【バトル攻略コラム】
ウィクロスアカデミー冬草や兵どもが夢の跡。
皆様いかがお過ごしでしょうか。ウルシハです。
先日行なわれた夢限少女杯はhyakko選手の優勝で幕を閉じ、私を含む長い予選期間から走ってきたセレクターの戦いも一区切りと相成りました。
そこで今回はコラム特別編ということで、私が夢限少女杯で使用したデッキとその解説、またその選択に至るまでの道程をお話していこうと思います。
前置き長くなってもアレですし今回は本編が長くなりそうなので、早速本編に入るとしましょう!
使用デッキ選択の経緯
LEGENDARY DIVA発売で大会までのカードプールはほぼ出揃い、それじゃあ何を使おうかという前段階ですね。
しかしデッキ選択は大会に臨む上で大きなウェイトを占めるため、特に今回は慎重になりました。とはいえ最初から決め打ちもできないのでまずはいろいろなデッキタイプを触ってみる期間になります。
今回のデッキ選択の基準ですが、夢限少女杯の環境は防衛派を中心にメタゲームが展開されるだろうと予想していました。防衛派を使うか、防衛派に厚く対策をしたデッキかのいずれかということですね。
このことを前提としたうえで自分が使うデッキの吟味を進めていきました。
①防衛派
まずは大本命、夢限少女杯でもメタゲームの中心になるであろう防衛派。
防衛派は大きく分けて、それぞれ《防衛者MC.LION-3rd》、《プロフェッサー 防衛者Dr.タマゴ》をセンターに据えるタイプとそれ以外のセンターとで3つに分けられます。
実は前環境で防衛派にはほとんど触れておらず、対戦相手としては何度も目にしているものの自分で使うのはLEGENDARY DIVA環境が始まってからのことでした。
というところで3タイプのうち、まずは要求とリソース管理のバランスが一番優れていそうなLIONを組んでセレモニーに向かうことに。
防衛派初心者ながらもそれなりに勝つことはできましたが、ミラーでは熟練度の差が如実に表れ、また構築に関しても火力を重視するのかリソースを重視するのかで細かい調整が必要な印象でした。
また《牙・ミカエラ》には絶望的な相性不利を強いられ、《牙・ミカエラ》自体は解放派など他のデッキタイプにも刺さりが良いため、ややピーキーなカードではありつつも防衛派にメタを貼るなら持ち込んでくる人がいる可能性がありました。
デッキとしてのパワーは感じるも、いったん保留に。
②フェゾーネ遊月
愛知予選で入賞し、コラムでも取り上げた《炎泳華 遊月・燦》をセンターとしたデッキタイプ。
攻防ともに安定しており、前環境では度々使用していたため、使い慣れているという意味でも候補として上がりました。
ダウン耐性を得られる《幻怪姫 翠子//メモリア》、連続攻撃で《メル・インビジブル》などの防御を越えられる《コードハート LION//メモリア》といった詰めの手段もあり、新環境でも十分戦えるだけのスペックがありました。
しかし自分のリソースがそこまで伸びないこと、《アイン=サンガ//THE DOOR》《小装 デウス//THE DOOR》《コードライド マキナ//THE DOOR》が追加されたことにより防衛派に対しての要求が難しくなってしまい、以前より勝ちにくく。
また解放派に対しても有利とは言えず、LEGENDARY DIVAで強化され対面する可能性が高めなデッキタイプに対して勝ちきることが難しいと判断し候補には残しつつも優先度を低く設定。
③赤単ヒラナ
自分が防衛派を使って友人とフリーをしていたとき、友人に使われて苦しい戦いを強いられたのが赤単ヒラナでした。
《UNKNOWN MEMORY》《真紅の熱線》といった強力なピースとディソナの優秀なカードによってリソース、要求、外部打点が揃っており、防御が薄いことを除けば総合力も高めに感じたため自分で組んでセレモニーに持ち込んだところ拙いながらも全勝でき、その後のフリーでも対防衛派への高い勝率をマークしました。
しかし明確な不利対面として《ゼノ・クラスタ》や《俯瞰者からの啓示》を採用しつつこちらのリソースを奪ってくる「不穏ナナシ」、同様のピースに加え《黒点の記憶》を搭載した「記憶花代」などが挙げられ、しかもこれらは夢限少女杯に確実に持ち込むプレイヤーがいることが分かっていたため、マッチングした時点でロスしてしまうリスクを負うことになってしまいます。
候補としつつもいったん保留。
これらの他にも環境に現れそうなデッキやピーキーなデッキなどいろいろと触れてみて候補を絞っていきました。
そうして夢限少女杯本選で私が使用したのは……
使用デッキ解説
