【バトル攻略コラム】
ウィクロスアカデミー「SPREAD DIVA」メモリーシグニ全レビュー!!
キーンコーンカーンコーン♪
みなさま、ごきげんよう。
ウィクロスアカデミーのお時間がやってまいりました。
今回の講師を担当します「しみずき」です。
最近執筆活動について学んでいたら、”自己紹介は何度でもしろ!!”という教訓に出会いました。
確かに今回が初めましての方もいらっしゃると思いますので、3行だけ自己紹介をさせて頂きます。
- 第1弾「サーブドセレクター」からウィクロスを遊んでいる古参プレーヤー。
- 競技思考で『ウィクロス』をプレイ、そこそこ実績アリ。第一回ディーヴァグランプリでは4位入賞。
- 推しルリグは花代さん
長いこと『ウィクロス』にどっぷりの奴が書いてるんだなぁーと認識して貰えれば幸いです。
さて、今回のテーマは「SPREAD DIVA」メモリーシグニ全レビューです!!
加えて、新弾のカードを用いたオールスターのデッキも紹介します。
お時間ありましたら最後まで読んでいってください。
では早速レビューから参りましょう。
SPREAD DIVAは、15種類ものメモリーシグニが登場
2月26日に発売する拡張パック「SPREAD DIVA」には、15種類ものメモリーシグニが新登場します。
今回メモリーシグニ化したルリグの中には、ウィクロス界の大御所ともいうべき、いわゆる「selector組」が存在します。
セレクターの紳士淑女にとって、自身の推しルリグのメモリーシグニ化は一大事です。
ゲームバランス的に仕方ないという建前はあっても、やっぱり強くあって欲しいという願いというか本音は至極当然。
これまでもメモリーシグニの開発に頭を悩ませ、数多くの眠れぬ夜を過ごしてきたであろう開発陣。
しかし、今回はこれまで以上、言うなれば”ちっちゃい重機”レベルの期待が肩に乗っかっています。
眠れぬ夜を通り越して《ツヴァイ=フミン》とランデブーまであります。
そんな思考の結晶を、僭越ながら僕の独断と偏見で、各フォーマットごとに5段階評価でレビューさせて頂きます。
評価の基準はざっくりと以下の通り。
5:ウィクロスセレモニー上位のデッキでよく見かけそう
3:デッキに採用されていても不思議じゃない
1:使いこなすにはルリグ愛が試される……!?
(4と2はその中間くらいのイメージ)
白
ディーヴァセレクション | ★★ |
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キーセレクション | ★ |
オールスター | ★ |
使い方に頭を悩ませる1枚。 自身は要求に絡まず、パワー14000のシャドウになりつつも、アタック時の効果で若干のプレッシャーをかける運用がメインになりそう。 シグニの入れ替え効果には ①《蒼魔 ハルファス》や《翠魔 オルトロス》など出現時のデメリット無視 ②アタックフェイズ開始時にアドを稼げる《翠英姫 ニュートン》《翠英姫 ママ//メモリア》のようなシグニをアタッカーへ変換 ③《翠魔姫 イバラギドウジ》をアタックフェイズ中に呼び出すことでデメリットである3エナ支払いを無視してランサーを行使 などなど、そこそこの活用方法が存在しますが、現状のディーセレのプールでは山札操作はしづらいのであまり現実的ではありません。 今後のカード展開で《師ノ遊姫 プリキャス》のような、ゲームに多大な影響を与えるシグニが登場することを期待したいですね。 |
ディーヴァセレクション | ★★ |
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キーセレクション | ★ |
オールスター | ★ |
目新しい覚醒条件を有した1枚。アタック時にノーコストで手札を増やせる点は非常に優秀。 特に効果を使っていきたいのは手札破壊を行使してくるルリグ相手ですが、これらのデッキは《マドカ//フロート》や《タマゴ=ダブルストローク》などを採用していることが多いです。そのため、このカードを出現させたい最序盤のタイミングで手札5~6枚になっていることでしょう。不足分をバウンスアシストで補ってやることで、ある程度安定した覚醒を狙うことができます。 逆に速攻を仕掛けてくるデッキに対しては、手札消費が激しく覚醒が狙えないばかりか、メジャーな焼きラインである3000というパワーが足を引っ張ってしまう事が予想されます。 自身の周辺のデッキ分布を理解したうえでのメタカード的な運用をするのがいいでしょう。 |
