【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

ディーセレの歴史をかえるかもしれない「CONFLATED DIVA」!?
全12種のSRシグニを徹底考察!

はじめに

みなさまお久しぶりです。3度目の執筆となります、「てらたか」です。
好きなカードは《コードアート C・L》、好きな戦術はソリティア系、自称WIXOSSのカバレージ執筆数日本一でブイブイ言わせている(?)ライターでございます。

つい先日(と言っても3カ月ほど前ですが……)も、白窓の部屋にも登録しているコミュニティの「らいだぁ杯」にスタッフ側で参加し、準々決勝から合計3本ほどカバレージを執筆させていただきました。
ときおり個人主催での大型大会を開催しているガチ対戦系のコミュニティですので、また次の開催があったらぜひ参加を検討してみてくださいませ。
もしかしたら、いずれ、うちの主催もコミュニティ紹介コラムを執筆しに来るかもしれませんね。

さて、今回は話す内容が多くて前書きに費やす文字数がもったいないので、自己紹介はこのくらいにしてさっさと本題に入ってしまいましょう。


4月29日(金)にいよいよ発売となる「CONFLATED DIVA」。その新規カードの情報が公開されるたびに頭をガツンと殴られたかのような強い衝撃を受けていたのは、おそらく僕だけじゃないはずです。

WXDi-P09-001 WXDi-P09-007 WXDi-P09-034 WXDi-P09-071

少なくとも僕はここ数週間、新しいカードを見ては「強いやん……」と同じ言葉を繰り返す壊れたロボット状態になってました。
センタールリグはディーヴァセレクションどころかキーセレクションやオールスターの環境すらも塗り替えうるものばかりで、アシストルリグも相手シグニを裏返したり0エナでガードを回収したりシグニアタックステップを飛ばしたりと、明確に過去のものと差別化ができる効果のオンパレード。

ピースを見てみても、《ブレイブリー・ヒロインズ》《ゼノ・クラスタ》と同じく存在しているだけでプレイ方針に影響を及ぼす重要なピースですし、相手のシグニゾーンを消すことで実質2面分の要求と1面分の防御に近い価値がある《禍キ目ノ疼キ》や豪快に相手の場を吹き飛ばす《宇宙級母性》、クラス統一系のデッキにデウスのような盤面再現性を与える《カウントダウン・ヒールズ》と、カードパワーが従来のピースより一段階ハネたような性能を持っています。

日々数枚ずつ公開されてるCやRのカードの中にさえ、場を全面高パワーで固定しておける《幻怪 ドーナ//メモリア》やこぼれそうな手札を逃がしておける《中罠 あや//メモリア》、相手の要求を大きく抑え込む《羅星 タテーザ》などおもしろい効果のカードが多く存在します。中でも《翠美 マーブリング》はディーセレを飛び越えオールスターのデッキにすら既に内定が出ているほどです。

「CONFLATED DIVA」はハイパワーなカードが目白押し。きっとこれはほとんどのプレイヤーの間で共通認識となっているはずです。


今回はそんな最新弾のSR枠、全12枚についてのレビューをさせていただきます。


……のですが、何せ上記のとおりの超強力弾。「うーん、《聖魔姫 オロチマル》。星5つ!そんじゃあ次の《轟炎 フレイスロ団長》。星5つ!」と、よくメモリーシグニのレビューで行なわれているような5段階評価をしてしまったらなんでもかんでも星5を付ける壊れたロボット状態になりかねません。

というわけで。
今回は、大体のシグニに高い評価を付けているという前提を置いたうえで、「実際使ってみるならどういう使い方になるのだろう?」という点に着目して各カードを見ていきたいと思いますね。

WXDi-P09-037

情報公開と同時に圧倒的パワーを全プレイヤーに感じさせたであろう1枚。ディーヴァセレクション黎明期に登場した《聖天 アテナ》と比べればそのカードパワーの差は一目瞭然です。

