【バトル攻略コラム】
ウィクロスアカデミーディーヴァグランプリ6th環境分析 〜環境はディソナ一色?〜
みなさんこんにちは、ウィクロスアカデミーのお時間です。
担当講師のウィクロス環境研究学部のシロネコです。
暑い夏が続きますがみなさんはどうお過ごしでしょうか?
お祭りに行ってかき氷を食べたり花火を見たりと素敵な夏を過ごしていることでしょう。
あ、私ですか? 私はもちろんウィクロス一本です。
ウィクロス一本すぎて体がニ本になれば良いのになと最近切実に感じています。
さて、今回はそんな私も参加させていただきましたディーヴァグランプリ6thを振り返って環境分析や注目デッキ解説をしていきます。
おもしろいデータも多く出ていますので、最後までぜひ見ていってください!
- 1章:ルリグ分布から見える環境全体の傾向
- 2章:トーナメント進出ルリグから見る上位デッキの傾向
- 3章:上位(ベスト16)注目デッキ紹介
- 4章:今後の展開を考える
1章:ルリグ分布から見える環境全体の傾向 〜赤ルリグ優位の環境?〜
まずは参加者全員のルリグ分布を見ていきます。
参加者総勢277人の使用ルリグ分布は以下の通りです。
ディソナ編ルリグである花代・タマ・ナナシがTOP3で、みこみこ・ピルルク・イオナも使用者ふた桁で上位につけており、まだまだディソナルリグへの信頼が見て取れます。
また、私が会場を歩き回って対戦を見た限りメインデッキについてもディソナシグニを多く採用しているプレイヤーが多くいました。
そして新環境になり注目したいのは遊月の増加でしょう。
ライフトラッシュという強力な効果を手にしたことで赤特有の高い攻撃力を活かした戦術が多くのプレイヤーの心をつかんだようです。
前回のディーヴァグランプリ5thで準優勝したみこみこを抑えて使用数4位と高順位につけています。
フェゾーネルリグはほかにも安定感が高く評価されているアンが15人で、全体で5位タイ。
緑ルリグでは1位の使用数となり、電音部シグニと好相性のアキノも使用数上位となりました。
このデータから読み取れることとしては「手札破壊への信頼度が下がってきている」ということでしょう。
《カオス!chaos!混沌!》などの多くの手札リソースを回収できるピースや手札がなくても簡単に盤面形成しながら攻めることができる
《ハピネス・フロート》といったピースが登場したことで、手札破壊のメリットの一つである相手の手札の質を落として盤面強度および攻めの質を落とすことが難しくなりつつあります。
加えて、リソース奪取に対して無類の強さを誇る《翠美姫 アン//ディソナ》を強く使える《盛夏の成果 アン=サード》の登場により、ただ手札破壊をするだけではさばかれてしまう試合も増えてきてしまい、結果的に手札破壊デッキが減少したとみられます。
そうして手札破壊デッキの代わりに増えてきたルリグが効果によってライフをクラッシュすることができる遊月や花代というわけです。
新ピース《CONNECTスピニング》とルリグ効果を合わせてライフクラッシュを2回行いながらエナ破壊をしていくことで、早期の決着を狙えるようになりました。
また、花代も遊月もアサシンが付与できるので相手が回収してバニッシュが難しい盤面を形成してきたとしても、アサシンでダメージを与えていける点が人気の理由と考えられます。
長々と話してきましたが要はプレイヤーの多くが「どっしり構えてもさばかれるならやられる前にやってしまえ」というような意識を持って今大会に臨んでいたことがわかります。
2章:決勝トーナメント進出デッキから見る上位デッキの傾向 〜上位ルリグは……手札破壊だらけ!?〜
続いては決勝トーナメント進出デッキの分布を見て全体とのギャップを考えていきます。
ベスト16のルリグの分布は以下の通りです。
参加ルリグの16%ほどを占めていた花代&遊月は1人まで減ってしまい、手札破壊を得意とする青ルリグのみこみことピルルクが半分を占めていました。
特にみこみこはデッキ使用者15人中6人が決勝トーナメント進出という驚異の結果となりました。
そのほかにも環境ではあまり見ることのなかったアンジュ&リゼのにじさんじ組やデッキ破壊を得意とするアルフォウなどが決勝トーナメントに進出していました。
さて、ここから分かることとして上位プレイヤーの中では対策されたとしても手札破壊が強いという認識があったということです。
厳密に言うと、手札破壊だけでは勝てないことは分かったうえで、複数の戦術を加えていくことで勝ちを安定させていました。