ディーヴァセレクション | ★★ |
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キーセレクション | ★★★ |
オールスター | ★★★ |
《聖魔 サキュ》の互換ともいえる効果を有している1枚。 手札に帰ってくるおかげで使い回すことができる反面、代償としてレベル2以下のシグニと止められる範囲に制限ができてしまいました。 この点はけっこう痛く、相手に要求するシグニのレベルや配置場所を調整されるだけで不発になりかねません。 今後、《幻黒竜 ティラノ》のようなレベル2のアタックトリガー持ちシグニが台頭する環境が来れば輝くでしょう。 それとは逆に、オールスターではいい仕事をしてくれると考えています。 序盤の攻めは配置したシグニの能力に任せがちなことが多いです。そのため、高パワーなお陰で除去され難いこのシグニを複数体展開できれば被ダメ―ジを抑えることができるでしょう。 序盤からの連続攻撃が持ち味のアイヤイやグズ子デッキに対してはかなり優秀な壁になってくれそう。 クラスも「宇宙」と噛み合っており、サーチ手段も豊富なことからサシェデッキへの採用が考えられます。 |
赤
ディーヴァセレクション | ★★★★ |
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キーセレクション | ★ |
オールスター | ★ |
僕の推しルリグである花代が待望のメモリーシグニ化。ディーセレが彼女の主戦場となるでしょう。 既存の赤デッキが抱えていた、序盤に高いパワーラインのシグニが除去ができないという弱点を見事に解消してくれています。 手札消費こそ重いものの、もとより赤メインのデッキはリソースをなげうってでも短期決着を狙うコンセプトが多いので、そこは問題にならないと思います。 むしろ、詰めの段階で必要になってくるエナを必要としないだけありがたいくらい。 レベル上昇効果は狙って発動するのは少し難しいですが、うまくはまれば思わぬ活躍を見せてくれる可能性もあります。エナの調整は常に念頭に置いておきたいですね。 今までも非常に良い立ち位置にいたチームエクスですが、さらなる強化を受けたといって良いでしょう。 個人的には赤原子をデッキに入れてでも採用しようと画策していました、《羅原 Pa》《羅原 BP》に類するカードがリリースされたのは非常に嬉しいところ。 課題だった後攻2ターン目の要求が安定するようになったことで、ゲームの再現性が向上しました。 |
ディーヴァセレクション | ★★ |
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キーセレクション | ★ |
オールスター | ★ |
ド派手なエクシード効果に注意が向きがちですが、バニッシュされた時の効果が中々に優秀。 特に相性が良いのが今弾の《大盗罠 ルパンヌ》。《デウス・スリー》のソウルを始めとするアタック除去を喰らった時に、手札から出すことでそのままバニッシュされたときの効果を発動できます。対戦相手の攻撃順によってはアップ時バウンスモードが使えて、疑似的な防御になってくれるケースも望めますね。 非公開領域から突然出てくるので、意表を突けるのも◎ 肝心のエクシードのほうは狙って戦術に組み込むのはなかなか難しそう。 ここぞという時に主人公的でドラマティックな勝利を演出できるかも!?くらいのイメージです。 これに関しては良い使い方があるという人は、ぜひ教えてください。 |
ディーヴァセレクション | ★★★ |
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キーセレクション | ★★★★ |
オールスター | ★★★★★ |