ガード回収で生存ターンを伸ばして攻めるというのは、これまで《天翔 ノヴァ》などに代表される白ルリグの特権的な戦い方でした。《幻怪 カラテン》を活用して低コストで回収を行なう動きは一応コインを持ってるルリグなら全員がこなせましたが、これも基本的には一番相性のよい相方がドーナ。
そして、これらのルリグは耐久力をより伸ばすほうへと舵を切ることがほとんどです。

しかし、《聖魔姫 オロチマル》でできる動きは耐久だけに留まりません。
というのもなぜかこのシグニには、《蒼将姫 コロンブス》あるいは《幻水姫 シロナクジ》とよく似た除去効果まで付いているためです。

WXDi-P04-006

3~4リソースを使った除去となるとおいそれと撃つことはできませんが、リソースコントロールに長けた《DEVIL’S CARNIVAL》系悪魔軸のデッキや青白系のデッキでは十分な中盤火力になりますし、中速寄りのハンデス系の構築でも最後のターンに余ったリソースを使い切って要求するならば全然痛くありません。

このことから、ディーヴァセレクションの中速~低速デッキにおいて《聖魔姫 オロチマル》は、「中盤はガードを回収することによって生存ターン数に誤算が起きないようにしつつ、終盤にかけて確定除去として使うことで後半に引いても詰めの誤算が起きないようにする」、すなわちいつ引いても腐らずに役割を遂行できる存在になり得ます。

さらに言えば、「相手シグニをゲームから除外できる」という特徴を持っているこのカードは、キーセレクションやオールスターにおいても採用候補になるでしょう。
特にリソースが膨大に伸びるタイプのデッキにおいて局所的なメタカードとして採用されていた《幻水姫 モササ》の立ち位置に、Lv3以下でサーチしやすくガード回収の選択肢も持てる《聖魔姫 オロチマル》が割り込んでくることは十分に考えられます。

守るべき時には守り、攻める時には攻め、異なる戦場ではまた異なる役割を果たす。状況によって変幻自在に役割を変える、まさに忍者のようなカード。
リソースの吐きどころを間違えず、しっかりと「優勝」を狙っていきましょう。

WXDi-P09-038

《聖魔姫 オロチマル》とともに、白入りの構築の可能性が大きく広がったことを確信させるのがこの1枚。
前弾まで、固めて固めて耐えて耐えてトラッシュ送りでリソースコントロールしてルリグアタックに価値を持たせて、みたいなことをしてばかりだったはずの白シグニたちは、急にどうかしてしまったかのように、「CONFLATED DIVA」にていきなり地上(シグニゾーン)での点数を取るようになり始めました。

数ある点数要求の中でも、《コードハード LION//メモリア》の連続アタックという要求方法はかなり強力です。

ざっと並べただけでもこれだけのメリットがあるとくれば、耐性のはびこるディーヴァセレクションにおいてどれだけ上等な要求方法なのかが分かるかと思います。

と、ここだけ見れば上質な点数要求ですが、このカードを評価するならば欠点である「3回のスペルか《ハウリング・シャウト》を使用して覚醒する必要がある」という部分にも触れなければならないでしょう。

WXDi-P09-055

アタックトリガーを得るために白2エナを支払う必要がある都合上、このカードでデッキを組む場合はできるだけ白が多めの構築にしておかなければなりません。
しかし、白だけで1ターンに3回ものスペルを撃つのは至難の業なので、結局はドローの強い青などを混ぜるか、あるいは《ハウリング・シャウト》に頼り切るかということになってしまいます。
結論としてはコンボ性が高く、特に手札破壊系に寄っているような環境ではなかなか使いづらいカードということになりそうです。

それでも、要求にかかるコストが重い白系のデッキでは採用価値のあるアタッカーなことに代わりはありません。
《ENDLESS PUNCHLINE》よろしく相手を攻め立てる姿はまさにLIONと言うべき性能なので、うまく使いこなして強烈なパンチを繰り出したいところですね。

