【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー番外編

ディーヴァグランプリ6th 決勝戦解説!!

はじめに

キーンコーンカーンコーン♪

みなさまごきげんよう、ウィクロスアカデミーのお時間です。
講師を担当します、「しみずき」です。

今回はいつものアカデミーとは少し異なる番外編として、「ディーヴァグランプリ6th」の決勝戦の解説をしていきたいと思います。
「動画」×「文章」というウィクロスアカデミー初の試みになります。

以下の流れで解説をしていきます。

  1. 各デッキの紹介
  2. ゲームのハイライト解説
  3. 試合の総括

まずは決勝戦の動画がこちらになります。

決勝戦の試合がどんな展開だったのかが気になる人は、まずはここから観てみるのもいいかもしれません。

ゲームのハイライト解説では、動画のタイムスタンプ機能を用いて解説しているシーンをすぐに観ることができます。
ハイライト解説と合わせて観ることで、決勝戦で戦うプレイヤーたちの試合の深みがより伝わるのではないでしょうか。

それではさっそく行ってみましょう!!

1.各デッキの紹介

決勝戦まで勝ち残ったのは、九州の強豪「46熊」選手。昨年の激戦を極めた夢限少女杯にも出場しており、ご存知のセレクターも多いのではないでしょうか。

そして、相対するは「伯方シオ」選手。本当に長い年月アルフォウを研究し続けているセレクターで、アルフォウ愛好家の中で知らない人は居ないんじゃないでしょうか。

お互いにセンタールリグはみこみこと“もちろん”アルフォウを選択しています。
まずはどんなデッキが決勝で火花を散らしたのか。簡単に解説していきましょう。

46熊選手:みこみこ(対戦動画左側)

46熊選手が操るチームのセンターは、リソース奪取の女王《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》
片翼には、今やディソナ軸の青ルリグの助演女優賞間違いなしのエクス。
そして、もう片方のアシストを白緑黒からどの色を選択するかが、セレクターの環境読みが光る部分です。

46熊選手は緑のメルを選択しています。
ダメージ無効という、シグニ、ルリグ両方から攻めに対応できる防御としての信頼性の高さがウリです。
メルにすることで序盤の打点の安定感が下がってしまう部分は、《紅将 リル//ディソナ》などの打点になるシグニを増量することで緩和しています。

ドリームピースは定番の《不穏☆FU☆ON!》ですが、注目したいのは従来の構築の主流であった高いゲームメイク性能を誇る《ディソナンス》に変わって、《ゼノ・クラスタ》が採用されているところでしょう。

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この変化には2つの背景があります。

1つ目は《CONNECTスピニング》の登場により、突然の3エナ破壊に見舞われるケースが確実に増加した点。
この事象によって《ゼノ・クラスタ》無しに大型の3面防御アシストを運用するのは無謀といっても過言ではなくなりました。

2つ目は《カオス!chaos!混沌!》のトラッシュからの領域移動を封じる効果の登場。
これによりトラッシュからの回収効果も封じられてしまうため、トラッシュ回収に頼りきったゲームメイクは時に致命傷なりかねません。
この事象によって、手札破壊からの復帰手段としての《ディソナンス》の価値は減少してしまいました。

パワーとしては《ディソナンス》に軍杯が上がりますが、メタゲームに適しているのは《ゼノ・クラスタ》なのです。

結果論で言えば、《ゼノ・クラスタ》という選択は大正解でしたが、新環境1発目の大舞台という、蓋を開けて見ないと解らない状況下でこの選択を行えた点は素直にスゴいです。

実際、僕の使用候補にもみこみこはありましたが、《ゼノ・クラスタ》を採用してデッキを回せる自信がなかったので断念した経緯があります。

総括すると、約束された手札破壊性能と信頼性の高い防御パッケージによる、圧倒的な手堅さ。エナも含めたリソース奪取による決定力を併せ持つのが、緑軸みこみこの特徴と言えるでしょう。

伯方シオ選手:アルフォウ(対戦動画右側)

センター:アルフォウ アシスト:メル、ウムル

相対する、伯方シオ選手が操るチームのセンターは《喝采の歌姫 アルフォウ》
片翼には、46熊選手と同様にメル。
もう片方には、最近流行中のウムルが採用されています。