個人的にこのシグニによってオールスターの環境が変わると考えていいます。 その要因となるデッキが前回のコラムでも紹介した「ダッシュリル」です。 強力無比なショットアプローチが停止する数少ない事象の一つに、白ルリグの搭載する《プリンセス・ディフェンス》があります。 今までこれを乗り越えるには、相手のエナを1エナまで絞る必要があり、それを実行するには《烈情の割裂》+《紅将 ナベノツナ》×2+《コードアート Rンニング》+効果用の赤スペルと5枚のパーツが必要でした。 しかし、サーチの効かないスペルを2枚必要とする点から、可能といえば可能ですが現実的ではありません。 そのため、序盤にライフクロスを最低限しか割らず、もともとのエナを絞って《紅将 ナベノツナ》だけで1エナを目指すプランを取っていました。 しかしこのプランは、相手のエナ確保能力に大きく左右され、成功しないことも多々。また、仮に《プリンセス・ディフェンス》を封じることに成功したとしても、ライフバーストによってアプローチが止まってしまう裏目を孕んでいました。 それが《幻竜 遊月//メモリア》の登場により、現実的に1エナまで絞れるようになったことで、リル側が序盤の攻撃の手を緩める理由がなくなりました。 元よりリルというデッキは《暴食の暴君 トウタク》《勝利の国王 シャルル》によって攻撃性能はピカイチ。序盤のガン攻めからのエナ破壊ショットという、新たなプランを獲得したのは環境的に弩級のインパクトとなるでしょう。 環境の変遷としてはエナ破壊タイプのリルの流行に対して、それを防止できる《コードアート T・M・B》を採用する流れが予想できます。 しかし特定のアーツに加えて、不純物になってしまうシグニの採用を余儀なくされるレベルで対策が難しいデッキにまで昇華したと考えれば、かなりの脅威といえるでしょう。 ――衝撃に備えよ!! |
ディーヴァセレクション | ★★★ |
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キーセレクション | ★★ |
オールスター | ★ |
1エナの課税は大したことないように見えて、中々にイヤらしい効果。 ディーセレにおいては、たった1エナされど1エナ。 相手の先攻2ターン目にこのシグニを2体並べられ、返しのターンに《マキナウィングスラッシュ》で除去した面に課税効果を重ね掛けされたシーンを想像してみてください。攻撃するのがそこそこに渋いのでは無いでしょうか? 最終的に場を圧迫しないのも優秀。2ターン目にはこのカードを複数面並べたいのに対して、定石的には3ターン目は3・3・1の盤面に切り替えたいところ。 本来であればレベル2シグニがが2体とも生き残ってしまうと、無駄なリムーブをする必要があります。ですがこのカードであれば自主退場できるだけでなく、ドローによって選択肢を増やしてくれます。中継ぎとして非常に優秀な1枚。 |
青
ディーヴァセレクション | ★★★★ |
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キーセレクション | ★★ |
オールスター | ★★ |
パワーマイナス環境に待ったをかける巨大オブジェクト系シグニ。 個人的には《天翔 ノヴァ》デッキで相手の息切れを促進しつつ、ゲームターンを引き延ばすのにうってつけの1枚だと考えています。 複数面展開してターンが経過するだけで、みるみると手札リソースで差をつけることが可能。 もう1面を妨害効果を有する《コードメイズ アントネスト》や、シャドウ持ちの《聖将 バチョウ》のようなシグニで固めることで、堅牢な布陣を築くことができます。 除去するにも多大なリソースが必要で、放置してもリソース差が開く。相手からしてみればかなりの閉塞感があるでしょう。 余談ですが、20000と言うパワーは《一投》という古の緑スペルの使用条件になっています。覚えておくと役立つ場面が微粒子レベルで存在するかもしれないですね。 |
ディーヴァセレクション | ★★ |
---|---|
キーセレクション | ★★ |
オールスター | ★★★ |
自身がデッキ内に帰っていくことで、シグニゾーンを圧迫することなく効果によってシグニが出せる点に注目。 この恩恵を最も受けられるのが《幻水 キス》を要するオールスターのエルドラデッキでしょう。 《超罠 ミミック》+《幻水 チョウアン》によるライフ操作の流れの一環で、おまけとして《幻水 キス》の登場を狙うことができるようになりました。 不足しがちな下級かつ、色もあっており自然に採用できるのも◎。また、《パラダイスうちゅう》を採用したデッキにおいては、《羅星 アンチラ》と組み合わせることで、トラッシュの任意のシグニに入れ替わることも可能です。 自身がレベル1のため、各種レベル参照効果の妨げにならないのも噛み合っていますね。 |
