【バトル攻略コラム】
ウィクロスアカデミー「アーツ」環境のキーワードは……レベル2!
こんにちは、ウィクロスアカデミーのお時間です。本日の担当講師を務めますシロネコです。
いや〜、ついに来ましたね。
『ウィクロス』10周年が。
この暴風吹き荒れるカードゲーム業界を10年も渡り歩いてきて、気付けばベテラン選手となっていそうな『ウィクロス』にはリスペクトの精神を抱かざるを得ません。
私は1弾「サーブドセレクター」から始めた身で、当時は15歳の若さで『ウィクロス』世界に飛び込みました。
始めはカードゲームつよつよお兄ちゃんたちにボコボコにされる日々でしたが、彼らから強さを吸収して上達しはじめて大型大会を優勝したあの時のことは今でも鮮明に思い出せます。
4枚ライフを削っても次のターンには緑子に5枚ライフクロスを回復され続けたのも今ではいい思い出です。
さて、自分語りはほどほどに講義に入っていきます。
今回の講義のテーマですが構築済みデッキ収録の新カードを解説&ディーヴァセレクションにおいて新システムとなる「アーツ」について所感を述べていきます。注目カードや予想される環境の変化など現状見えているタマ・花代・ピルルクの情報をベースにお話ししていきますので、きたる新環境に不安を抱えている人などはぜひ見ていってください。
それでは、やっていきましょう!
目次
- その① 共通アーツ編 〜超強力システム「リミットアッパー」とは〜
- その② 各デッキ注目カード紹介
- その③ おわりに
その① 共通アーツ編 〜超強力システム「リミットアッパー」とは〜
構築済みデッキにはアーツが6枚収録されていますが、そのうち2枚はすべてのデッキに収録されているカードになっています。
そしてこの2枚が環境に大きく影響を与えるとても強力な効果となっているためまずはここから紹介していきます。
アタックフェイズに発動できる3枚ドローか3エナチャージを選択できるリソース獲得アーツです。ピース《ゼノ・クラスタ》の類似効果となりますが特徴的なポイントは「3リソース獲得に条件がない」ことです。
たとえばリソースを取らないタイプのデッキとの対戦中、次のターンが最終ターンだからとりあえず1ドローで《ゼノ・クラスタ》使っておくか……といった《ゼノ・クラスタ》を採用したことのある人なら絶対に1度は経験しているであろうシチュエーションが絶対にないというだけでこの違いがわかるでしょう。
ほかにもアタック時効果を中心にリソース奪ってくる方法で《ゼノ・クラスタ》の発動タイミングをずらそうとしてくるタイプのデッキにもいつでも有効に使えたり、手札破壊デッキに対して3エナチャージでエナを増やして対抗するなど様々な使い方が考えられます。
これによって今までときどき現れていた《ゼノ・クラスタ》の採用率が増えた際に敢えてリソースを奪取せず有効に使わせないタイプのデッキも3リソース獲得の恐怖におびえることになります。
2ドローと自身のレベル3の時リミットを2上昇させるリミットアッパーを獲得するアーツです。
このアーツの特徴はやはりリミットの上昇値が2であるところでしょう。
従来のリミットの上昇はアシストルリグにグロウする必要があるためリミット8になるのは大体5ターン目くらいからというイメージを皆さんもお持ちかと思われますが、リミットアッパーはその常識を打ち破った3ターン目からリミット8で戦うことができます。
これがおそらく次弾から追加される単騎ルリグが導入されることによって環境に与えられる影響の中で最も大きな要素になると考えています。
リミットアッパーによる影響はさまざまなものがありますが、今回はその中から2つほど紹介していきます。
レベル2シグニ価値の向上による戦略の多様化
従来のデッキの多くは軽いコストのアシストルリグ1体と重いコストのアシストルリグを1体採用した形がスタンダードであったため、ゲームのほとんどをリミット7で過ごすことになっていました。そのため盤面シグニはレベル3が2体とレベル1が1体に固定化されることが多く、強力な効果のレベル2シグニが数枚入ることはありましたがその優先度は高いものではありませんでした。
しかしリミットアッパーがあればこの事情も一気に変わってきます。リミット8にいきなり上がれるため盤面シグニはレベル3が2体とレベル2が1体という置き方になります。当然レベル2のシグニのほうがレベル1シグニと比べパワーが高く、効果も強力なものになっているので攻撃面、防御面ともに今までのディーヴァセレクションとは違った姿になって来ると思います。
