【バトル攻略コラム】
ウィクロスアカデミー「使用率0%」からメタゲームを考える!ディーヴァグランプリ2024SPRING、使用率0%ルリグでの戦い
はじめに
季節の境目はいつもちょっと過ごしにくいですが、今年は特に急激に季節が変わったように感じます。
いつもなら春と夏の真ん中ぐらいの気温が訪れて、梅雨がやってきて、さあさあようやく夏本番といったところ。ですが、今月はもう都心部でも30度越えを記録し、春の名残はもうほとんど感じられません。我々、知らないうちにダッシュで夏の入口をくぐり抜けていたみたいです。
すでに熱中症の報告も聞こえてくるようになってきました。対策はしっかり取っていきましょう。
というわけで読者の皆様こんにちは。「夏を感じたら毎年地元の抹茶ソフトクリームを食べる」、通称“抹茶ソフトクリーム開き”のルーティーンを例年より2週間ほど早く行なったライターこと“てらたか”と申します。
さて、こんな風に季節と暑さを絡めて書き始めた時って、大体「気温も暑ければ『ウィクロス』も今アツい!」みたいな絡め方でコラムの本筋に入っているような気がしますね。
実際、先週に公開されたばかりの「WIXOSS 10th Anniversary Book」付録プロモカードの情報なんかは、特に熱い情報のひとつでしょう。上から下まですべてのレギュレーションで環境が変化しそうとくれば、デッキ調整の手を止めたままではいられませんね。
加えて新弾「loth SELECTOR」の情報も続々と公開されており、10周年を迎えた『ウィクロス』の熱気がもの凄いことは疑いようがありません。
けれど、たとえアツい季節でアツいカードゲームだとしても、すべてが熱い暑いの“アツ”さで纏まっていると、果たして言い切れるでしょうか?
この夏の入口におけるディーヴァセレクション環境で、今は春だ、我が世の春を謳歌すると言わんばかりにトップメタに君臨しているのが、誰もがご存知【防衛派タマゴ】というアーキタイプです。
このデッキのアツさといえば防御の“厚さ”。その耐久力で、下手をすれば対戦相手に何もさせない状況を生み出す姿は、熱いどころか“冷酷”という言葉の方が似合うかもしれません。
ディーヴァグランプリにてベスト4のうち3人が【防衛派タマゴ】で入賞して以降、このデッキは全国各地でメタゲームを牽引しています。
久しぶりの緑ルリグのトップメタ格。グランプリでベスト4にこそ入っていないとはいえ予選突破者数は多く、そもそもグランプリにおける使用率も1位。そういう意味では夏の日差しのように熱いデッキでもある【地獣緑子】は、驚異的な”圧”を持つデッキです。
圧倒的な高パワー、そこから生み出される圧力。パワーラインが重要なゲームを強引に展開するこのデッキは、環境初期よりちょっと数が減ったとはいえ、まだまだ無視することができない勢力です。
環境後期になってくると、どうしてもメタゲームは固まってしまいます。そしてメタゲームが固まるということは、春を謳歌する【防衛派タマゴ】、夏のような熱を持つ【地獣緑子】と同じように、寂しい秋のようなルリグや冬の時代を迎えるルリグをも生み出してしまうということです。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
使われていない秋や冬のルリグって、なぜ使われていないんだろう。
もちろん、現代のリソース感に追いつけないか、あるいは環境に合ってないから数を減らしたルリグだっていることでしょう。
けれど、ディーヴァセレクションのカードには限定条件が存在しない分、基本的にひとつのカードから得られるリソース量に圧倒的な差が付くことがないようにデザインされています。
もちろん環境がインフレしていくにつれて少しずつ得られるリソース総量は大きくはなっていますが、それでもゲームができないほど酷い数値差にはなっていないはずなんです。
僕らは、もしかしたらもう芽吹けるかもしれない種に水をやり忘れている。そんな可能性はないでしょうか?