《ウムル=クリアー》による強制的な手札入れ換えは、相手の山札が極めて少なければ、擬似的な手札破壊として機能するのは有名な話です。
しかし、これは相手視点でも見えている地雷なので、山札を掘れるカードを駆使して枚数調整を行うことである程度対策されます。

ここで活きてくるのが《Instigate》なのかなと考えています。
アルフォウ、ウムルに加えて、ゲーム中に公開領域に出てくるであろう《羅原 まほまほ//ディソナ》《羅菌 オリゼル//ディソナ》を目撃した時点で、ゲーム中に一度リフレッシュによるダメージにを狙うには十分であると判断し、ほかのピースに意識が移ってしまうでしょう。
ここで、意識外からの《Instigate》によって、突如として手札もトラッシュも奪われてしまったら、かなり厳しい状況に陥ってしまいます。

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また、このデッキ相手では山札17枚が致命的な数字になるのですが、自然にゲームを進行していたら、アルフォウ側が3ターン目を迎えた頃に、ちょうどこの位の数字になっていることが多いです。
相手依存ではありますが、上振れパターンを有している点も魅力の一つです。

もう一つ、《喝采の歌姫 アルフォウ》のゲーム1能力によって任意のシグニ3枚を除外できる点も持ち味の一つです。当人の解説記事でも語られていましたが、デッキの主要札として採用されている《聖天姫 エクシア》の天敵とも言える《翠魔姫 バン//ディソナ》を狙って除外することで、機能させやすくなっている点は非常に綺麗です。そうでなくとも相手のキーカードを除外してやることで、少なからず次ターン以降の動きに影響を与えることができます。

これにより、リフレッシュ後に回答札を引かれる確率を大きく低下させることができます。

早期リフレッシュからの、攻めの期待値減少と《聖天姫 エクシア》による盤面強度で戦うのが、このアルフォウデッキの特徴でしょう。

2.ゲームのハイライト解説

ここからは、試合中の3つのハイライトを紹介します。
まずは、動画を一度見ていただいて、試合の流れを掴んでから、読んでいただくと理解が深まりやすいのかなと考えています。

さっそく、いってみましょう!!

「オープン!!」

ハイライト① :ダメージレース感の推測(00:10)

「オープンしたばっかやないかい!?」
という話ではありますが、ディーセレにおいて非常に重要なシーンです。

今のディーセレは必ずしも先攻有利という訳ではなく、デッキ同士の速度感によって先手後手による勝率の天秤は揺れ動きます。

まずはこのタイミングで、どの位のターン数のやり取りになるのか見通しを立てましょう。
自分が防御的な立ち回りをすべきか、攻撃的な立ち回りをすべきなのかを一度考える習慣をつけることで、プレイングによる勝率UPが狙えます。

  • sideみこみこ(先攻)

僕がみこみこの立場だったら、4ターン目の決着を前提としながら、状況に応じて5ターン目の決着を狙うようなゲームの組み立て方になると考えます。

理由としては、リフレッシュダメージによる追加打点がほぼ確定している対面(アルフォウ)なので、テンポよく攻められると、後攻4ターン目の攻撃をしのぐのはちょっと厳しめだからです。

具体的には、常に全面要求され続ける前提なら、防御アシストをフルポワーの4面防御で使えたとしても、ガードやライフバーストで5点分の攻撃を止められないと5ターン目を迎える前に負けてしまいます。
「無理ではないけど、分が悪そう」ってのは何となくイメージできるでしょうか?