そしてレベル2シグニの価値が見直されることで構築の考え方もガラッと変わってきます。
たとえばルリグレベル3以降、レベル1シグニを場に出さなくてもよくなるためルリグレベル1の時に2枚、ルリグレベル2の時に1枚持っておくことで、あとはレベル2シグニが盤面を作ってくれると考えればレベル1をデッキに採用する枚数を一気に減らすことができます。レベル1シグニが減り盤面強度が上がれば相手は攻めづらくなりますし、こちらはレベル2シグニ達を絡めた多彩な攻撃で仕掛けていくこともできるようになります。
ちなみにこの変化によって最もあおりを受ける現環境のデッキは《オーバー・パシュート》や《聖英 タンゴカード》といったレベル1に対する強めの除去が中心の白単デッキでしょう。今まで長い間猛威を振るっていた分ここで変化を求められそうです。
防御行動が取れるようになったリミット8
実は従来のデッキでも3ターン目からリミット8でゲームを進めるデッキはいくつか存在していました。軽いコストのアシストルリグを2体採用して序盤のうちにグロウするタイプのデッキです。このタイプのデッキもリミットアッパー同様すぐにレベル2を使うことができることが強みとなっていましたが、弱点も抱えていました。それが相手の中盤以降のアタック時効果をまったく止めることができないという点です。序盤で防御アシストを使い切ってしまう性質上、中盤以降の上級シグニの強力なアタック時効果を止めるためのカードがなく好き勝手に攻め込まれてしまうケースがかなりの頻度でありました。特に《炎妖舞 花代・惨》のダブルクラッシュを毎ターン付与してくるような相手にめっぽう弱く、あと一面分でも防御ができれば……というようなシーンが多々ありました。
では今回のリミットアッパーを得たリミット8デッキはどうなのか? という話なのですがこれらの問題がぐっと改善されています。
《ドロー・エンハンス》を使うだけで残りの5枚のアーツははしっかりと残っており、相手の行動に合わせて防御行動をとることができるようになりました。
突破しにくいレベル2を絡めた強固な盤面を作ったうえでアーツでも守りを構えることができるため、従来とは比較にならない防御力を誇っています。
今まで強力なアタックトリガーやダブルクラッシュに悩まされていた方達もこれには笑顔を隠せないこと間違いなしでしょう。
このようにすぐリミット8になることができる恩恵は思っている以上に多く、環境&デッキ構築に大きな変化をもたらすことになります。皆さんもぜひ自分なりのリミット8デッキの活かし方、対策を探してみてはいかがでしょうか。
その② 各デッキ注目カード紹介
優秀な共通プールを紹介したところで次に見ていくのは各デッキの新規収録されたカードたちについてです。今回は白・赤・青の3つについて触れていきます。新システムに相性ばっちりな面白いカードが多く揃っているのでまだ確認してないよという方は私の評価を見ながら確認していただければと思います。
「WHITE ALT HOPE」
- 全体の所感
白デッキらしい防御力の高いデッキ構成になっています。センタールリグ《真太陽の巫女 タマヨリヒメ》が毎ターン安定して1ダメージ分をとれるようになっているので盤面を固めてシグニを手札に戻しながらエナを縛る戦略が持ち味です。
- 注目カード
《中装 フランベル》
常時効果で白シグニのパワーをすべてパワー+2000してくれます。
効果としては地味ですが自分のターン中も上昇してくれるため序盤の防御として使われがちな防御アシスト《マキナスマッシュ》や《花代・柘榴》といった除去できるパワーに指定があるタイプのアシストルリグからレベル3を守ってくれます。自身もパワー10000まで上昇するため、序盤に放たれるであろうリコレクト未達成の《ゴシックリヴ・バウンダリー》系のパワー8000以下除去効果を避けることができます。
白シグニのカードはパワー上昇が相手のターン中であることが多かったため、こういったカードは地味ながら強力な一枚といえます。
《アーク・ライト・オーラ》
ルリグアタックを2回に増やし、そのアタックをガードするには1回につき1エナ相手に要求する攻撃系のアーツです。
センタールリグの《真太陽の巫女 タマヨリヒメ》の効果でシグニ手札に戻しエナを縛り、《コードハート リメンバ//メモリア》と合わせて少なくなったエナに大量のエナ要求をして勝ちにいきます。
