【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

フェゾーネ杯入賞デッキから見る環境分析

はじめに

キーンコーンカーンコーン♪

みなさまごきげんよう、ウィクロスアカデミーのお時間です。
講師を担当します、「しみずき」です。

今回は大盛況の中、幕を降ろした「ウィクロスフェス with 電音部」
その中の催しの一つ、3人チーム戦「フェゾーネ杯」の上位入賞デッキの中から、「しみずき」的に気になったモノを紹介していきます。

今回の記事で、僕がウィクロスアカデミー生徒の皆様に伝えたいことは一つ。

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「ついに、ディソナ最強環境が動いた……!!」

コレに尽きます。

そして、環境が動いたということは、自身の認識と構築をアップデートしないと、取り残されてしまう。
もっと踏み込んで言えば、勝てなくなってしまうということでもあります。
この記事を読んだみなさまは、環境の変化を踏まえて、自身のデッキを見直してみましょう。
環境の変化としてもっとも顕著なのはフィニッシュのターンです。

結論を先に言うと、4ターンから5ターンに移ろいつつあります。

従来のディソナ環境では、リフレッシュダメージや《炎妖舞 花代・惨》のライフクラッシュなどによる追加打点に加えて、苛烈な手札破壊とエナ破壊によるサーバント奪取とアシストルリグの弱体化により、先攻5ターン目を迎えられるデッキは環境に存在していませんでした。

また、ディソナのカード群は攻めさせれば一流ですが、その反面、盤面強度はそこまで高くありません。
個人的にも堅いなと感じたシグニは《翠美姫 アン//ディソナ》くらいでした。それでも往年の盤面強度つよつよシグニたちには後塵を拝します。
この点も、ディソナ環境の攻め攻めの風潮をあと押ししていました。
そのため、活躍している全すべてのデッキのゲームレンジが、4ターン目のフィニッシュに収束していたと言っても過言ではありませんでした。

  • 先攻の際には、いかに先攻4ターン目にフィニッシュするか
  • 後攻の際には、相手の先攻4ターン目の攻撃をしのげるか

この2点にコミットした結果が「追加打点マシマシ+最大4面防御」という、ポピュラーなディソナ軸のデッキを思い浮かべれば、これにおおむね該当するような構成という訳です。

しかし、そんな“4キル環境”にも終止符が打たれます。

その要因が、今回の「フェゾーネ杯」でもそこそこのシェアを占めていた《カオス!chaos!混沌!》を採用した原子軸の《アロス・ピルルク kl》と、《奏月の巫女 タマヨリヒメ》のデッキの台頭です。
上位入賞を果たした7チームを見ても、この型のアロス・ピルルク4名、タマ3名と1/3のシェアを叩き出しています。

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この2つのデッキの最大の特徴は、4キルに特化したディソナ軸のデッキと相対しても現実的に5ターン目を迎えることができる点です。
その立役者が《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》《羅原姫 H2O》と言った、往年の高い盤面強度を誇るシグニたち。
そして、これらのシグニを格段に扱いやすくした《カオス!chaos!混沌!》です。

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安定して立ち並ぶようになった高い盤面強度シグニに加えて、アロス・ピルルクであれば手札破壊、タマであればエナ絞りが組み合わさることによって、ディソナ組の猛攻をしのぎ切れるようになっています。

それでいて防御一辺倒という訳でもなく、しっかりと後攻4ターン目から先攻5ターン目にかけてフィニッシュできるレベルの決定力を兼ね備えているのが重要な点です。
倒し切るのは難しいのに、攻めあぐねているとアッと言う間に詰められてしまいます。

……と、いうことで。

これまでのように、ディソナルリグの効果と《幻獣神 LOVIT//ディソナ》《翠魔姫 バン//ディソナ》だけで気持ちよく攻めきれる時代は終わりました。

再び、《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》《羅原姫 H2O》と向き合う環境がやってきたのです。

今回は、ここまでの環境の変化のお話を踏まえて、注目のデッキを3つ紹介します。
自身の構築を見つめなおすヒントになるやもしれません。

それでは、さっそく行ってみましょう!!