WXDi-P09-040

白シグニが急に点数要求を始めたと書きましたが、じゃあ赤シグニはどうなのか。その回答代わりになるのが、この《轟炎 フレイスロ団長》
見てくださいこの効果!
リソースを全部使い切ってでも相手の防御を突き抜けて決着を付けに行く、そんな赤の凶暴性を見事に体現したシグニとなってます。

使い方はご覧のとおり、1枚で実質的な2点要求を行なうことによる高速の詰めでしょう。

WXDi-D03-004 WXDi-P08-026 WXDi-P08-041

最近流行の兆しを見せているルリグアタック型のヒラナにこのカードを入れてみようとする人は多そうです。
地上で3点、《頂点へ一歩 ヒラナ》《タマ・おーら》《一覇一絡》+ルリグアタックで最大4点の合計7点を一気に狙うのが現在の主流であるこのデッキですが、《轟炎 フレイスロ団長》が登場して数日も経てば、いつの間にやら地上3点クラッシュ1点ルリグ4点の合計8点ショットデッキへと変貌を遂げていることでしょう。
手札の総数を維持するために、おそらく横には《大装 ハルバード》が出ているでしょうから、地上のシグニをアシストやバーストで止めるのも簡単なことではなさそうです。

またそこまで大きくショットに寄せたデッキでなくても、ラストターンに手札を大きく伸ばせるルリグならば、勝ち筋を増やすための《轟炎 フレイスロ団長》投入はいくらでも考えられます。
詰めのターンに拾えばいいという考えでちょこっとだけ赤入りのデッキが挿しておくことだって十分ありえる話で、チームデウスやエクスや遊月に始まり、ドロー量の多い青センターのデッキでもその姿を見ることになるやもしれませんね。

WXDi-P09-001

防御のラインを急にごまかすのが《ブレイブリー・ヒロインズ》ならば、攻撃力の最大値を急にごまかせるのが《轟炎 フレイスロ団長》です。
攻防の数値をひっくり返すことができるこれらのカードの登場により、「CONFLATED DIVA」以降の環境では、赤入りの相手とのバトルがこれまで以上に緊張感漂うものへと変貌を遂げました。

WXDi-P09-039

《轟炎 フレイスロ団長》が「赤が待ち望んでいたカード」ならば、この《紅将姫 リル//メモリア》は「リルが待ち望んでいたカード」です。

こういう言い方をしてしまうと好きで使っていた方には申し訳ないのですが、リルは、不憫なぐらいにLv3の効果がディーヴァセレクションというゲームと噛み合っていなかったと僕は考えています。
《武踊の記憶 リル》は「大量のコインを得られるからコインを使うカードをたくさん使おう」と言わんばかりのテキストなのに、Lv1とLv2の段階でリルが得られるコインはたったの1つのみ。
そして、Lv3のシグニはまだコインを使うためのカードプールが微妙。
つまり、「コインを使うカードをたくさん入れなければデッキの最大パワーが発揮できないのに、コインを使うカードをたくさん入れたら序盤に全然効果が発揮できない」という大きなジレンマを抱えていたのです。

そんな彼女に与えられたのが、彼女と同じ姿を持つこのメモリーシグニ。
ライズシグニの蘇生がリル本体と噛み合っているのは言わずもがなですが、加えて「コインを1回でも使えば8000火力」「ほかでコインを使っていなくても、とりあえず《紅将姫 リル//メモリア》自身がコインを小刻みに使用できる」というふたつの特徴は、コインを延々と供給し続けられる代わりに攻め手に欠けていた《武踊の記憶 リル》とは抜群の相性を誇ります。
単品でも最低限の仕事はこなしつつ、《羅星姫 カーニバル//メモリア》《仮面の伝説》とともに使用すればかなり低コストで2面要求まで成立させられるでしょう。

