスターの前環境の様子を、5月に行なわれた「第2回大須星決定戦」の結果を見て振り返ってみましょう。

WXK02-001

優勝は「タマ」。その中でも攻撃性を高めた【ダッシュタマ】と呼ばれる構築です。
前回の「川崎王決定戦」も、この【ダッシュタマ】が優勝しています。

WXEX2-27

準優勝は「グズ子」。ベスト8内に使用者は2人いました。
オールスターではトップシェアの一角で、トラッシュを利用した連続アタックと多面防御が、頭ひとつ抜けている印象でした。

ベスト8にはその他にも、際立った固有能力を持つルリグが名を連ねます。

WX21-001

<怪異>のシグニたちが能力を共有する【レイヤー】の効果で戦う「ドーナ」。
相手に合わせて必要な能力を的確に使用しながらゲームを作っていくデッキです。

WX20-002 WXEX2-19

相手の行動を拘束し、ゲームを有利に進める「メル」。
攻撃的な側面が強い【4メル】と、長期戦にも対応した【5メル】、タイプの異なる2種が入賞しました。
余談ですが……【5メル】はいいぞ。

WXEX2-17

ただでさえ防御に優れたオールスターデッキの中でも、最硬度の鉄壁を誇る「アン」。
ライフ回復のギミックも取り入れた“負けないデッキ”とも言える構築でした。

ルリグごとの秀でた能力を理解し、巧みに駆使し活かしきることは、カード種類が膨大なオールスターでは特に重要なポイントと言えたでしょう。

長らく大きな環境の変化が無かったオールスターにおいては、そのカードへの理解力こそが極めて大きな強みとなっていました。

「マユキー環境」の到来と「今」

7月に発売された10周年記念書籍「WIXOSS 10th Anniversary Book」。
これによって、オールスターは久しぶりに大きな環境の変化を迎えました。
中でも最も大きな変化をもたらしたのが《創鍵の巫女 マユ》、通称『マユキー』です。

SP38-006

キーセレクションの新規カード枠として登場したキーですが、もちろんオールスターで使用可能です。
特に強力なのはエクシード1の能力で、場のシグニとキーをそのターン無力化してしまいます。
今まで、キーを無力化したり除去できるカードはごく一部しか存在しておらず、不可侵の防衛手段として活用されてきました。

WXK11-016 WXK08-005 WXK10-019

特に《繚乱する花束 アルフォウVSハイティ》《ぶりっつあーや!》《アロス&コードピルルク KEY》はその筆頭で、1ターンで大量のライフを削り切る「ショット」系デッキや速攻デッキへの対抗兵器でした。

しかし《創鍵の巫女 マユ》の登場により、その防衛の中核が揺らぎ始めました。
このカードは実際の採用率以上に、存在していること自体が環境に影響を与えている印象を受けます。
それはまさに「マユキー環境」と呼んで差し支えないものが到来したことを意味しているでしょう。

一例として、ウィクロスセレモニーの入賞デッキを紹介します。

センター:リメンバ アシスト:LOVIT、マドカ

この【3止めリメンバ】は、かつてオールスターで流行した【2止めピルルク】や【3止めアイヤイ】のいいとこ取りをしたようなデッキです。

WX09-Re05 WXDi-P08-037 PR-K065B WX20-051 WX10-083

《ロック・ユー》でアーツの使用制約をかけながら、《大装 タマ//メモリア》2体を使った《レゾネーター》《中盾 スクトゥム》《壱ノ遊 アヤトリ》で連続アタックを仕掛けます。

WXDi-P06-040

しかも、《凶天姫 タマ//メモリア》をここに混ぜ込むことで、相手のリフレッシュも狙っていく事ができます。

このまったく新しいコンボデッキが結果を残した背景には、コンボを阻害するキーやシグニの効果を無力化できるようになった《創鍵の巫女 マユ》の登場が影響しているのは明白です。
「真夏のオールスターばとる」などの優勝レシピを見ても、他にもさまざまな速攻、ショットデッキが台頭しているように見受けられます。
もしかしたら、これからまだまだ想像もつかないようなデッキが登場してくるかもしれません。

これに対し、既存のデッキは対応を迫られています。

例えば、例にも挙げた【3止めリメンバ】が活躍したウィクロスセレモニー。

この【3止めリメンバ】が印象的ではありますが、優勝は先述の「第2回大須星決定戦」優勝選手が使用した「タマ」でした。
デッキリストこそ公開されていませんが、新環境用に調整された【ダッシュタマ】であることが予想されます。