《エクスクロスファイア》と《幻獣神 LOVIT//ディソナ》など採用することで手札破壊に加えてエナ破壊をして相手の動きを制限したり、
手札破壊をしながら相手のエナ破壊に対して《羽化》などを連打したり、《メル・リバイズ》を使うことでリソースを整えて対応していったりなど、赤デッキに勝とうという姿勢が見られました。
ライフをクラッシュする花代&遊月はドローカードなども豊富にそろっています。
ですがエナを破壊されてしまうと、エナチャージ手段の少なさから攻めか守りのどちらかが欠けてしまうことがあります。
さらに、決着までのターン数を構築段階から短く設定している人も多く、そこに上手くつけ込まれてしまった結果、上位に残りづらかったのではないかと考えられます。
《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》はエナかターン開始時のドローを縛ることができたので、上位に残ることができたと考えられます。
また手札破壊対策の例として挙げていた《翠美姫 アン//ディソナ》については、手札破壊デッキを使用した多くのプレイヤーがこれを見据えて、
シャドウを付けられても除去できる《翠魔姫 バン//ディソナ》を採用することでしっかりと対策していました。
もう一つ着目すべき点はにじさんじ組のトーナメント進出です。
ディソナルリグが登場してから見る機会が減っていました(今回も4ルリグ合わせて11人)が、ここにきて上位に食い込んできました。
入賞できた理由はいくつかありますが、一番大きな要因は《コード2434 西園チグサ》の連続ルリグアタックがうまく環境に刺さったためと考えています。
にじさんじルリグが参戦したころと比較して、相手のシグニを除去して防御するアシストの採用が減ってきたことが《コード2434 西園チグサ》連続ルリグアタックを通しやすくなった要因となっています。
さらに今回は予選が7回戦と長丁場であったため、サーバントがなくてもガードが行え、ゲーム1効果でシグニにシャドウを付与できる《【センター】リゼ レベル3’》が安定した試合を展開できたことも入賞の要因と考えられます。
予選分布からまさかこのような上位分布になるとは思いもしませんでしたが、使用率の高い赤ルリグに対してしっかりとした対策を用意できていたり、アシスト構成などを考え環境に上手く刺さる動きを用意できていたプレイヤーが勝てていた、という印象です。
3章:上位入賞デッキ紹介
ここまでは分布から傾向を分析してきましたが、ここからは個別に上位デッキを見ていき具体的にどういった工夫がなされているのかを深堀していきます。
決勝トーナメント優勝(予選3位)みこみこ:46熊選手
センター:みこみこ アシスト:エクス、メル
まずは優勝のみこみこから。
従来の構築に比べて緑が多く採用されている形です。
リソースの獲得に重きを置いており《メル・リバイズ》や《羅植 アイビー//ディソナ》が採用されています。
自分はエナを確保しつつも相手のエナは《エクスクロスファイア》で破壊することで、リソース差を広げながら試合を有利に進めるていけます。
ゲームが長引けば長引くほど相手は不利になっていくため、相手が早期決着狙いで攻めてくることを予測してエナ破壊、手札破壊両方に対応できるように《ゼノ・クラスタ》が採用されています。
こちらのリソース破壊に対して強く出てくる《翠美姫 アン//ディソナ》を採用しているタイプのデッキには《翠魔姫 バン//ディソナ》を採用することでしっかりと対処できるようになっています。
手札破壊+エナ破壊を活かして早期決着を狙うこともできたり、圧倒的リソース差でロングゲームもすることができる長丁場の戦いを制したのも納得の非常に安定感のあるみこみこです。
決勝トーナメント準優勝(予選8位)アルフォウ:伯方シオ選手
センター:アルフォウ アシスト:メル、ウムル
アルフォウで準優勝という素晴らしい成績を収めています。
デッキの内容はディソナシグニが中心に採用。安定したダメージ要求を実現しながら、《聖天姫 エクシア》を採用することで防御力も担保された安定感のあるデッキです。
特筆すべきはやはりゲーム1能力と《Instigate》を活用して一気に相手のデッキを削り、1〜2枚ほど残したのち《ウムル=クリアー》を使うことで相手の手札が何枚あろうと
その後手札を少ない状態にしながらリフレッシュに入れるという状態を作り出すことができる点でしょう。
《ゼノ・クラスタ》などで対応されてしまいますが、ゲーム1能力で相手の主要シグニを除外しておけば有効なカードを引かれる可能性は下がるため、こちらに有利なゲームを展開していけます。