ディーヴァグランプリに参加した人々がすべてのルリグの可能性を網羅しきっているなんて確証が、どこにあるでしょうか?
そして、もしまだ見ぬ強いデッキと出会える可能性があるのなら、探してみたくはないでしょうか?
というわけで。
今回は、ディーヴァグランプリで使用率が低かった――と言うより、0だった――ルリグに焦点を当てて、現在のメタゲームと向き合ってみよう、というコラムを執筆させていただきます。
ステップ1.戦うために、まずは現状を振り返ろう
ひとつの環境において後発で新たなデッキを組む場合、まず現在のメタゲームがどのようになっているか、トップメタに君臨しているのがどういうデッキかを確認して、付け入るスキがあるか調べてみるのがセオリーです。
環境の方向性に何かしら共通の弱点が、脆弱性があるか。それ次第で戦い方には大きな違いが生まれてきます。
というわけで、まずはふたつのトップメタについて確認してみましょう。
【防衛派タマゴ】
白青系コントロールデッキの傑作である【防衛派タマゴ】。その現在主流の構築を一言で説明するならば、リソース破壊自体を勝利条件に組み込んだロックデッキ。いくつかの工程を挟むことで相手の勝ち筋を潰し切ることを目的としているのがこのデッキです。
《蒼魔 バン//THE DOOR》や《羅星姫 ノヴァ//THE DOOR》のような「徹底的に手札破壊を行なう」シグニによって、よくある青ルリグと同様に対面の行動の自由度を奪い取る。
《アイン=サンガ//THE DOOR》や《爆砲 WOLF//THE DOOR》のような「相手のシグニをバニッシュでエナに送らないようにする」シグニを出すことで、往年の白ルリグと同様に相手のエナを搾り取る。
そうしてリソースを絞り切ったあと、手札破壊で通り抜けるルリグアタックと《羅星姫 コスチュム//THE DOOR》でフィニッシュに持ち込む。
「はじめに」の項目で説明したとおり、ディーヴァセレクションのカードデザインは一定以上のリソース差が出ないようにデザインされています。つまり、一定のパワーラインを除去したいなら大体のカードがそれに見合ったコストを支払うことになりますし、1枚のカードから一定以上のリソースは生成されません。
簡単に言えば、このことを悪用して
「いったん、きみのリソースを搾り取れるだけ搾り取るよ」↓
「僕の盤面には基本的にリソースを複数枚使わないと除去できないパワーラインのシグニしか出ないよ」↓
「リソースを搾り取った後だからターン開始時に2ドローして1枚場に出したらもう浮いてるリソースって手札1枚とわずかなエナしかないよね?」↓
「じゃあ僕の面は開かないよ。当然きみは点数も取れないよ」↓
「負けないからあとは攻撃して勝ちだよ」
という流れに持ち込むわけですね。
もちろんライフバーストや強力なドローの噛み合いで多少点数要求が発生することもありますが、《幻獣神 LOVIT//THE DOOR》による《サーバント #》の回収などでルリグアタックを守り続け、《●TAP DOWN TAP●》などで耐久性能を底上げしている分もあるので、その多少の点数要求ぐらいはかわしてゲームを進め切ってしまいます。
相手の攻撃手段を潰してから本格的に攻撃を始める都合上、この【防衛派タマゴ】に対して“防御するだけの”防御アーツはあまり意味を持ちません。なぜなら、その防御は“もう負けが決まった状態での防御”にしかならず、ゲームの勝敗を左右しないためです。
つまりこの【防衛派タマゴ】への勝率を上げたい場合、無駄になる防御を削るなりなんなりしてリソース獲得用のカードを追加投入し、“詰み”の状態=リソースを枯らされて復帰手段がもうない状態に到達しないようにできるのが理想となってくるでしょう。
【地獣緑子】