もちろん、リル以外のコインを得るルリグで使用しても、手軽に火力が出せる効果はかなり重宝するはずです。
カーニバルで《サーバント ZERO》を焼き払うもよし、《凶魔 アンナ・ミラージュ》《紅将姫 ノブナガ》を蘇生しながら8000火力を割り振ってみるもよしで、環境がよほど高パワーに偏らない限りは仕事をしてくれそうです。

WXDi-P09-062

《神流の炎舞》の登場も含め、武勇軸のカードがようやく増えてきたというのも、将来的に環境に大きな影響を与えるかもしれませんね。

WXK11-012

さて、ここまでディーセレでの話をしてきましたが、このカードが現在最も輝くのは実はキーセレなのかもなと個人的には考えています。
《サポーター 明治&有栖&江良》を3ターン目に破棄してこのカードを呼び出し後続のキーをアンロックする、《劫末の唄鍵 ワールド・エンド》と合わせてコインを節約しながら火力を飛ばす、《弩書 ザ・ロウ》などの強力なライズを蘇生するなど、3~4ターン目にコインあるいはライズが絡むデッキならば、ディーセレで使用した時以上に安定感のある単発火力・蘇生役として機能するでしょう。

WXDi-P09-041

ここまで4枚続けてダメージソースとなるSRが登場したので、ちょっと箸休め。
《羅輝石 ダイヤブライド》の手札破壊版とでも言うべき《羅輝石 インディゴライト》ですが、ダメージソースではない一方、宝石軸のデッキが相手の攻撃力を抑え込む際には非常に重宝する一枚となります。

注目したいのは、15000という非常に高いパワーライン。
一見このパワー15000は条件付きですが、実際のところLv3までのグロウコストでトラッシュにカードは3枚、起動効果で手札を1枚捨てて4枚、見たうちの片方をトラッシュに送ればこれでぴったりトラッシュ5枚ですので、宝石軸のデッキであればおおよその場合条件なしでパワー15000のシグニとして扱えます。

通常のデッキは標準パワーラインの12000を、ちょっと除去が得意なデッキでも《羅原姫 H2O》《凶魔 アンナ・ミラージュ》の13000を除去できるぐらいが火力の基本ラインですので、15000は容易には除去されません。《コードハート リメンバ//メモリア》の除去に苦労したことがある人ならば、このラインを処理する困難さは身に染みていることでしょう。
そんな15000が、《コードハート リメンバ//メモリア》とは違いアタックできる状態で場に立つわけです。

そして、処理しにくいからと言って無視できるようなシグニでもありません。《羅輝石 インディゴライト》を放置して横をバニッシュしてしまえばそれだけ手札破壊が発生し、また生き残り続ける限り起動効果で手札をどんどん良質なものへと作り変えていくためです。

まさに宝石軸の《コードハート リメンバ//メモリア》と言わんばかりに、じわじわと自分有利な状況を作り上げていけるでしょう。

WXDi-P09-049

このカードや次に紹介する《羅菌姫 みこみこ//メモリア》、それに《コードメイズ キョウシュウ》といった新規シグニ達が、アシストの絶対王者である《マキナウイングスラッシュ》《マキナスマッシュ》のラインに強く出やすいというのも、メタゲーム的には評価すべき点ですね。

WXDi-P09-042

白のSRがアタッカー方面へと舵を切ったこととは対照的に、今弾の青のSR達は「高パワー+手札破壊能力」に特化する方向性となりました。

「相手がAをしないならBをする」という効果はきゅるきゅる~んの面々が共通して持っており、相手がより楽なほうを選択できてしまう部分がネックとなることも多いのですが、こと《羅菌姫 みこみこ//メモリア》においてはそんな楽な二者択一を相手に与えはしません。