また《ウムル=クリアー》はルリグ凍結効果もついているので、手札破壊でルリグアタックを通してくるルリグに対して強く出られることはもちろん、ドロー効果が少なくサーバントが引きにくいアルフォウともかみ合っています。
アルフォウのデッキ特性をしっかりと理解し、環境カードと組み合わせてうまくまとめ上げた完成度の高いデッキです。
余談ですが私はこの方に負けました、とっても悔しい。
予選2位リゼ:シイタケ選手
センター:リゼ アシスト:サシェ、デウス
にじさんじ上位入賞ルリグのリゼをご紹介。
《【センター】リゼ レベル3’》の能力で、手札がなくともルリグ防御ができるため手札破壊デッキに対して強く出ることができます。
さらにデッキのほとんどがバーチャルシグニで染まっているので、少しクセのある《サシェ・アンジュレーション》を強く使えています。
少し序盤の攻めに不安は残りますが、その点は《サシェ・バラディ》で相手の除去しにくいレベル2シグニを除去しながら、リミット減少効果で相手の盤面強度を抑制できます。
ゲーム1能力のシグニシャドウを付与する効果は、除去能力の多くをシグニに頼っているディソナ環境において有効に働く場面が多いです。
ピース構成も《世怜音女学院 After School 》と《LazuLight FLASH》が採用されており、リソース奪取系のデッキに対しては負けないぞ、という意志を感じました。
《LazuLight FLASH》はコラボライバーを増せるため、ゲームがもつれてきた時もしっかりルリグアタックをさばいて勝てる点も、長い予選を勝ち抜けた要因でしょう。
予選9位ピルルク:シロネコ選手
センター:ピルルク アシスト:LION、マキナ
私です。
私です。(大事なことなので2回言いました)
唯一のフェゾーネルリグの予選上がりルリグになります(すごい!)。
今回は原子シグニと組み合わせた形になります。
実は現環境の中心となっているディソナシグニで《羅原姫 H2O》を1枚で除去する手段はほぼ存在していません。
くわえて相手のシグニを除去しながら防御するアシストシグニの採用が減っていることに着目し、以前環境で猛威を振るっていた原子軸デウスの改変をする形で構築しました。
前回担当の講義(https://www.takaratomy.co.jp/products/wixoss/column/play_230804/)でもお話ししましたが、
新弾カードの中でも《カオス!chaos!混沌!》が特に強いと考えていたので無理なく使えるというところも使用を後押ししました。
《アロス・ピルルク kl》の強力な点として、《羅菌 オイゴナ》や《羅原 BP》などで手札を捨ててもドローできるため、手札破壊デッキ相手でも気兼ねなく使っていけることです。
フェゾーネマジックも《フェゾーネマジック・烈火》や《フェゾーネマジック・ブラック》を獲得することで、ダメージを取る効果を持たない《羅原姫 H2O》の弱点を補完してくれます。
ほぼすべてのディソナルリグに対して盤面勝負を仕掛けられるので、全試合通して安定感のある試合を展開することができました。
《ディソナンス》を採用した形のみこみこが多いと考えていたので、《カオス!chaos!混沌!》のトラッシュ回収封じ+リフレッシュを活かして2ターンの間マウントを取ろうと考えていたのですが、
《ゼノ・クラスタ》にトレンドが変わっていたようで焦りました。
しかしアシストも《メル・インビジブル》にかわっていたので《羅原姫 H2O》のアタック時能力をしっかり差し込むことができ、有利に試合を進められました。これが結果オーライというやつですね。
4章:今後の環境の展開を考える 〜本日の総括〜
今回の結果を踏まえて「やはり手札破壊は強い」とみなさん再認識したはずなので、自分の使いたいデッキに手札破壊要素を入れたり、手札破壊デッキを使う人がまた増えてきそうです。
そこに今回のリゼのような対策デッキが上位に上がってくるような流れで「手札破壊」中心の環境に戻ると思います。
特にみこみこの対策をどうしていくのか? というのが今後の一つの課題と言えます。
みこみこも様々なタイプがあるので、今回紹介のデッキも含めて対策していくことが大切です。
一番重要なことは、ただ手札破壊だけをするデッキはもういないため、対策をするにしても使うにしても手札破壊をするデッキがそのほかに何をできるのかを一度整理することです。
次の優勝ルリグは誰になるんでしょうか、次回大型大会の「ウィクロス九州フェスティバル」が楽しみですね。
本日の講義はここまで、また講義でお会いしましょう。
それでは〜。