一方で【地獣緑子】を説明するならば、緑特有の高パワーを活用して防御面数を大きく底上げし、安定的なダメージソースでゲームを仕掛ける、「攻撃力と防御力の総和で勝つ」をテーマにしたミッドレンジです。
オーソドックスなアーツ軸の構築では《温故知新》《付洋雷同》《守破離》で合計5点分の防御を備えたこのデッキですが、実際のゲームにおいて5点防御で済むことはほとんどありません。
「一定のパワーラインのシグニを除去するには相応のコストが必要になる」というのは防衛派の項目でも話しましたが、更に大きなパワーとなるとそもそも除去自体が難しくなります。
《全力疾走》による全面パワー上昇や《幻獣神 オサコ》による1面分の莫大なパワー上昇が絡むと、特に本来攻めることが得意なはずの赤や黒のデッキは「点数が取れないシグニゾーン」が出てきやすい。
これにより、【地獣緑子】はダメージレースにおいて、実質的には6~7点分ぐらいの防御面数を持ちながらゲームができると言えるでしょう。
加えて、生半可なリソース搾取をものともしない点もこのルリグをトップメタたらしめる理由のひとつです。
《幻獣 ハムスター》や《讃型 緑姫》というコストパフォーマンスが高い除去、《幻獣神 オサコ》や《幻獣神 サラブレッド》などによる現実的なリソース獲得手段から、構築次第では《翠美姫 コンテンポラ》などによる手札破壊対策まで行なわれます。
アーツとシグニのパワーでシグニゾーンの防御はほぼほぼできており、ルリグアタックに関しても《幻獣 プレーリードッグ》や《幻獣 ギリシャガメ》のライフバーストという不確定要素があるので見た目上の《サーバント #》の拾いにくさはある程度補われています。
防衛派とちょっと似ている「パワーの高さによる除去のされにくさ」を利用しつつ、リソースを搾取しながらのロングゲームではなく安定的な攻撃力を活用しての勝負を仕掛けてくるのが【地獣緑子】というわけですね。
中途半端にリソースを絞り切っても勝てない都合上、このデッキと戦う場合、ある程度【地獣緑子】側が仕掛けてくるダメージレースに立ち向かえる構築でなければいけません。
つまり、一定数以上の防御枚数と《幻獣神 オサコ》や《全力疾走》による高パワーラインを打ち倒せるようなカードが必要になってくるというわけですね。
ステップ2.メインデッキまで絡めて、うまく条件を整えよう
これらの特徴を踏まえると、現在のメタゲームの難しさが分かるのではないでしょうか。
【防衛派タマゴ】に対して戦いやすくする方法は「防御を削ってリソース獲得ができるようにすることで詰みを回避」である一方、【地獣緑子】に対して戦うには「防御の枚数を確保しつつ打ち合いができるよう」しなければならない――つまり、一見真逆のアプローチが必要になるわけです。
一応、どちらもエナを焼き切られると防御手段がなくなるという共通の脆弱性っぽいものがあり、実際「ディーヴァグランプリ2024SPRING」ではそこを突いたデッキが少数勝ち上がりはしました。が、【防衛派タマゴ】がアシストを《バイバイ!!ガブリエラ》から従来の《リメンバ・アストロジー》に戻したり、【地獣緑子】も《幻獣 ワオキツネザル》や《幻獣神 オサコ》を絡めて莫大なエナチャージを行なうなり、そもそも防御力が薄いはずのエナ破壊系に強引に突っ込んでいくなりで対応可能な範囲であり、決定的な弱点と言うことはできなさそう。
現状のメタゲームに刺さるデッキを組むには、何らかの方法でこの相反しそうな条件をクリアする構築を探す必要があるわけです。
ルリグデッキ内だけで考えているとどう考えても真逆の条件を突きつけられている。こんな時は、メインデッキまで活用して対策していくのが一番の近道になってきます。
たとえば、白ルリグに採用される《ダーク・マイアズマ》+《聖魔 サキュ》や《羅星 ノヴァ//メモリア》などの組み合わせなんかは分かりやすいでしょう。