時間割は以下の通りです。

  • 1時限目:白夜の使者 サシェ・モティエ:HQK選手(7位:神撫学園超星徒会)
  • 2時限目:共宴の巫女 リメンバ・ディナー:クラト選手(優勝:ウィクロス環境対策委員会)
  • 3時限目:炎泳華 遊月・燦:たけちよ選手(4位:RO-KYU-BU!)
  • ホームルーム

白夜の使者 サシェ・モティエ:HQK選手

HQK選手

センター:サシェ アシスト:ウムル、ウリス

「フェゾーネ DIVA with 電音部」リリース後から、北海道のセレモニーで安定して結果を残しているタイプのサシェだと認識しています。

このデッキも、先ほどまでに説明した2デッキ同様に、安定して5ターン目を迎えられそうなデッキタイプです。
白シグニ群の盤面強度の高さに加えて、《白夜の使者 サシェ・モティエ》のゲーム1能力とクラフトレゾナ《白羅星姫 フルムーン》で相手の攻め手を大きく牽制できます。

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残る課題は、その間に相手を倒しきるだけの打点をそろえるのみです。

このデッキでは《大装 ロンゴミニアド》によるルリグの連続アタックを強く見ている印象です。
《白夜の使者 サシェ・モティエ》はエナや手札のリソース面が結構シビアなルリグです。そんななかでわずか1エナかつ、相手の盤面強度に影響されずに安定して得点できるのは非常に優秀。

また、エナを絞るのが得意なサシェにとって、余計なエナを与えないばかりか、《コードハート リメンバ//メモリア》を添えることで、むしろエナを奪いながら攻められる点は非常に噛み合っています。
すべてのシグニがダウン状態でライフクロスをクラッシュするので、「アップ状態のシグニを除去」する系のライフバーストをケアできる点も地味ながらうれしい点です。

こうして相手のエナを徹底的に絞ったうえで、《ウムル=クリアー》《ウリス・スケアー》《カオス!chaos!混沌!》によるエナを与えないリフレッシュダメージと、満を持して投下される《凶魔姫 エレシュキガル》による一気呵成の攻めは、このデッキの太い勝ち筋だと見受けられます。

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そのうえで、デッキ枚数調整からの《ウムル=クリアー》《蒼黒GAIA》によって、突然すべての手札が破壊されるケースも存在するので、恐ろしいデッキです。
また、個人的にとても良いなと感じている点が、ルリグデッキが要求してくる“色”の緩さです。
《カオス!chaos!混沌!》の黒1以外色の縛りがありません。
これの何がうれしいのかと言うと、レベル1シグニに《聖将 トキユキ》《コードメイズ キョウシュウ》の盤面強度を誇るシグニを採用できる点です。

僕自身、このサシェに近い構成のタマを使い込んできました。
そこで、色の関係で仕方なく採用している5000バニラが《小砲 バクチク//ディソナ》にバニッシュされるたびに悲しい気持ちが溢れていました。

白軸のデッキは、手札に戻す除去を主体にエナを絞りながら攻めるデッキです。そのため、エナを消費してくれる《コードメイズ ムジカ//ディソナ》《幻獣 ワウルフ//ディソナ》に要求されるぶんにはまだ許せます。
しかし、余りがちな手札コストで攻められる《小砲 バクチク//ディソナ》のカモにされてしまう点はかなり大きなモニョりポイントでした。そこが解消されている点は大きいです。

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《サーバント #》の次に採用枚数が多いであろう“大《小砲 バクチク//ディソナ》時代”においては、残せるライフクロスが平均して1~2枚は変わってくると思います。

余談ですが、《カオス!chaos!混沌!》入りのタマに《ダークネス・セブン》を採用したら《聖英 タンゴカード》の除去範囲が広がるし、《カオス!chaos!混沌!》のマイナスとも噛み合う。という事に気付き、「俺、天才かもしれん……」と自画自賛していたのですが、このサシェにすでに採用されていて自分の浅さを再認識したという思い出があります。

非常に綺麗にまとまっており、お世辞抜きに強力だと感じた構築です。
僕から言うのもなんなんですけど、これからの環境でかなりオススメです。
(本当になんなんだコイツ……???)