ディーヴァセレクション | ★★★ |
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キーセレクション | ★★★ |
オールスター | ★★ |
《コードハード Mデム》のような、デッキにまとまった枚数のスペルを採用する必要のあるデッキでは便利に使えます。 例えば、エナの少ない最序盤において、手札にダブついたスペルをコストに、ほかの下級やサーバントのにアクセスできる点は非常に優秀。 基本的にスペルを多投するデッキは枠を取られるぶん、下級シグニが減りがちの傾向にあります。 仕方なく削ってしまった序盤の安定感を、このシグニが整えてくれるのはありがたい点です。 ほかにも、《THRILLING》のようなエクシード要求のあるスペルを少し多めに採用しても、問題なく処理できるのも地味ながら嬉しいですね。 |
ディーヴァセレクション | ★★★ |
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キーセレクション | ★ |
オールスター | ★ |
手札破壊と序盤からの速攻で早期決着を狙うチームヒラナのデッキでの活躍が期待できる1枚。 ハンデス効果で《レイ*月華》、《レイ*無我斬》で取り切れなかった手札を奪うことができる点や、《楽天の共鳴》の対象なので自身もアタッカーになれる点がしっかりと噛み合っています。 また、宝石だけでなく赤シグニのパワーを上昇できる効果が、序盤のダメージレースにおいていい活躍をしてくれます。 自身が8000という序盤では除去され難いパワーラインを有しつつ、横の《小装 ローメイル》《紅将 ランスロット》のパワーラインを引き上げることで、相手の《小装 ローメイル》達からのバニッシュをシャットアウトできます。 今まで赤青の2色で展開されてきた宝石のシグニ群ですが、今弾の追加によって《宝石》軸のデッキが構築がそろそろ現実味を帯びてきたのではないでしょうか? |
緑
ディーヴァセレクション | ★★★★ |
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キーセレクション | ★★ |
オールスター | ★ |
個人的にイチオシの1枚。「アトちゃんねる」で本人も語っていましたが、いわゆるガチャガチャによる疑似的な除去体制を有しています。 これを単なる運ゲーにするか、戦略的運用にまで昇華させられるかがプレーヤーとしての腕の見せどころ。 《ノヴァ=ダーティ》や《グッド・ディグ》などのカードである程度圧縮を掛ける。今弾登場の《量産》を用いて、ライフクロスから捲れたこのシグニをバトルゾーンに送り出すことで、山の中に常にアタリが残った状態を作るなどなど。人事を尽くしてから運に任せることでヒット率は格段に上昇します。 1点1点の重みが他フォーマットとはレベルが異なるディーセレにおいて、ゲームを通してそこそこの試行回数を稼げるこのカードはなかなか侮れません。 相対すると非常に厄介なシグニとなるでしょう。 仮に外れたとしてもデッキ内のレベル3の比率を上げられる点を活かして、《羅植姫 ゴージュ・アグネーゼ》とセットで運用するのもおもしろそうですね。 |
ディーヴァセレクション | ★★★ |
---|---|
キーセレクション | ★★★ |
オールスター | ★★★ |
不要な手札をエナに変換できる、非常に汎用性の高い1枚。 フォーマット問わずさまざまなデッキで役割を持つことができます。 特にキーセレの夢限にとっては、《コードアート T・M・B》《羅星 オフューカス》に次いで3種目の1ターン目にエナを増やせるシグニとなります。 追加のレベル1シグニを要求される《羅星 オフューカス》よりは使い勝手が良いため、LB枠との相談にはなるがこちらが優先されそう。また、単純に9枚目以降としての採用が可能になった点も大きいですね。 ほかにも手札をなげうって戦うキーセレのピルルクやオールスターのウリスなどでは、それぞれ活躍が期待できるでしょう。 |
