【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

アカデミー講師の「loth SELECTOR」注目カードレビュー!!

はじめに

みなさんこんにちは。今週もウィクロスアカデミーのお時間がやってまいりました。
発表時からワクワクが抑えきれない、るう子、ユヅキ、あきら、ひとえ、イオナ参戦の大注目弾である「loth SELECTOR」が、いよいよ7月6日(土)に発売されます!
強力な最新アーツを駆使し、種族をまとめてルリグたちが争うさまはまさに群雄割拠! 激しさを増す環境をどう乗り切っていくのか、腕が試されますね。

さあ本日の講義ですが、「loth SELECTOR」全カードが公開されましたので、恒例のアカデミー講師陣による本セットの注目カードレビューをお届けします!
講師陣は新たなカードで環境がどうなると読んだのでしょうか? ぜひ御覧ください!

てらたか講師の注目カードレビュー

【注目カード①】《ホワイト・ウィッシュ》

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今後の環境では、エナが少ないところからの攻防に焦点が当たる試合が多くなる予感がしています。
特に〈ユヅキ〉なんかはエナ破壊がメインコンセプトと言わんばかりの性能をしていますし、《満月の使徒 小湊るう子》の起動効果を使われた返しにエナチャージ系のカードが引けず、そのままエナフェイズにチャージした1エナだけで防御をしなければならないなんて状況も訪れるでしょう。
《集中紅火》なんかを使われた時には1エナも残っていないかもしれません。

そういう相手に対し安定して防御を行なうため、《ミラクル・チャージング》の優先度がかなり高くなるメタゲームが訪れるか? とちょっと前まで思われていたところ、今週のカード公開によって一気に事情が変わることとなりました。
アーツを1枚破棄することで0エナで発動できるこのアーツは、いわば「アーツ1枚を《ミラクル・チャージング》に変えて3エナチャージした後に使っている」かのよう。もちろん普通に使用しても問題ないため、緊急時と通常時で違った選択を取ることができます。

アーツ軸の強みのひとつである、「アシスト軸と比べ、投入されているカードが相手視点で確定しにくい」という点もより強化してくれるアーツ。今後アーツ軸で戦うのなら、集めておく重要度は高そうです。

【注目カード②】《壱ノ遊 カゲエ》

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遊具の命名ルールは少々ユニークで、これまでは緑なら「壱ノ遊・弐ノ遊・参ノ遊」、黒なら「異血之遊・似之遊・惨之遊」というように同じ読み方で違う当て字がされていました。
《惨之遊姫 グズ子//メモリア》《偉智の遊 タマ//メモリア》などを見る限りだと、ディーヴァセレクションでもこれまではその命名ルールが継承されていたのですが、今弾の遊具はこの《壱ノ遊 カゲエ》を含め全て「壱ノ遊・弐ノ遊・参ノ遊」で統一されているようです。

そんな中の1枚である《壱ノ遊 カゲエ》、簡単に言えば1エナ払ったら自身とトラッシュの大型遊具を入れ替えられる能力を持っています。これ、「アーツ軸はすぐリミット8になるからレベル3・3・2と盤面に立てたいけど、レベル1を減らしすぎると序盤に引けなかった時に困る〜!」なんて人からすれば待ち望んでいたタイプの能力ではないでしょうか?

特に〈あきら〉においては、《ステーショナリー・ワン》を高火力で使いたいためデッキ内のレベル2以上シグニの比率が高い方が都合がよく、またトラッシュに落ちた《参ノ遊姫 ボールペンマワシ》の引換券として使える点も強力なため潤滑油としてしっかり働いてくれそうです。
それ以外でも、《惨之遊姫 ジンロウ》をより少ないリソース消費で蘇生する、【闘争派グズ子】で常に場にいてほしい《惨之遊姫 コイントス//THE DOOR》の再現性をより高めるなど使い道は多種多様。オールスター環境まで目を移すと、〈アイヤイ〉なんかはトラッシュの高レベル遊具に触れるために《似之遊 †チャッキー†》+《惨之遊 †シャテキ†》を使っていたところ、今後はこのカード1枚だけでもよくなったりしました。