共宴の巫女 リメンバ・ディナー:クラト選手

クラト選手

センター:リメンバ アシスト:エクス、ウリス

続いては《聖天姫 エクシア》《羅原姫 H2O》などの盤面強度シグニたちに対して、強く出られるデッキの紹介です。

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特徴的な点は、ここ最近では見かけなくなっていた、両面除去アシストの構成です。
忘れがち(……ん?)なのですが、相手ターン中にはすさまじい耐性を発揮する《聖天姫 エクシア》《羅原姫 H2O》も自分のターンに除去されてしまうと無力です。

《ウリス・アフリクト》《エクスクロスファイア》という、パワー13000以上のシグニでも除去可能なアシストによって、これらのシグニを意に介さずにテンポ良く攻めることが可能になっています。

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さらに《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》のゲーム1能力のターンも対戦相手の盤面強度を無視して攻められるので、これらのシグニに防御を依存しているデッキには非常に強く立ち回れます。
とは言え、その代償として防御面数を捧げています。
その点を補うために採用されているのが、ひときわ目を引く《まっすぐオーネスト》です。

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通常ピースで1点守りながら攻められる点は非常に優秀ですが、登場からなかなか日の目を浴びることのない1枚でした。
要因としては、ディソナ環境以前は序盤から3点要求を繰り返すデッキは多くなく、自然な形で《まっすぐオーネスト》を腐らせる立回りが可能でした。

ディソナ環境に入ってからは、ご存じの通り序盤からの3面要求が当たり前、さらに優秀なレベル1シグニが多いことから、後攻であっても《まっすぐオーネスト》が機能する試合が増えていることが予想されます。
ディソナルリグが軒並みエクシード4を要求してくるので、ディソナ環境に入っても埋もれていましたが、ココにきてかなりピッタリの就職先が開拓されたなと感じました。

これに加えて、《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》のゲーム1能力で、相手のセンタールリグの攻めを封じつつ《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》を立ててやることで、かなり現実的に相手の攻撃を受けきることができるでしょう。

非常に攻めと守りのバランスが良く、これからの環境にもマッチしたデッキだと思います。

3時限目:《炎泳華 遊月・燦》:たけちよ選手

たけちよ選手

センター:ユヅキ アシスト:サシェ、ウリス

この《炎泳華 遊月・燦》デッキは、従来のディソナ軸とは一味違いつつも、数多くの追加打点を獲得する手段が搭載されています。

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もっとも特徴的な点は、最大枚数採用された《大罠 あや//ディソナ》の存在でしょう。
ド派手な効果で発表当初は注目されていましたが、その扱い辛さが祟って一線級での活躍は見られませんでした。

《大罠 あや//ディソナ》を実践的に運用するための要素は以下の3点です。

  • デッキボトムを操作できるカードの採用
  • 一定枚数以上のスペルの採用
  • 《大罠 あや//ディソナ》を能動的に退場させるカードの採用

これら3点を満たすことで、相手の手札からピンポイントに《サーバント #》を叩き落すという、最大のメリットを安定して享受することができるようになります。

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このデッキでは、アシストのサシェと《ウルトラスーパーヒーローズ》でのデッキボトムの固定、《開園の合図》《仮面の伝説》《TROUBLE》によるスペル枚数の確保、《凶魔 パイモン》《ウリス・オーラ》による《大罠 あや//ディソナ》の自主退場手段を兼ね備えています。

そして、これらの要素が《大罠 あや//ディソナ》を運用するだけのモノではないのが綺麗な点です。
例えば、《ウリス・オーラ》《炎泳華 遊月・燦》のアサシン付与の条件である、ライフクロス2枚以下という状況を作ったあとから、ライフクロスを構え直すことができますし、レベル1の《ウリス・スケアー》《ウルトラスーパーヒーローズ》と合わせて安定したリフレッシュダメージを狙えるようになっています。

ほかにも、《炎泳華 遊月・燦》グロウ時のライフクロスのトラッシュ効果も、リフレッシュダメージも対戦相手にエナを与えません。
そこに《コードアート ララ・ルー//ディソナ》《幻獣神 LOVIT//ディソナ》のエナ破壊が加わることで、相手の防御アシストの弱体化が狙いやすくなっています。まとまった枚数採用された《羅星姫 カーニバル//メモリア》によって、プランの再現性が高いのも見逃せません。
これに加えて《轟炎 フレイスロ団長》のバーンダメージまで飛んでくるのはシンプルに脅威です。

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アサシンで攻めることができる点も、盤面強度シグニに相対することの増えた現環境では大きなメリットだったりと、随所に工夫が感じられる素晴らしいデッキです。

ホームルーム

お疲れ様でした。
新進気鋭のデッキが数多く登場しており、僕自身も構築意欲をくすぐられました。
ディソナ環境以前のシグニが再注目されていることもあり、それらを制限なく扱うことができるセンタールリグ達が復権しそうな機運を感じます。

今後どのようなデッキが活躍するのか楽しみです。
それでは、こちらで本日の講義を終了いたします。

タカラトミーモール