  • 復活を回避する場合→手札を捨てなければいけない
  • 復活を回避しない場合→パワー10000のシグニを除去するのにリソースを使うことになる
  • そもそも処理しない場合→次のターンのアタックフェイズに再度手札破壊効果が発動する

すなわち、一見相手に選択肢があるように見えるこのシグニは、実をいえば「覚醒した時点で、相手が手札をずっと0枚にし続けない限り、どの選択肢に進もうが絶対に2枚以上のリソースを持っていく」ことができる計算になります。
どうあがこうが基本的には同じ点に帰結するため、見た目以上に安定した仕事っぷりを見せてくれることでしょう。
さらに言ってしまえば、ここまで《羅菌姫 みこみこ//メモリア》が簡単に処理されるかのような前提でリソースの計算をしていましたが、実際はパワー13000という標準以上のラインを持っているため場持ちはよいほうです。

欠点としてはやはり「覚醒できないとただのパワー10000バニラシグニ」という部分が一番大きいので、このシグニを立てる時点で相手の手札を0枚にできるように頑張りましょう。

リソース奪取の面では大きな活躍をするであろう《羅菌姫 みこみこ//メモリア》ですが、地上での点数要求能力は低めなので、初代タマゴや前弾環境の白青あーやのようなリソースコントロールに特化したデッキタイプでの活躍が見込まれます。

WXDi-P09-043

前々から登場が示唆されていた《不可解な誇超 コンテンポラ》のディーヴァ版リメイクカード。
自分の場全体への耐性付与、相手の効果でトラッシュに送られたときの回収効果と、見事にリメイク元の効果がディーヴァセレクションに合わせて再現されています。
「レベル1、2のシグニ」ではなく「レベル1、2」に対してのシャドウなため、《ナナシ・ご選択》などのアシストルリグからの効果付与もシャットアウトすることができ、その耐性範囲はかなり広いです。
このシグニが処理されない限り自分の下級シグニが《紅将 ランスロット》《紅魔 ヘラ》《幻水 キュウセン》などに焼かれなくなるため、相手は優先的に《翠美姫 コンテンポラ》を処理していかなければならなくなります。

メタゲーム的な話をすると、このカード自身が手札破壊されてもエナさえあれば戻ってこられるため、「エナを絞れない+下級シグニに強いギミックがある」タイプの手札破壊に対して刺さりやすいカードと言えます。
そういうタイプの手札破壊の筆頭候補といえば……。

WXDi-P05-084 WXDi-P03-082

《羅原 BP》《羅原 Pa》を有するメタゲーム最強デッキの一角、原子デウスがこれに該当します。
手札破壊系デッキの次点ともいえる白青黒タマゴに対しても、下級の凍結ギミックや《蒼将 ブラダマンテ》をシャットアウトできるため無駄になりにくいです。
特に《コードイート ケバブ》《コードイート ケチャチャ》なんかで強化してしまえば現状の原子デウスに対してはかなり有利な状況を作り出せるため、バンやメル、アンといった緑ルリグにはとりあえず入れておいて損しないカードとなるでしょう。

それに合わせて、原子デウス側も《羅原 Fe》といったLv3での火力を投入してくる……なんてことも起きるかもしれないですね。

WXDi-P09-044

耐性系のシグニを3枚ほど続けて見て行ったところで、再びダメージソース系のSRに戻ってきます。
最新弾のSRはこれまでの弾と比べても圧倒的にダメージソースとなるSRが多いので、どうやら「CONFLATED DIVA」には地上での点数要求が活発なメタゲームを作り上げようという意図があるように思えてきましたね。