この組み合わせ、対【防衛派タマゴ】では《ダーク・マイアズマ》から強力なシグニを回収することで「点数要求+リソースの確保」という役割を果たせる一方、対【地獣緑子】では《聖魔 サキュ》というメタとして刺さりやすいカードを回収することによって、実質的に防御としての役割を持てるようになっているわけです。
もともとダメージレースを繰り広げるのが得意なデッキにリソース破壊対策を盛り込む、逆にリソース破壊に強いデッキにうまく防御を盛り込むという手段も、一定の効果を得られそうです。
ただ、防衛派にロングゲームをやられてリソース量で付いていけるデッキはほとんどないので、基本的には前者の対策が基本になってくるでしょう。
また、どちらも「高パワーラインのシグニで盤面を作ってくる」という点は共通しています。このことから、高パワーシグニを除去しやすいカード、あるいはパワーラインに頼らない除去も両方をいっぺんに見る上では重宝するでしょう。
それじゃあこれらの条件を整えて、うまく要素を盛り込めそうなルリグを探してみると……。
【💡イベント情報】
— WIXOSS【公式】 (@wixoss_TCG) May 26, 2024
ディーヴァグランプリ2024SPRING
ルリグ分布です‼︎
前評判の高かったルリグ達がしっかりと使用率上位に輝いています#WIXOSS pic.twitter.com/REhzq6Bcqd
いい感じにデッキが組めそうなルリグとして最初に思いついた使用者0のルリグはアイヤイ!
今回の記事では、このルリグでデッキを組んでみます。
ステップ3.デッキを組んで、いざ大会に出てみよう
センター:アイヤイ アシスト:マドカ、LION
というわけで、ひとまず作成してみたのがこちら。
まず注目したのは、【地獣緑子】と攻防を繰り広げるための要素です。
【地獣緑子】の防御アーツがリコレクト達成までは《守破離》だけであり、基本的にこちらのアタックトリガーは中盤まですべて通ります。このことを生かし、《幻怪姫 翠子//メモリア》によって相手のアタックできるシグニゾーンを絞ることで、強引に相手からのダメージを抑え込むことを狙いました。
それほど多くないリソースで【防衛派タマゴ】に点数要求を行なえる《ハピネス・フロート》が、【地獣緑子】相手では《幻怪姫 翠子//メモリア》のおかげで実質的な防御として働く。「メインデッキまで組み合わせることで、それぞれのメタ相手に役割を持たせる」の考え方ですね。
片方にはリソース作り、片方には実質的防御、という条件を緩いながらも達成してくれるアーツとして、一旦《全力疾走》も投入してみます。エナからシグニを出す効果、ランサーの付与効果、どちらも《アイヤイ★ショーダウン》との相性が良いのもミソです。
見た目上の防御面数は《マドカ//ダブ》と《守破離》の3点分ですが、これらのカードを活用していけば一応5~6点分ぐらいの防御面数として運用することができます。
ある程度ダメージレースへの対応力は保証できていると判断したところで、次に対【防衛派タマゴ】を見すえて手札破壊対策を大量に搭載することにしました。具体的には《羅菌姫 トーチュー・カソー》《羅菌 アメーバ》を共に4枚ずつ。
手札破壊を何度かされても復帰できるようにしておくことで、相手に“詰み”の状態を作られないように立ち回れます。手札の《サーバント #》を守ることにも繋がるため、手札破壊に立ち向かうには心強いカード群です。
そして3つ目の要素である、高パワーのシグニを除去しやすいいくつかのダメージソース。
特にこだわったのは《オールアウトバトル》+白青というアシスト編成で、【防衛派タマゴ】に限らず現在主流のリソース破壊系デッキに対してかなり高いコスパで除去を飛ばしてくれます。