ディーヴァセレクション | ★★★ |
---|---|
キーセレクション | ★ |
オールスター | ★ |
コストこそ重いものの序盤からランサーを付与できるのは普通に強力。 同じレベル帯に《羅植 ハイビス》や《コードメイズ キヨステイ》など高パワーで、かつ簡単に条件を達成できるシグニがそろっているので、エナさえ用意できれば安定した運用ができます。 エクシードを使わないデッキであれば自前でランサー付与の条件を満たすことができるので、1枚で自己完結している点も評価したいですね。 |
黒
ディーヴァセレクション | ★★★ |
---|---|
キーセレクション | ★★ |
オールスター | ★★ |
シンプルな除去能力を有しています。従来の《狂騒の閻魔 ウリス》デッキに組み込めば期待通りの活躍を魅せてくれるでしょう。 使用感としては悪魔版の《羅原 Pa》ですが、出現時に1エナで手札コストとなる悪魔シグニを回収できるため《羅原 BP》的な使い方もできそうです。 マイナス補正値はレベル3シグニだけあって12000と、単体でほとんどのシグニをバニッシュまで持っていけます。 「SPREAD DIVA」に収録されている《凶魔 ワイト》とは好相性。1エナで手札に戻って来てくれるため、決して軽くはない手札コストをエナで代替できます。 発動タイミングが《凶魔姫 ルシファル》と被るので、共存しにくいのが玉に瑕。相手のシグニのパワーラインによって使い分けていきたいですね。 |
――某日、Twitterにて――
【2/26(土)発売 #WXDi_P08】
— WIXOSS【公式】 (@wixoss_TCG) February 21, 2022
「SPREAD DIVA」収録カード紹介❗️
【メモリーシグニ】
「幻竜 遊月//メモリア」
予約‣https://t.co/ndg7yRNOPf
🔻商品情報https://t.co/QD87hk0z3N#遊月#WIXOSS pic.twitter.com/IImkPRMN37
「……”
「”
「還ってきた…」
「オレ達の”
――その”
全国の”
と、いうことで。
メモリーシグニレビューでも1枚だけ熱弁していた《幻竜 遊月//メモリア》。
あれっぽっちじゃ全然まったく語り足りません!!
このカードの登場によって大幅に強化されたデッキがあります。
それが今回紹介する「2止めピルルク」です。
僕自身が愛してやまないアーキタイプで、新規カードが登場する度にワンチャンないか模索しています。
ここまで書いていて
“ひょっとしてディーセレから『ウィクロス』を始めたセレクターは「2止めピルルク」を知らないのでは?”
という可能性を察知しました。
ですので、まずは簡単に「2止めピルルク」がどのようなデッキなのか紹介します。
1.「2止めピルルク」の概要
「2止めピルルク」とは、ピルルクが使用することで真価を発揮する《ロック・ユー》を活かして、対戦相手のアーツを封じてトドメを刺しに行くデッキです。
《ロック・ユー》の効果でアーツの使用コストが無色3増えます。
そのため、対戦相手のエナが2枚以下であれば、0エナのアーツであっても3エナ必要になり、基本的にはすべてのアーツを封じることができます。
※アーツとスペルを両方使用した状態の《炎のタマ》など例外は存在します。
とは言え、裏を返せばアーツしか封じることができません。
そのため、相手ルリグが防御効果を有する前、すなわちレベル4にグロウする前に《ロック・ユー》によるアーツを封じたショットを目指すのが、デッキの基本コンセプトなります。
レベル2で止めるメリットとして、ルリグデッキの枠を多く使えるため、通常よりも多くのアーツとキーを使用することができます。
これにより、ダブルクラッシュを付与してショットレンジを伸ばしたり、《龍滅連鎖》+《謳金時代》でエナ破壊を行ったり、ショットに必要なリソースを稼いだりします。
この点は、ルリグのレベルを上げていくことでルリグやシグニの効果自体が強くなるので、一概にレベル2で止めるのが強いとは限りません。レベル3以降にグロウすることでより多くのコインが拾えたり、チアシグニが使えたりなど、できることが増えますしね。