今後〈遊具〉に新規カードが出れば出るほど有用性が上がっていく、将来性も結構高そうな1枚です。

【注目カード③】《幻獣神 ヤマアラシ》

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ディーヴァセレクションの緑ルリグは、どちらかといえばちゃんと3面要求して攻めていくデッキタイプが多いです。ところが、同じく攻撃的なデッキタイプが多い赤や黒はダブルクラッシュや効果によるライフクラッシュ、リフレッシュなどの追加打点を有している一方、大多数の緑ルリグにはそういうものがほとんどなかったため、攻撃スピードがどうしても遅くなってしまいがちでした。
今までの緑ルリグは《幻怪姫 翠子//メモリア》や高パワーのシグニなどで防御力を上げ、「生存ターン数をひとつ増やしてもっと点数要求する」と言う手法で攻撃スピードの遅さを補っており、ここに追加打点まで加えるなんて夢のまた夢……だったのですが、《幻獣神 ヤマアラシ》の登場でそんなのは過去の話に。とうとう追加打点の選択肢を手に入れ、戦い方は大きく広がりました。

ちょうどクラスが〈地獣〉なので、【地獣緑子】へちょっと挿してゲームプランのひとつに入れておくような採用法ももちろん考えられます。しかしそれ以上に、《タタカイススム バン》《キセキオコス バン》《翠天姫 デメテル》といったような何度もランサー・Sランサーを付与できるカードとの組み合わせが強力そうです。
攻撃力・防御力どちらの水準もアップデートされた緑ルリグ、みなさんもぜひ一度試してみてはいかが?

【グッドデザイン賞】《デッドリー・ポータル》

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今回初登場となる、メインフェイズのみ使用可能なリコレクトアーツのサイクル。
もちろんどのアーツも強力ですが、《デッドリー・ポータル》の「トラッシュが増えれば増えただけマイナスの範囲が上がっていく」というデザインは秀逸です。これって要するに「ちょうどトラッシュが溜まった後半が撃ち時であるアーツにリコレクトが付いている」わけで、カードデザインの美しさという点では随一でしょう。

カードデザインの美しさはともかく実用性はどうなんだという話ですが、そちらの面でも非常に優秀。特に、パワーマイナスを好きに振り分けられるという器用さがすばらしいですね。
終盤ともなればトラッシュにカードは大体20枚以上ぐらい溜まっていることがほとんどで、そのくらいあればおおよそ2面バニッシュできるぐらいにマイナス値をばらまけます。これでレベル3・2なり3・3なり計2面分シグニを除去できればそれだけでも通常アーツより高いコストパフォーマンスを発揮したといえそうですし、2面バニッシュした後にはみ出た-1000とかを3枚目のシグニに当てて《コードアンシエンツ イオナ//メモリア》の的にしたり、《ドライ=ハナレ//フェゾーネ》と組み合わせてアーツ1枚と2エナで3面バニッシュしつつ残りの面に《凶魔 テューポーン》やらなんやらを立てて自分の盤面を滅茶苦茶ガチガチに固めたりと、マイナスを重ねて除去する黒メインのデッキではかなり優秀な働きをするはず。

リコレクトを達成すればそこにシグニ2枚回収という盤面の再現性まで付与されるわけですから、弱いわけもありません。
パワーマイナスを良い感じに振り分けて2〜3面バニッシュ、トラッシュからシグニを回収して盤面再現性の向上。一時期トップメタの座に居座り続けていた《デウス・スリー》を彷彿とさせる性能です。

ミッドレンジに採用して攻撃の継続に全力を尽くすもよし、黒をちょっと多めに入れたコントロールに採用して《ダーク・マイアズマ》と併用することで硬い盤面と点数要求を両立するもよし。このアーツを残しておくだけで終盤戦はバッチリ! 黒入りでリコレクトアーツに困ったらとりあえず入れてみましょう。

からばこ講師の注目カードレビュー

【注目カード①】《炎打一振》

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相手のセンタールリグと共通する色を持たないシグニを確定でバニッシュできるアーツ。パワーを問わない除去は赤アーツでは貴重で、これまで緑アーツで行っていた「高いパワーのシグニをバニッシュする」役割を、赤でできるようになったのは大きいです。
ただ、「センタールリグと共通の色を持たない」という条件が重いです。現在の環境を見ると、タマは白シグニ中心であることがほとんどですし、緑子は赤〈地獣〉は採用されていますが毎ターン出るわけではありません。【防衛派】などの派閥系デッキや【青白ピルルク】などには刺さりますが、相手によっては撃つタイミングがないまま腐ってしまい、他の「リコレクト」を達成できなくなる可能性は大いにあります。
……そんな問題も、今弾のLRアーツ《熱願炎諦》が解決してくれます。腐りそうな相手であれば、こちらのエナコスト軽減のためのコストにしてしまえば問題なしです。
クセは強いですが、かなり私好みな1枚。10周年書籍付録の《轟炎 花代・爾転》には、《熱願炎諦》と合わせて採用したいですね。