さて、この《コードオーダー メル//メモリア》は、ここまで見てきたほかのシグニと比べるとちょっと使いづらい効果を持っていると言わざるを得ません。
起動効果に使用回数制限がないので一応エナがあれば同名のカードが揃うまでデッキを掘り続けられますが、3回を越したあたりで《翠魔姫 イバラキドウジ》程度のコストパフォーマンスとなってしまうので起動効果2回以内にランサー付与条件を達成したいですし、かといって起動効果2回から運試しで同名カードが2枚揃う確率はデッキが4×10の構築でもよくて半々といったところ。
最悪デッキトップから貴重なサーバントを落としてしまう可能性もありますし、単品ではどうしても不安定なカードという評価を下すことになります

一応、《コードフード ツナマヨ》で起動効果分のエナを戻したり、《羅星 アンチラ》などのデッキトップ固定用カードをうまく使うことで起動効果の使用回数を抑えたりという使い方は可能ですが……。
今のところこのカードに関しては、相性がいいカードが発見されるのを待っておこうかな……といった具合です。

WXDi-P09-045

人狼ゲームをモチーフとした黒の遊具シグニ。いくつかの人狼ゲームを嗜んでる僕としてはなじみ深いモチーフなので、性能は別として使ってみたいカード枠です。
というわけで性能を見てみましょう。手札を3枚捨てると自身をトラッシュから蘇生。シグニが蘇生したターンなら、アタック時に黒1払えば相手シグニ1体を-10000。

-10000!?
強いやん。

簡単には大きなマイナスをかけることができなかったこれまでの黒シグニと比較してみると、たったの黒1エナで10000もの火力が出せるのは破格の数字です。
何より、トラッシュからシグニが場に出ていればOKという手軽な条件がまた素晴らしい。一応このシグニ自身だけで蘇生が行なえるという最低保証があるうえに、《ワンス・サルベージ》《コードアンチ ウムル//メモリア》といったより軽いコストで蘇生できるカードを使っても誘発するため、蘇生を利用した黒のデッキでは比較的簡単に要求ができます。

WXDi-P09-010

当然、2エナで毎ターン蘇生が行なえる《絶歌の駄姫 グズ子》との相性は素晴らしいの一言に尽きるでしょう。
《惨之遊姫 グズ子//メモリア》《凶将 イゾウ》を合わせればマイナスの数値もちょうどLv3シグニをどかせるぐらいになりますし、ゲーム1効果もありますし、要求の手数にはこと欠かないデッキになるはず。
加えて、単品で効果が完結しているため、ほかの黒入りのデッキに出張してもしっかり役立ってくれます。
《トライアングル/メイデン イオナ》なんかもルリグのターン1効果と合わせれば12000火力が作れますし、恩恵を受けられるルリグは多そうです。

Lv3でパワーが10000ある優秀なアタッカーということで、オールスターのグズ子に1枚採用しておくと《救解の冥者 ハナレ》のコイン効果で瓦解しにくい状況を作ることもできます。
前弾までは《惨之遊姫 グズ子//メモリア》が似たような役割を担っていたのですが、除去にかかるコストの少なさでは向こうが上、除去できるパワーラインに関してはこちらが上なので、パワーラインが重要な環境かどうかで使い分ける価値は十分あります。

蘇生軸のデッキのメインアタッカーとして、あるいはそうでないデッキでも詰め用のアタッカー役として、今後さまざまな場所で見ることになりそうな1枚です。
とりあえず黒のデッキが好きなら揃えておいて損はないかも!?

WXDi-P09-046

コインを使った強めの火力として《紅将姫 リル//メモリア》が登場したあとですが、黒でも同じく火力となるシグニが用意されていました。

アタック時に割り振れる数値は最初は-3000だけであることを考えるとLv3にしてはちょっと物足りないようにも見えますが、ここで僕らは1枚のカードを思い出す必要があります。

WXDi-P05-043

そう。マイナスの数値が低く、発売した当初は見向きもされなかった《コードハート Mデム》が、今やタマゴにピルルクにとさまざまなデッキで採用されているという事実について、ちゃんと考えてみる必要が。