ゆえに4ターン目の決着を狙いたいのですが、コチラ側には追加打点を獲る手段がありません。
そのため、サーバントの奪取に加えて、エナと手札の両方を削っての《メル・インビジブル》の弱体化がほぼ必須となります。
それでも、《ウムル=クリアー》によるルリグ凍結などを考慮すると、4ターン目の決着は、確率としては低めになってしまいます。

ここまでで、5ターン目まで生き残るのも難しいのに4キルも難しい。じゃあ、どうすれば良いのかと言うと、序盤からなるべく相手のリソースに負荷をかけながら全面要求を繰り返して、相手の要求が緩むことに期待しながら、彼我のガード数やLBのめくれ方次第で、狙うべき決着ターン数を切り替える試合展開を意識したいです。

特に、4ターンでの決着が見込めなくなったという見極めは重要で、その瞬間からもう1ターン生き延びる方向に舵を切ってやらないといけません。

例えば、点数要求を減らしてでもパワー5000となる《幻水 イシガメ//ディソナ》や高パワー、高耐性の《翠魔姫 バン//ディソナ》を盤面に立てて、少しでもライフクロスを守る動きが必要になります。
ほかにも、早期に4ターン決着に見切りをつけれていれば、本来であれば即乗りしたい《エクスクロスファイア》も、“状況によっては”我慢して、LBによる期待値を最大限にする動きを狙うと勝率がコンマ%上がったりします。

  • sideアルフォウ(後攻)

僕がアルフォウ側の立場なら、目指すべき方向性は至ってシンプル。

「絶対に4キルするぞ2023in大阪!!」です。

理由も至ってシンプル。現環境のディソナルリグ相手は、余程のコトが起きない限りは後攻5ターン目は巡ってきません。
そして余程のコト(=ライフバースト大暴れ)が起きた暁には、特に意識しなくてもLBの導くままに5ターン目を迎えている事でしょう。
そのため考えるべきは、いかにして4ターン目に倒し切るかという1点になります。

特に意識したいのは、苛烈な手札破壊に加えて、エナまで奪ってくるみこみこ相手に、4ターン目までキッチリ全面要求を継続させる点です。

《ウムル=クリアー》《メル・インビジブル》に加えて《ゼノ・クラスタ》まであるので、基本的には4ターン目はやってくると思います。
どちらかと言うと4ターン目を迎える際に《メル・インビジブル》で支払うコストを、どれだけ節約して、攻めに回せるかがカギになってくると考えています。

《喝采の歌姫 アルフォウ》のゲーム1能力による相手のアタッカー除外と、4枚採用している《聖天姫 エクシア》の防御機構を後ろ盾にしつつ、4ターンに渡る攻めを組み立てていきましょう。

鬼門となってくるのが4ターン目で、《Instigate》を温存できる展開が理想なのですが、それができないと前のターンのLBとデッキトップに大きく依存してしまいそうです。

さて、4~5ターンでの舵取りを行うみこみこvs絶対に4キルしたいアルフォウというバトルの縮図が見えてきたところで、試合の方に行ってみましょう!!!

……の前に!!

栄えあるウィクロスアカデミー生徒の皆様。

ここで解説した、オープン時のダメージレース感の推測は、ディーセレで勝ちたいのであれば“必須”です!! セレモニーというテストで毎回絶対に出ます。

特に何も考えずに手なりで序盤戦を進めていませんか?
そのうえで貴方が「勝ちきれない」と悩んでいるのであれば、その原因の何割かはココにあると思います。
習慣になるまでは面倒かもしれませんが、頑張って意識づけるようにしましょう。

ハイライト②:ここが勝負の分水嶺(6:40)

みこみこ側の先攻3ターン目のアタックフェイズです。

アルフォウ側には、2つの選択肢がありました。

《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》の自動能力に対してエナを払うか否か
《ウムル=クリアー》にグロウするか否か

状況を整理すると、アルフォウ側が4ターン目の勝利を達成するには、続く後攻3ターン目に相手の《メル・インビジブル》にグロウさせるのはマストです。
それを狙うに当たり、次のターンにリフレッシュまでもっていくのは確定で、《幻獣 ワウルフ//ディソナ》のランサーによる要求を1面以上作ることができれば、《メル・インビジブル》を相手に使わせたうえで、相手のライフを削ることができます。

(この流れは実際の試合でも行われていました。素晴らしい限りです!!)