センター:ヒラナ アシスト:エクス、LOVIT
選ばれたのは赤単ヒラナでした。
選択理由としては、防衛派および防衛派にメタを張ったデッキ、タウィル・ウムルといったLEGENDARY DIVA発のルリグに比較的有利であること、下ブレの幅より上ブレの幅の方が大きくイージーウィンを拾いやすいことが決め手となりました。
上述のように極めて不利な相手は存在するものの、それらは防衛派に対して有利とは言いがたいため、マッチングしない&防衛派に駆逐される期待での選択でもあります。
各カードの採用理由についてですが、1枚1枚語っていると膨大になってしまうので特に意識したカードだけピックアップして解説していきます。
まずは下級から《紅将 リル//ディソナ》。ディソナではおなじみの火力シグニですが、LEGENDARY DIVAで近しい能力を持った《コードライド レイラ//ディソナ》が登場しています。コストパフォーマンスではあちらに軍配が上がりますが、およそ3~4ターンで決着をつけるこのデッキではあちらが有効に扱えるのは先攻2ターン目くらいしかありません。
またレベル2を場に出すタイミングでは《羅植 アイビー//ディソナ》を優先させることがほとんどで、リミットの関係でレベル1を優先したかったこと、《紅天姫 テッペン//ディソナ》と並べて後払いのアタックトリガーのみで要求を作りたいシチュエーションが多くあったためこちらの採用です。枠さえあれば3枚目が欲しいところ。
続いては《コードアンチ ホーキ//ディソナ》、エナを手札に変換するためのシグニです。言ってしまえばそれだけのシグニですが、詰めのタイミングで《幻獣神 LOVIT//ディソナ》を探しにいったり、ヒラナのエナ破壊枚数を増やすことができるため細かな調整が利くシグニでもあります。
また、《羅輝石 シークラ//ディソナ》や《コードメイズ ペイラビ//ディソナ》など防御ライフバーストに難があるこのデッキでは安定して防御できるバースト持ちであることもポイントが高いです。
新規に登場した《弍ノ遊 アイヤイ//ディソナ》はディソナでは珍しいディソナ以外に触ることのできるシグニ。主に詰めのタイミングで《紅将姫 ノブナガ》などを拾いにいきます。
フィニッシュ用のカードを回収するならそちらを増やすというのも手ではありますが、このシグニがディソナであるために《羽化》で回収できるのが重要で、こちらがエナにあれば《羽化》からディソナ以外のカードにアクセスできる中継として非常に優秀です。ランダムなエナチャージが多いため落ちてしまったサーバントを回収して1点分の防御を作ることもあります。
枠があれば2枚目が欲しい。
そしてレベル3からはこの2枚。どちらもフィニッシャーとしての採用ですが、分けているということは別の役割があるということです。
《王手の一歩 ヒラナ》のエクシードによって相手のエナを根こそぎ吹き飛ばせる関係で、当然相手もそれを前提に立ち回ってきます。《ゼノ・クラスタ》などが採用されていない場合、それは「エクシードを使われる前に防御を使いきってしまう」ことになります。そしてこの2枚はそうされた後、《紅将姫 ノブナガ》はダブルクラッシュによって、《大装 ハルバード》はライフバーストのケアとして詰めることを役割としています。
最初は《紅将姫 ノブナガ》のみを2枚採用するつもりでしたが、《大装 ハルバード》にしかできない役割があります。それが《マドカ//ダブ》の存在。厳密には《マドカ//ダブ》に限りませんが、つまるところ「0コスト防御に対する回答」が《大装 ハルバード》の役割です。ついでに《コードアンチ ホーキ//ディソナ》と同様にエナを手札に還元できるのも嬉しいポイントですね。
各対面における立ち回り
①盤面は硬くないが4面防御
ウムルや闘争派など、搦め手は少ないものの要求や盤面形成が得意なデッキがこれに該当します。
こちらのリソースを削ってこない場合、3面要求を続けてヒラナのエクシードまでこぎつければいいため戦いやすい対面になります。こちらも防御が薄いため先に詰まされないように気をつけます。
リミットを早期に上げる必要がないためアシストは基本的にフィニッシュ直前まで温存します。不意に《聖天姫 エクシア》などの防御シグニが出てきても対応できるようにしておきましょう。ピースもできればフィニッシュターンまで温存します。
②盤面が硬くて4面防御
タウィルなどの白系統のデッキが該当します。注意しなければいけないのは点数要求のタイミング。