もちろん《コードハート Mデム》は相手のデッキを削れるという大きな利点もあるので、これらを同等の評価軸で考えてはいけません。
それでも、「合計値-6000を一切コストを支払わず相手に与える」という効果は、強いか弱いかで言えば当然強いんです。

しかも、《羅菌姫 ナナシ//メモリア》はコインを使って自力で追加のマイナスを掛けられる以上、「コイン2枚で-8000と-3000の火力持ったシグニ」としても使うことができます。
《FAILURE》《凶魔 アンナ・ミラージュ》が実質的に手札1枚エナ1枚で-8000を作っていることを踏まえれば、コスト論的には実はかなり優秀な性能なんです。

WXDi-P09-078

さらにさらに、より火力を出したい方向けに追加有料ダウンロードコンテンツ《羅菌 オイゴナ》まで準備されており、もう至れり尽くせりの待遇。

細かいマイナスを振り分けて戦う《ナナシ 其ノ参ノ踊》、ゲーム1効果で相手の場にパワー1000が2枚並ぶ《カーニバル -TI-》を始め、手札破壊系のデッキに2コイン得るアシストとともに採用して安定火力として使う選択肢もあります。
低い火力だと鼻でわらわずに、使ってみればちゃんとSR級の強さを持ったカードであることが分かるでしょう。

多色

WXDi-P09-047

今までバニラだけだった多色シグニも、最新弾でとうとう効果持ちが登場しました。
ディーヴァセレクションではルール上デッキカラーを2色縛ってしまいますが、その分強力な効果を携えています。

こちらの《幻竜姫 真・遊月//メモリア》は、わかりやすく話せば「ジェネリック《紅将姫 キントキ》」。
ハーモニーを使わないため黒ルリグの入っていないデッキリストでも採用でき、またエナ破壊条件にソウルが必要ないのでチームD・X・Mの面々以外でもエナ破壊が行なえますが、一方でアサシン付与にかかるコストが多かったり、自分のライフ枚数がピンチでないとエナ破壊ができなかったりと、使うまでの過程にはいくつかの差が出てきます。

WXDi-D07-013 WXDi-P05-056

このシグニをメインアタッカーの1体に置く場合、ライフが2枚以上のときに完全に腐ってしまってはもったいないので、横に別のエナ破壊を置きやすい赤メインのデッキがよさそうです。
また単純に3エナ払ってアサシンを付けるだけならば他にも候補はいるため、早期にお互いのライフを削り合うようなデッキに入れて無駄なく効果が発動できるようにしたいところ。
エクスでは上記の通り《紅将姫 キントキ》でこと足りることが多いのでチーム崩し時の5枚目以降ぐらいの立ち位置ですが、一転してルリグ自身がエナ破壊効果を持つ遊月やLOVITなんかはこのカードを採用する筆頭候補になってきます。
《世界逆流》で緑効果を発動できる赤シグニなので、タウィルのアタッカーとして採用するのもアリです。

緑メインの構築には《幻獣神 オサギツネ》《翠英姫 アインシュタイン》など優秀な競合アタッカーが存在するため、赤緑黒の構築で《デス・ビーム・ディーヴァ》と絡めてラストターンに大型エナ破壊へ持ち込む、耐性持ちやシャドウを乗り越えるための手段として採用しておくなど、何らかの強い目的意識を持ったうえで入れるようにしましょう。

WXDi-P09-048

スペル軸のデッキをオールスターの頃からずっと愛用している僕は、このシグニを見た途端に思わずガッツポーズしてしまいました。
ここまでダメージソースとなるシグニを8枚も見てきて最後もダメージソースなわけですが、この《コードハート ピルルクAPEX//メモリア》は、それらと比較しても引けを取らず、むしろさらにひとつ上のカードパワーを持ち合わせていると言えるかもしれません。

果たして今までのディーセレに、ここまで緩い条件でリソース獲得とダメージソースを両立させられるシグニはどれだけいたでしょうか?