ほかにも、レベル2で止めるメリットに、ショットアプローチのターンが早いことが挙げられます。これにより、先ほどのレビューにも登場した「ダッシュリル」などのレベル4にグロウしてからショットをするデッキに対して、先にアプローチを仕掛けることができます。
互いに防御を捨てたショットデッキ同士、先に仕掛けたほうが強いのは自明の理です。
この点は非常に大きく、”ショットデッキに強いショットデッキ”と言う立ち位置を築くことができます。
2.アプローチ方法
《ロック・ユー》からの一気呵成の攻めが、「2止めピルルク」の持ち味です。
相手の殆どの防御手段を全て封じて、アタックフェイズに入れるため非常に強力です。
とはいえ、《ロック・ユー》が繭の部屋入りしているのでチャンスは一度しかありません。
また、レベル2でグロウを止めているデメリットとして、全体的にカードパワーが不足しているため、できることに限界があります。
後攻1ターン目から《ビカム・ユー》でグロウして、全面シグニ耐性+アサシンで8点ロングショット!!みたいなことは残念ながらできません。
そのため、今までの「2止めピルルク」の歴史を振り返えると、基本的には以下の2つのアプローチの仕方に収束します。
- ①アグロ+ショット
序盤にアグロを仕掛けて、ある程度相手のライフクロスを減らしてから《龍滅連鎖》《謳金時代》でエナを破壊してショットを狙うパターン。
最終盤面には自前でダブルクラッシュを得られる《手弾 アヤボン》や《暴食の暴君 トウタク》、《改造素材》でアップ効果を付与した電機シグニを並べることで6点前後のショットレンジとなります。
ある程度ライフクロスを減らせるので、多少のライフバーストは乗り越えられます。
また、どれだけ相手にエナを与えようが一律で2エナまで絞ることができるので、相手デッキのエナ獲得能力に左右されないなどのメリットがあります。
しかし、《龍滅連鎖》《謳金時代》ともに軽いアーツではないので、安定したショットを行うには、ほかのルリグデッキの枠を割いてエナを稼いでやる必要があります。
また、最大ショットレンジが決まっているので、序盤防御の厚いデッキに相対すると、ライフクロスが残り過ぎて、そもそもショットできないケースが発生するなどの裏目が存在します。
- ②ロングショット特化
《百錬成轟》や《鎮護国禍》によるダブルクラッシュの付与。
《アイヤイ★ディール》、《改造素材》、《中盾 スクトゥム》によるアップ効果。
これ等を組み合わせ8点以上の盤面を作ることで、防御用のエナを用意するだけのターンを与えぬままに駆け抜けます。
《龍滅連鎖》《謳金時代》を使わなくていいぶん、ルリグデッキ枠とエナの面で余裕ができます。空いたルリグデッキをサーチなどに回せるので、ショット盤面の形成までが安定しているというメリットがあります。
しかし、ショット盤面に置けるシグニが固定されてくるので、ライフバーストのケアができないに等しいです。「2止めピルルク」に2度目のアプローチは存在しないので、競技目線で考えるとこの点はかなり怪しいです。
ディーセレのカードを取り入れたことで、昨今のオールスターのデッキはライフバーストが強くなりがちなのも向かい風です。
また、共通する課題として《羅星 リンゼ》の対処が挙げられます。
どちらも、少なくとも《ロック・ユー》を自分のターンに使用する以上《羅星 リンゼ》のアタックを通してしまうと、ショットが成立しません。
どこまで重きを置くかはビルダーの裁量にもよりますが、構築段階で念頭に入れるべき対象になります。
3.《幻竜 遊月//メモリア》による強化点
どちらも既存の2型にとっては朗報です。
“アグロ+ショット型”にとっては単純に《謳金時代》を入れなくて良くなったため、ルリグデッキが1枠自由になります。
ほかにも《謳金時代》は色の要求が厳しく、安定して運用するにはメインデッキにある程度赤の枚数を確保してやる必要がありました。その点、《幻竜 遊月//メモリア》は赤エナの要求が少ないので、デッキ内の色縛りがかなり緩くなります。
また、”ロングショット特化型”にとっては非常に嬉しい強化になっています。
既存の《アイヤイ★ディール》を使った8点ショット系の「2止めピルルク」は大きな欠点を抱えていました。
それは、《アイヤイ★ディール》の”対戦相手のルリグのレベルが2以上”という発動条件を逆手にとられて、《ロック・ユー》の上からアーツが撃てるエナが貯まるまでレベル1でグロウスキップし続けられるとショットが成立しないというものです。