例えば後攻1ターン目に相手の場にパワー8000が2体並んでいる場合、アシストかピースを使わないと要求できないのであればしない方がよいです。白デッキにはアップ除去のライフバーストも多く、こちらの回数が限られるローコストの除去を無駄にされてしまうと大きなロスになってしまいます。逆に先攻2ターン目に同じ状況であれば両方使ってでも3面要求しにいきましょう。
また相手がアスシト防御ができるようになるこちらが先攻3ターン目もしくは後攻2ターン目のとき、基本こちらの要求は2面に抑えるようにしています。これは相手の防御が1+3構成であると仮定したとき、
・「1面守られる→ライフバーストの心配なく1点」
・「2面守られる→大型防御を2点分の要求に使わせた」
・「守られない→ライフバーストがなければ2点、もしあってもエクシードで温存した防御を使わせなくできる」
とどのパターンであっても裏目が発生しないからです。もちろん2+2の場合では3面要求するべきなのでこの限りではありません。
こちらのアシストはやはりフィニッシュ直前まで温存することになりますが、エナをもらえないことがほとんどなので《UNKNOWN MEMORY》はアシストグロウするまでにエナチャージで使っておきましょう。
③3面防御以下
同系や解放派の多くがここに該当します。他のデッキより火力が高いことが多く速度勝負になりがちで、4ターン目を渡すと即敗北のパターンが多いため、先攻4ターン、後攻3ターンで決着をつけることを目標にします。
気をつけるポイントとしては、相手の攻撃はできる限りライフバーストの期待値が高いうちにライフで受けてしまうこと、つまり温存です。こいつずっと温存してるな。
先攻なら後攻2ターン目の攻撃はスルーにしますが、問題は後攻のとき、先攻3ターンの攻撃に対して防御するかどうか。これはお互いの残りライフと自分が持っているサーバントの枚数によります。
相手ライフが少なく、防御しなくても後攻3ターン目がくるならライフで受けてリソースを作り自分ターンにアシストグロウしましょう。逆に相手ライフが多く後攻3ターン目に詰めきれるかわからない、かつ自分が2ターンの間ガードできそうなら片方だけグロウします。ここはいくつもの要素で分岐するので判断が難しいですが、とりあえず後攻3ターンにオールインしてもいいかと思います。
④盤面が硬くリソースを奪ってくるが、攻撃は緩やか
具体的には防衛派ですね。《コードアンチ マドカ//THE DOOR》や《オーバー・パシュート》で攻撃速度を上げている構築もありますがそれでも他デッキよりは遅めです。
②と同様に無理な点数要求をしないことが基本になりますが、各シグニによってこちらのリソースを減らしてくるためシビアなリソース管理が求められます。
相手のアシスト構成が2+3防御の場合、先攻2ターン目を除いて1点要求をし続けます。ただしバリアを張られた場合は+1点追加で要求してライフが減るor防御するの択を押しつけていきましょう。《紅将姫 ノブナガ》が特に大事になってくる対面です。
アシストは《羅星姫 ノヴァ//THE DOOR》を止めるために残しておきますが、ターンが長くなると処理しきれなくなるため遅くとも5~6ターンのうちに決着をつけたいところです。
《プロフェッサー 防衛者Dr.タマゴ》が相手の場合は相手がレベル2のときルリグアタックしないようにしましょう(一敗)。
⑤ダメージ無効+エナが増えるピース
不穏ナナシ、記憶花代、ディソナピルルクなどが該当します。
無理です。対面したら天を仰ぎましょう。
一応細い勝ち筋として先攻2ターン目に4点入る、後攻4ターン目がくる、などがありますがかなりレアケースになります。どうしたら勝てるか教えてください。
私は夢限少女杯本選の予選最終戦で不穏ナナシを踏んで天を仰ぎました(一敗)。
終わりに
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
私の結果は奮いませんでしたが、デッキ自体は自信を持って強いデッキだと言えるので構築や考え方など参考になれば幸いです。
さて、『ウィクロス』ももうじき10周年を迎え、先日の夢限少女杯でもこれからのロードマップや展開が発表されましたね。
そこには「夢限少女杯2024」についての情報も……。
━━5月にはもう予選が始まるとのことでですね、早すぎませんか?
息つく間もなく戦いの渦に巻き込まれていくのはセレクターの宿命なのでしょうか。ディーヴァセレクションにもアーツが登場するということでselectorシリーズの余波がきているのかもしれません。
というところで今回はここまでとさせていただきます。またお会いしましょう。