【地獣緑子】に対しては微妙かと思いきや、実はあのデッキは《讃型 緑姫》のワナによって「もう《サーバント #》をゲーム終了時の分まで抱えているよな……」というような推測が立ちやすいデッキなので、実はセンタールリグをダウンさせるゲームもあります。
何より重要なのが、これらを「アイヤイだから」纏め上げることができるという点でした。
緑のルリグを組む以上、その出力はどうしても【地獣緑子】と比べられてしまいますし、それ以外にも【闘争派カーニバル】などの戦えそうなルリグは沢山います。それらに対して、アイヤイは「《アイヤイ★ショーダウン》《緑参ノ遊姫 アスレ【HARD】》とランサーを絡めることでロングショットのルートを持っている」という大きな差別化要素を作れたんですね。
また、手札破壊系のデッキ以外に対しては全然使用できない《羅菌姫 トーチュー・カソー》《羅菌 アメーバ》をそのままレゾナの出現条件に使えるため、メタカードを大量搭載したデッキで起こりがちな「手札が無駄なカードまみれで全然動けない」という事故が緩和されるのも大きな要素。
ということで、環境の二大巨頭に立ち向かいつつ、こっそりそのちょっと下にいる【白青ピルルク】【ブルーアーカイブ軸夢限】【白単タマ】あたりとも理論上は戦える形でデッキが完成。あとはフリーなり、大会なりで調整してブラッシュアップするだけですが……。
デッキを完成させた当日にちょうどウィクロスセレモニーがあったので、ぶっつけ本番でいざ挑戦!
結果やいかに……?
ホビーステーション川崎店 様 スイスドロー6回戦
- 1回戦:【宝石花代】 ○
メタ範囲外の相手ではあったものの、《コードアンシエンツ ファラリス》《緑参ノ遊姫 アスレ【HARD】》+《アイヤイ★ショーダウン》のゲーム1効果を付けたシグニという状況で《ハピネス・フロート》からシグニ6点・ルリグ1点の7点要求!
アイヤイの持ち味の連続攻撃が綺麗にハマり、まずは初戦をもぎ取ることに成功しました。
- 2回戦:【チームアザエラ】 ○
相手の《混天 A・アロー》がこちらのリソースを執拗に奪ってこようとしますが、こちらはもちろん《羅菌姫 トーチュー・カソー》と《羅菌 アメーバ》によってそのリソース破壊を延々と流し続けることに。
リソース破壊を潜り抜けながら相手ライフをどうにか削り切り、最後は相手の《サーバント #》切れで勝利!
- 3回戦:【地獣緑子】 ○
予想していたトップメタの相手。
事前の想定通り、《幻怪姫 翠子//メモリア》でゲームターンを稼ぎつつ大型シグニをうまく除去してダメージレースに負けないようにゲームを展開。
ガードを2ターンほど引けなかったことで《守破離》を予定より早く撃たざるを得なかったものの、運よく相手も《サーバント #》を全然ドローできておらず、なんとか先にトドメに辿り着けました。
- 4回戦:【参上緑子】 ○
《リベレーターズフォース》や《鏡花炎月》でライフクラッシュをした後に《参上 緑姫》のゲーム1効果でエナを全破壊してくるタイプの構築。
先手が取れたためロングショットができそうならロングショットを行なう予定でしたが、うまくロングショットに至るためのカードを引き入れることができなかったため諦めて《幻怪姫 翠子//メモリア》+《マドカ//ダブ》で相手のショットを耐えるお祈りプランに移行。相手が2ターン目の段階で盤面を埋めるために《幻獣 テングザル》を1枚出しており、構築上4枚も採用できるデッキではないと推測したため、残りの《幻獣 テングザル》に到達できない可能性に賭けることに。
結果的には運よく賭けに勝ち、このバトルも勝利。4勝0敗、このまま勝てばかなり優勝が見えます。
- 5回戦:【対手札破壊型タマ】 ×
自分も相手も《羅菌姫 トーチュー・カソー》と《羅菌 アメーバ》を4枚ずつ搭載した対手札破壊型。