また、前環境で高いシェアを誇った『グズ子』は、新カード《クロス・テンスグロウ!》を採用したデッキが多く見受けられます。

SP38-001

安定した高レベルへの先乗り能力を得たようですが、《創鍵の巫女 マユ》の登場でキーとシグニの能力を封じられることから、防衛性能の低下は否めません。

他のルリグも、新環境での変化は「《クロス・テンスグロウ!》の採用」と、「《創鍵の巫女 マユ》登場により台頭した速攻、ショットデッキへの対応」の2点が軸になっている印象です。

どれくらい個体数がいるかわからない《創鍵の巫女 マユ》を用いたデッキを警戒しながら、《創鍵の巫女 マユ》の影響が少ないデッキや、対応できたデッキが戦い合う……。

「第2回川崎王決定戦」に向けては、そんな手探りな環境が続いていくことが予想されるでしょう。

まだ間に合う? 「川崎王決定戦」おすすめルリグは……キーセレのあの子!?

ここまではオールスターの「これまで」と「今」についてお話しましたが、そんな難しい環境が予想される「川崎王決定戦」に不安を感じたセレクターもいるかもしれません。

ですが、ご安心ください。
逆に考えれば、今はいろいろなデッキが台頭するチャンスでもあります。

そこで今回は、オールスター初心者や、久しぶりにオールスターに触れるセレクターへ、おすすめルリグを1体紹介します。

それがこちら!

WXK01-001

《レイラ=デッドエンド》です!
レイラと言えば、キーセレクションで登場したルリグのため、オールスターのイメージが薄い人も多いでしょう。
しかし、《創鍵の巫女 マユ》の登場で攻撃性の高さが再評価されており、ウィクロスセレモニーや真夏のオールスターばとるでも活躍しています。
今の環境において、注目のルリグの1体と言っても過言ではないでしょう。

例えば、ゲームメイクをするうえで「何ターン目にライフを何点取るか」は重要ですが、オールスターでは防衛性能の高さやカードプールの多さから、理想のプランどおりにゲームができないことは多々あります。
その点において《レイラ=デッドエンド》のゲーム1能力は優秀で、相手ライフが0の状態で使用できれば、ルリグアタックの妨害方法はごく限られたもののみになります。
つまり、「ゲーム1能力の使用」という明確な目的に向けて、ゲームメイクをしていくことができるのです。
また、オールスターではアタック以外の方法でライフをクラッシュする方法も多くあります。

WX07-026

レイラの主要クラスは<乗機>ですが、あえて<ウェポン>を中心に採用すれば、スペル《大火の轢断》で一気にライフを削り、ゲーム1能力に繋げることができます。

WX05-032 WX13-043

さらに《弩砲 アヴェンジャー》や、《創鍵の巫女 マユ》のターン追加能力と相性の良い《弩砲 トミガン》を使用することで、ライフバーストも発動させずにクラッシュが可能です。
これらのライフクラッシュの優れているところとしては、相手に阻害される可能性の低いメインフェイズ中に行なえることでしょう。

この【ウェポンレイラ】は、相手の場や防衛手段をあまり気にすることなく、自分のデッキの動きをしっかりと行なうことが直接的に勝利へと繋がるデッキです。

今からオールスターのノウハウすべてを川崎王決定戦までに詰め込むのは難しいかもしれません。

しかし、普段オールスターになじみのないセレクターの皆さんにとって、【ウェポンレイラ】のような相手への依存度が低いデッキは扱いやすいのではないかと思います。

ぜひ、オールスター特有の豪快な攻めと《創鍵の巫女 マユ》の力を体感していただき、オールスター沼にハマっていくキッカケになればと思います。

おわりに

今回は「川崎王決定戦」に向けて、オールスターの環境今昔と、オールスター初心者・復帰者へのおすすめデッキについて紹介してみましたが、皆さんいかがでしたでしょうか?

「川崎王決定戦」はどんなデッキが上位に入ってくるのか。
今回主題として取り扱った《創鍵の巫女 マユ》も、果たして一体どれくらいのデッキに採用されるのか……。

大きな環境の変化の直後であり、予想しきるのは難しいですが、私も自慢のデッキと共に参戦し、環境に揉まれて来ようと思います。

当日対戦する皆さんはぜひ、よろしくお願いいたします!

オールスターは、解説を始めるとなかなか難しい部分も多く、今回紹介できたのも、あくまで一つの側面に過ぎません。
だからこそ、どこまでも奥深く、いつまでも推しルリグで遊んでいても、飽きることがありません。
そんなオールスターの魅力を少しでも感じていただけるよう、今後も「オースルター老人会」の会長として、そしてアカデミー講師として活動しく所存です。

最後までお読みいただきありがとうございました!
またいつかの講義でお会いいたしましょう。

ターンエンド!

タカラトミーモール