冗談みたいな話ですが、マジなんです。
先述した通り、ルリグデッキの枠的に8点ショットと《龍滅連鎖》によるエナ破壊は両立が難しいです。
そのため、”ライフクロスを割らないことでそもそもエナを与えないから、エナを絞らなくても大丈夫だよね”という初見殺しに頼っている部分がありました。
それが《幻竜 遊月//メモリア》の登場より、相手のライフクロスを減らしつつエナを絞ることができるようになりました。
これによって相手のレベル1で止めるという、対策行為を咎められます。
《紅将 ナベノツナ》の登場時から似たようなことはできていましたが、減らせるエナの量や盤面の色縛りのキツさから現実的なラインではありませんでした。
この点は「2止めピルルク」界では革命的な事象です。
4.デッキレシピ
これらの強化を踏まえて、今一度「2止めピルルク」と向き合った結果、完成したデッキがこちら。
5.デッキ解説
《発進!WIXOSSロボ》搭載型の調理軸です。
《幻竜 遊月//メモリア》によって欠点が解消された”ロングショット特化”のタイプになっています。
調理軸で組むメリットとしては以下の4点。
- 《コードイート メダマヤキ》によるライフバーストのケア。
- 《コードイート トンカツ》、《コードイート キャビアラ》による《羅星 リンゼ》の対処。
- 《コードイート メロシロ》による《エニグマ・オーラ》など厄介なスペルのケア。
- 《コードイート クギニ》、《コードイート ツナマヨ》のドロー促進による安定感の向上。
調理軸にすることでメインデッキだけでさまざまな事象をケアできるようになりました。
また、《奮闘努力》によってデッキから必要なアクセをサーチできるため、安定感の面でも優れています。
調理シグニが緑なのも、グロウコストや《改造素材》の色を捻出できる点でGOOD。
かなり噛み合っています。
続いてこのデッキのメインプランを紹介します。
- ①シグニ耐性7点ショット
任意の調理シグニに《コードイート クギニ》をアクセします。
すべての色を得ている=赤のシグニになっているので、《鎮護国禍》破棄時の効果でダブルクラッシュを付与、《アイヤイ★ディール》のエクシードで2回攻撃できるようにします。
その後、《コードイート トンカツ》を任意の調理シグニにアクセ。《コードイート トンカツ》によって獲得した起動効果によって先ほどアクセした《コードイート クギニ》を外します。
そして 2体のシグニに《コードイート メダマヤキ》をアクセすることで、シグニ耐性を持った5点分の打点が完成しました。
あとは横にダブルクラッシュの《手弾 アヤボン》を添え、《手弾 アヤボン》からアタックすることで、除去系ライフバーストをケアできる7点ショット盤面の完成です!!
最初に1枚だけライフクロスを割る必要がありますが、かなり確度の高いショットが実現します。
- ②最大レンジ10点ショット
《コードアート Cレプヤキ》に《鎮護国禍》+《改造素材》でダブルクラッシュの2回行動を。
《手弾 アヤボン》に《アイヤイ★ディール》で2回行動を。
横に《中盾 スクトゥム》を添えてやることで、合計で10点のショット盤面を作ることができます。
ライフクロス回復LBが多く採用されているウリス対面などで使います。
《メンダコギロチン》を撃たれない様な状況であれば、《楽天の共鳴》を使うことで、出現系のLBもある程度ケアすることができます。(踏むタイミングによりますが……)
相手のライフバーストの種類や期待値を考慮し、これ等2つのショットプランを使い分けて勝利を目指しましょう。
また、上記のプランは最大値です。相手のエナ数と採用アーツを考えて極力ライフクロスを減らした状態でショットに移行しましょう。
「SPREAD DIVA」までの強化を経て、ようやく個人的な実戦ラインを超えることができました。(ちょっと《羅星 リンゼ》に対するケアが甘い気もしますが……)
「そう……今まで”
「今宵、オレ達は”
「”
「
(アレ……??? そういえば遊月って……???)
(忍……者……???)
――ザッ――――
???「ウィックロした…!!!」
~fin~
3月1日更新:一部内容に誤りがあった為、掲載内容を更新いたしました。