なんとか《羅星 ノヴァ//メモリア》の妨害を乗り越えながら3点要求にこぎつけたはいいものの、3点要求をすれば《羅星 ノヴァ//メモリア》、また3点要求をすれば1枚目で《羅菌姫 トーチュー・カソー》。こちらの打点が大幅にズレてしまい、ここまでの試合での幸運をすべてひっくり返される形で屈することに。
- 6回戦:【防衛派タマゴ】 ×
対策したデッキタイプ。1回戦で勝った相手がその後全勝していたため、勝てれば最低でも準優勝、5回戦の相手の結果次第では優勝さえまだ狙えるという位置。
事前対策通り、手札破壊を《羅菌姫 トーチュー・カソー》と《羅菌 アメーバ》でやり過ごしながら高コスパな除去を繰り返すというゲーム展開を狙ったのですが……。
今回のデッキでは《ハピネス・フロート》だけで3点要求できるターンを1ターン、《緑参ノ遊姫 アスレ【HARD】》で点数を行なうターンを1ターンは作りたい構築です。そうなると、《幻水姫 シィラ》が出てきたターンは《羅星姫 キャトミ》や《オールアウトバトル》で処理を行ない、《幻水姫 シィラ》が出てこないターンにこれらのダメージソースを使う必要があります。
《幻水姫 シィラ》は採用枚数2枚程度のカードなのでそのぐらいはできるはず、と考えていたのですが……相手の採用ピースが《イノセントバトル》で、2回の《幻水姫 シィラ》を除去した上から再度2回の《幻水姫 シィラ》が毎ターン姿を見せてきました。《ハピネス・フロート》《緑参ノ遊姫 アスレ【HARD】》をダメージソースとしてうまく使えるタイミングがゲーム中1度もなく、これであえなく撃沈。
優勝が見えた所から2連敗で横転、かなり悔しい決着に。
ステップ4.まとめ/さらなる調整案を考えてみよう
とはいえ、もう少し構築を詰めることができていれば、あるいはもうちょっと幸運を引き寄せられていれば、勝ちも十分狙えるように感じました。
例えば、《全力疾走》は《再四再五》と入れ替えた方が強そうです。
序盤のパワーラインが高くない今回の構築では《全力疾走》の強みである先手2ターン目の射出があまり活きず、対【地獣緑子】相手に防御で使うゲーム展開にもあまりならなさそうだったため、それなら《幻水姫 シィラ》の除去やエナに落ちた《サーバント #》の回収ができた方が良さそうに思います。
もうちょっと欲張りに1枚採用のカードを入れてもいいでしょう。
人間、誰にだって欲望はあるもの。特に「モテたい」「ぐっすり眠りたい」「美味しいものが食べたい」「《ハピネス・フロート》で出したレベル1のシグニでレベル2のシグニを踏めるようにしたい」あたりは誰しもが持っている欲望かと思いますので、《小砲 パチン//ディソナ》などのシグニは採用しておいた方が満たせる欲望は増えるでしょう。
他にも、《羅星姫 キャトミ》は増量してもよさそう、《翠美 マーブリング》の耐性はそれほど活きなかったため《幻獣 タスマニアン》でもっとライフバーストの強さに振ってしまってもいいかもしれないなど、調整案は尽きません。
環境を分析し、それにマッチする戦い方を考えていると、不意に「それまで考えてもいなかったルリグが奇跡の1枚になる」瞬間が訪れることがあります。
今回のアイヤイもそうかもしれませんし、いずれ別のルリグでそういう瞬間が訪れることもあるでしょう。
その「奇跡の1枚」は、必ずしも誰もが強いと認めているようなルリグとは限りません。
誰もが使っているルリグかもしれないし、誰も使っていないルリグかもしれない。誰も使っていないというのは、ただたまたま誰も使い方が分かっていなかっただけなのかもしれないんです。
可能性を切り捨てず、使用率が低いルリグや考えたことのなかったルリグも試してみると、気付けなかった何かを見つける良いキッカケになるのではないでしょうか。
使用率の低いルリグから、戦術的な強みを探してデッキを組む。そういう環境との向き合い方も、僕はアリだと思います。
それでは、また機会があれば!