【注目カード②】《コードオーダー メロンパフェ》

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SRシグニからはこの子。新規ルリグの専用クラスとは全く関係ない〈調理〉のシグニです。次弾のちよりで使うのかな?
能力はかなり個性的。ルリグトラッシュのアーツの枚数分トラッシュから下敷きにして、アタックフェイズ開始時に、下敷き3枚と引き換えにエナチャージ2です。挙動は〈植物〉のシグニに近く、〈ひとえ〉の《羅植姫 ジャックビーンズ》のエナコストの工面を手伝ってくれそうです。《コードオーダー メロンパフェ》自身が除去を持たない点を《羅植姫 ジャックビーンズ》がフォローしてくれる点でも相性が良さそう。
ほかにも、オールスターやキーセレクションでは、なかなかにおもしろそうなコンボが見つかりそうな予感がします。《弩書 ザ・ロウ》の下敷きがすごい量になるとか、アタックフェイズに《カーニバル -K-》《荒ぶる海洋 §ポセイドナ§》に書き換えて、レベル5の天使をコピーするとか……。どうなんでしょうか?

特にリフレッシュを狙ってくるデッキとの対戦では、トラッシュの任意のカードを下敷きに抱えられるという点で、良い仕事をしてくれそうです。往年の《コード・ピルルク APEX》における《コードハート M・P・P》がスペルを抱えるような……、という話を始めると長くなるので割愛します。《コードオーダー メロンパフェ》《CRYSTAL SEAL》と同時に使えるので……。

【注目カード③】《羅植 イケバナ》

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《羅植 アイビー//ディソナ》ですね、これ。「〈植物〉軸デッキで《羅植 アイビー//ディソナ》と同じ動きをする」と書けば、なんだかそれだけで期待大! なシグニです。
とはいえ一概に《羅植 アイビー//ディソナ》と同じ評価ができるわけではないのがポイント。《羅植 アイビー//ディソナ》は増やしたエナをディソナの火力に充てられたり、そもそも火力重視のディソナでエナを工面できるから高い評価を得ていたわけです。〈ひとえ〉の〈植物〉デッキは、見たところディソナほどの火力は出そうにありませんが、《羅植 モミジ》という《小砲 バクチク//ディソナ》に近いポジションのシグニがいます。《羅植 イケバナ》で得たエナを《羅植 モミジ》に充てるのがわかりやすく、そうでなくとも、レベル3に向けて無償でエナを伸ばせるだけでも優秀です。
《羅植 イケバナ》《羅植 イケバナ》と並べるだけでも2エナ得られるうえ、《羅植 アイビー//ディソナ》と異なり場の全てのシグニが〈植物〉である必要もないので、非ディソナでエナが欲しいデッキに、《羅植 ボンサイ》などと出張させてもおもしろそうです。緑系の良い足回りになってほしいな、という期待を込めています。

【からばこイチオシ賞】《壱ノ遊 カゲエ》

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久しぶりに登場した、オールスターの【紡ぐ者】の強化です(断言)。「遊具軸」で《期之遊姫王 †ブラジャック†》を蘇生できる、というだけで、これほどうれしいものはありません。
レベル2以上という条件を持つため、《偉智の遊 *ハッカドール1号*》が蘇生できないのが残念ですが、序盤帯でも《丹乃遊 ≡ハッカドール2号≡》《似之遊 †オキクドール†》《惨之遊 †シャテキ†》など優秀な〈遊具〉に触れながら、それぞれの出現時能力につなげられるのはうれしいです。
自身と支払うエナの2リソースを消費するので、それ以上のアドバンテージを稼げる動きを目指したいところ。《期之遊姫王 †ブラジャック†》《死之遊姫 †ニホニンギョ†》→1枚回収、とやって、自身と1エナを盤面3枚にしてあげればいいですね。

〈遊具〉は、オールスターではアイヤイとグズ子、キーセレクションでは白のタマが操るクラスです。どのルリグもなかなかに強烈なので、《壱ノ遊 カゲエ》であれこれ開拓されたりしないでしょうか。
10周年書籍で色々なアーツも登場しますし、どこかのバトルラッシュでは、久しぶりにオールスターもやってみたいなとこっそり思っています。

タカラトミーモール