アーツにはルリグアタックをさせないアーツが存在しているので、そういった手合いには序盤から使用して圧をかけていくことが大切です。
詰めのカードでありながら、相手を見て序盤に使うこともできる便利な攻撃カードです。
「RED ALT AMBITION」
- 全体の所感
バニッシュ・ライフクラッシュ・アサシンと赤の多種多様な攻めを展開することができるデッキです。
新カードにはエナチャージをできるリソース獲得シグニも多く収録されているため、従来の赤デッキの良さも持ちつつ、柔軟性のある戦い方ができそうです。
- 注目カード
《羅輝石 ヴォルカノ》
花代のダメージソースとなるシグニ。通常時は12000以下をバニッシュできる優秀なシグニとなっていますが重要な点はリコレクトを達成してから。相手のパワーを関係なく除去できるようになる攻めが持ち味の赤デッキにはかなり重要な効果へと進化します。白シグニの強化されたパワーのシグニをの上からダメージを取る手段に毎回苦戦しがちな赤デッキですが、アサシン以外でも確実にダメージを取れるようになったのは赤デッキとしては嬉しいポイントです。
《断炎轢断》
今後の『ウィクロス』に大きな影響を与えそうな1枚です。1コストで相手のライフクロスを一枚クラッシュする効果となっており、他にリソースを稼いだり奪ったりということもないカードではありますが、組み合わせ次第では化けるカードだと考えています。
こういったカードは盤面のシグニで3点クラッシュした上からプラス1点を入れることでようやく真価を発揮するタイプのカードであるため、攻撃力特化ではない構築済みデッキの段階ではあまりに強さを実感できないかもしれませんが、攻撃に寄せ切ったデッキに採用すればその限りではありません。
いわゆる飛び道具系のカードにはなるので少し癖のあるカードという印象ですが今後の活躍に期待したい1枚です。
「BLUE ALT APPLI」
- 全体の所感
手札破壊とシグニをデッキ下に送る効果を駆使した、リソース奪取が得意なデッキです。
センタールリグ《コード・ピルルク・Ω2》をはじめとして継続的にランダム手札破壊効果ができるカードが多く収録されているため、相手が多くの手札リソースを抱えてきても強力なカードを抜くことができる可能性があるのが強みです。
凍結なども駆使してゲームを展開するコントロールタイプのデッキで個人的には上級者向けのデッキという印象ですが、使いこなせれば幅広く戦うことができます。
- 注目カード
《コードアート Jユブナイル》
手札を1枚捨てて相手シグニのパワーマイナス3000、条件達成で5000までマイナスすることができます。シンプルで使いやすい効果であり今までもこの手のレベル2青シグニはいましたが、前述したとおりリミットアッパーの登場でレベル2を強く使うことができるようになったことで、このタイプのカードの注目度が一気に上がりました。青シグニで相手のシグニを除去できるカードは貴重であるため、継続的に出して攻めていければゲームを有利に進められそうです。
《ドント・ムーブ・オン》
相手のシグニルリグを合計2体ダウンさせる能力です。シグニだけではなく、ルリグもダウンさせるため、相手の連続ルリグアタックなどにも対応できる点が強力です。タマのアーツにも類似効果である《ネオバロック・ディフェンス》がありますが、ピルルクの強みはダウンさせた後《コード・ピルルク・Ω2》のゲーム1効果で凍結させることでもう1ターンルリグアタックを防ぐことができ、ルリグアタック主体のデッキに強く出ることができる点です。
ルリグアタックをさせない効果は従来のディーヴァセレクションにはまったくなかった効果なので、ここからまた環境のデッキに変化があるかもしれませんね。
その③ おわりに
いかがだったでしょうか、今回は構築済みデッキから予想されるさまざまな変化と注目カードについて触れていきました。
これが公開されているころには緑と黒のデッキ内容も公開されていると思うので、講義の内容と合わせて自分なりの強いカードを見つけてみてください。
また、本講義では触れられていなかったアーツ構成とピース構成、またその両方の構成の強みについても考察が進んだあと、時期を見てお話していければと考えていますのでその時はよろしくお願いします。
それでは本日の講義はここまで。次回の講義は「世界の絶景に合うアーツとは? −パリ編−」でお会いしましょう。