これらを加味すると、苦渋の選択ではあるものの、僕個人としては①・②のどちらかは行いたいと感じました。

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《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》の自動能力に対してエナを払う理由としては、実際の試合でも発生した《EXTRA》《羅原 ミルルン//ディソナ》のLBケア用の手札3枚を用意するためです。
みこみこ側にほぼ確実に4枚採用されている《羅菌姫 ミコオシ//ディソナ》がめくれたとしても、シグニの攻撃を止められません。ですので、上記のLB群をケアしてやれば、有効LBを踏んでしまう確率は非常に低くなります。

《ウムル=クリアー》へのグロウの理由としては、《ゼノ・クラスタ》を使わせることなく、相手の手札を崩せるタイミングがココだけだからです。
実際の試合より2枚分のドローが減ることによって、《サーバント #》を引かれる確率を下げることができます。
《サーバント #》が無ければ、有効LBが1枚あったとしても《メル・インビジブル》にグロウさせることができます。

加えて、この時に手札に持っていたのが不要札である《コードメイズ ペイラビ//ディソナ》1枚のみ(この後《羅菌姫 ミコオシ//ディソナ》に手札破壊される予定)だったので、《ウムル=クリアー》で手札2枚にすることで、ここで引いた強い方のカードを手札に残せるという選択が生まれます。

結果論ではありますが、アルフォウ側はこのタイミングで《聖天姫 エクシア》を引けているので、《聖天姫 エクシア》による防御を勘定に入れたゲームメイクが可能になっていました。(その後、発動した《サーバント #》のLBで何を回収するかなど)

とはいえ、火の車と化したエナ事情の中で《幻獣神 LOVIT//ディソナ》による追加のエナ破壊を喰らってしまうので、僕自身も実際の試合中にその判断を下せたかは怪しいところではありますが……。

そう考えると、この局面で貴重なアタッカーである《幻獣神 LOVIT//ディソナ》を繰り出した46熊選手の手腕は素晴らしいですね。

ハイライト③:生き残るだけじゃダメ(14:55)

ここのLBに賭けてのスルーは素晴らしいですよね。

おそらく《メル・インビジブル》を温存できたところで、アルフォウ側に5ターン目が回ってくる可能性は低いでしょう。
であれば、メルにグロウして確実に4ターン目を掴んだ方が良いのではないかと言う話になるのですが、そうでもありません。

アルフォウ側が4ターン目に勝利するには、みこみこ側が《サーバント #》を持っていない前提で、3面要求がマストです。
そのうえでリソースが非常に細い状態なので、《メル・インビジブル》にグロウしようものなら、アタックしないことで、エナやLBによる追加のリソースを与えない選択を相手にされる可能性が非常に高いです。

《聖天姫 エクシア》を絡めて5ターン目を掴むにせよ、4ターン目の決着を狙うにせよ《メル・インビジブル》の温存は素晴らしいプレイでした。

3.試合の総括

お互いのLBが不発になることが多く、ライフクロスがものすごい勢いで削れていくハイテンポな試合展開でした。その中で数多の苦渋の選択を相手に迫る《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》の奥深さが発揮された良い試合だと感じました。

一点、試合をジックリ眺めていて、実はみこみこ側のリソースが枯れる展開もあり得たのでは? と感じました。

この試合は《開園の合図》を連打する、手札消費の激しい展開でした。
それを《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》のグロウ時の2ドローと《ウムル=クリアー》《ゼノ・クラスタ》を合わせる形で大量にドローしていたので、豊富な手札を維持しながらターンを進行できていました。

ここでアルフォウ側が《不穏☆FU☆ON!》を使用された2ターン目に《ゼノ・クラスタ》を使用して、大量の手札を温存し、《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》のグロウ時のドローを拒否。みこみこ側のアタックフェイズに《ウムル=クリアー》にグロウすることで、《ゼノ・クラスタ》をフルパワーで使わせない動きをすれば、累計で4枚の手札を減らせる展開になっていました。
こうなると回収手段を持ち合わせない+主要なアタッカーを除外されたみこみこ側の攻め手は大きく緩むでしょう。

その後は、かなりの泥仕合になることが予想されるので、結果は神のみぞ知る訳ですが、そういうIFもあったのかなと思いました。奥深いですね。

おわりに

いかがでしたか?

動画の試合解説は、僕としても初めての試みだったので、試行錯誤しました。
少しでも試合運びの考え方などが伝われば幸いです。

以上です。最後まで読んでいただいてありがとうございました!!

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