複数のマイナスを組み合わせればより大型のシグニまで手が届くぶん、これまで黒のパワーマイナス系の効果は赤のバニッシュよりも重めのコスト査定で作られてきました。
《惨之遊姫 ジンロウ》の1コスト-10000が“驚愕の効果”になるぐらいには査定が重く、例えば《凶魔 アンナ・ミラージュ》《FAILURE》なんかは手札1枚エナ1枚の合計2リソース損失で-8000を行なっています。
《羅菌姫 ナナシ//メモリア》だってコイン2枚を使わないと-8000には数値が届きませんし、《羅原姫 ZrO2》は「相手が手札を2枚捨てたターン」という重めの制約込みでようやく1リソースで-8000を行なっています。

さて《コードハート ピルルクAPEX//メモリア》はどうでしょうか。デッキにスペルが10枚ぐらいあると、大体6割弱ぐらいの確率で出現時に1アドバンテージを得ます。
そしてスペルを1回使えば、連動して1枚のリソースで-8000です。
エナが手札になるという変換こそありますが、リソース総量、なんと6割弱の確率で減ってません。出現時にアドバンテージを得られなかった場合ですら、1リソース消費で-8000です。

明らかに高いカードパワーを持ったシグニですが、当然問題はあります。
目につくところだと、「スペルコストと自動効果コストを両方支払うため、エナ消費が多くなりがち」という点でしょう。

WXDi-P07-077

この部分に関しては、《RECOVERY》のようなコストの軽いスペルが使えるデッキにするか、もしくはアシスト(とメイン)に緑を混ぜることでエナコストを確保するというのが無難な解決手段になるのではないかと思います。
個人的には《RECOVERY》を絡めて序盤事故率も軽減させられるタイプの攻撃的なスペル軸あやにはちょっと興味がありますし、今まで通りのスペル軸のピルルクから基盤を流用して組み替えていくのもアリでしょう。

何も考えずすぐ使えるわけではありませんが、滞りなく使えればかなりのカードパワーを誇る目玉カードのひとつです。
デッキをごりごり回していく動きに興味がある方は、このカードの登場を機にぜひスペル軸に触れてみてください。

まとめ

現代オールスターでもその姿をよく見る《真天使の未来 ガブリエルト》《幻水姫 ダイホウイカ》《コードアンシエンツ ヘルボロス》《堕落の砲娘 メツミ》などが収録された6年前のWX-12「リプライドセレクター」。
万能とさえ呼ばれたリワトに引っ張られる形でカードパワーが上がり、その発売前後で「昔のウィクロス」か「現代ウィクロス」かが区切られる指標にさえなっているWX-21「ビトレイドセレクター」。
《メンダコギロチン》《劫末の唄鍵 ワールド・エンド》《アロス&コードピルルク KEY》が登場し、オールスターでもキーセレクションでもデッキの構築法そのものが変わることとなったWXK-P10「コリジョン」。

ある程度長く続くカードゲームだと、「そこでゲームの空気が変わった」と――明らかに歴史の転換点となっているブースターパックが、どこかしらに存在しているものです。

ダメージのコスト査定もサーバント回収のコスト査定も緩くなり、ディーヴァセレクションを飛び越えオールスター級のカードも見受けられるこの「CONFLATED DIVA」はどうでしょう?
この弾もまた新たな歴史の転換点のブースターパックになるんじゃないかと、僕はそんな予感がしています。
そう予感させるぐらいに、今回の弾は需要のあるカードが多いです。

みなさまは、どれぐらいピンと来たカードがあったでしょうか。
既存のデッキを強化する案は思い浮かんだでしょうか、そして新デッキを開発するモチベーションは生まれたでしょうか。
あと数日もすれば、最新弾はやって来ます。そして来月になれば、第2回のディーヴァグランプリも開催されます。

この強化の波に乗り遅れないよう、今からしっかり準備しておきましょう!

タカラトミーモール