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199X年、人類は超エネルギー物質フリーゾンの発見で飛躍的発展を遂げた。世界はマクロゾーンと呼ばれる5つの連邦国家となり、各ゾーンには人類の進歩と調和の支援を目的とした巨大な都市型コンピューターが建造された。地球全域に恒久的な平和が約束され、人々の胸には未来への希望が満ち溢れていた。
一方 はるか宇宙の彼方にもフリーゾンの恩恵で驚異的な進化を遂げた惑星があった。大暗黒星雲の中心に位置する惑星ワルダーである。だがその星の寿命はフリーゾンの力の乱用による環境破壊が限界値を超え終焉が迫っていたのだ。
ワルダー星人は延命措置としてエネルギーを大量に消費する惑星環境維持システムを作り 尚も物質的な繁栄を貪り続けた。自星のエネルギーを使い尽くす頃 彼らは他惑星のフリーゾン資源略奪の為 大規模な宇宙侵攻を開始した。そして幾多の星を死滅させてきた恐怖のワルダー軍団はついに桁外れのフリーゾンを埋蔵する蒼い惑星を太陽系に発見した。
最大のマクロゾーンであるメトラゾーン・日本シティのメインコンピューター<ランドマスター>は宇宙からの驚くべき星間メッセージを受信した。それは滅びゆく星から送信されたワルダー軍団の地球侵攻を知らせる警告メッセージだった。
マクロゾーン連邦委員会はこれを受けて 全てのゾーンコンピューターと連携し 対侵略星人用のスーパーメカニック群の開発と共に地球規模の防衛組織の結成を決定した。地球防衛隊<ダイアクロン>の誕生である。
ゲリラ作戦、 月面侵攻作戦、タイムホール作戦 等 恐るべき攻撃を執拗に繰り出すワルダー軍団に対しダイアクロン総司令部は新兵器を軸とした迎撃体勢・アタックシステムを次々と構築し応戦、フリーゾンエネルギーを巡る戦いは果てしなく続いていた・・・・・・。
202X年、月は再びワルダー軍団の占拠下にあった。月の裏側のダイダロスクレーターには強力なバリアーで守られた難攻不落の月面大要塞が築かれ 周辺の無数のクレーターにはミサイル基地等の攻撃施設や戦闘艦ドック基地が配置、地下には奪ったフリーゾンエネルギーを母星に転送する装置まで備えた万全の地球侵攻体勢が構築されていたのだ。
エネルギー枯渇が限界を超え母星崩壊がついに秒読み段階となったワルダー星人は、月の表側を爆破粉砕した破片群でマクロゾーン全域を壊滅させ 地球のフリーゾンを一気に奪い尽くすという 恐るべき最終作戦を開始した。
これを阻止する為ダイアクロン総司令部はファイナルアタックシステムとして オペレーション “ラグナロク”を発動、これはかつての月面突撃陽動「X攻撃作戦」の50倍の規模、すなわちダイアクロン隊の持つ全戦力でワルダー月面大要塞を粉砕するという大作戦だ。
ついにダイアクロン 対 ワルダー軍団のもう烈な総力戦の火ぶたが切って落とされた! 戦いは ダイアクロン隊の全ての攻撃をはじき返す堅牢な防御バリアーと 大出力のワルダーフリーゾンブラスター砲の連射攻撃によりワルダー軍団優勢かに見えた。だが ダイアクロン・パワードスーツ部隊の決死の活躍でバリアーシステムが一時的に解除され突破口が開いた。隙をついて 四方から一気に攻め込んだダイアクロン攻撃部隊の凄まじい集中砲火で 月面大要塞は木端微塵に吹き飛び 地下のエネルギー星間転送装置もろとも完全に破壊された。その直後 誤作動で 要塞の瓦礫とともに月から転送された 超高温でプラズマ崩壊中の火球状フリーゾンが ワルダー星のエネルギー星間受信装置を直撃、エネルギー供給を完全に断たれたワルダー星は惑星環境維持システムの大暴走と共に重力崩壊を起こし大爆発、宇宙の塵と化した。ダイアクロン隊の大勝利だ!
ワルダー星の崩壊後 地球に久々の平和が訪れた。
人々は長きにわたるワルダーとの戦いから 創造と破壊というフリーゾンが持つ二面性の力の重さを改めて思い知らされ、その運用には大いなる責任が伴う事を戒めた。そして ワルダーの様な悪意を持つ異星人や地球の危機を知らせてくれた善意を持つ異星人等 宇宙には多くの知的生命体が存在する事が確認された今、人類はフリーゾンの力と共に 宇宙規模の様々な事象に対応出来る様 進化しなければならない時期にある事を悟った。
マクロゾーン連邦委員会は人類の新たなる昇華への願いを込めて「銀河市民宣言」を発し 銀河の果てのまだ見ぬ同胞との平和的交流と共存を目的とした大宇宙進出計画の推進を決定、 ゾーンの最高頭脳が結集した精鋭科学チームと全てのゾーンコンピューターは一丸となり <超速宇宙航行用 フリーゾンドライブ>の実現化に向け開発を急いだ。
人類絶体絶命の危機を防いだ地球防衛隊ダイアクロンはその任務の主軸を 宇宙パトロールや惑星探査・開拓等の宇宙開発活動に移して再編成され 戦う機械として作られたダイアクロンメカはその使命を終えて武装が外され 宇宙開発マシンとして平和利用される事となった。
月面では宇宙域での活動を統制するダイアクロン宇宙指令基地を始めとして 科学研究基地、隊員訓練センター、大規模な宇宙港等の施設が稼働を開始、そして地球の高度10万km上空では太陽系往還航路の起点となる巨大宇宙ステーションCX-1の建造が開始された。
無限の可能性を秘めた大宇宙に向けてダイアクロンの新たなる冒険と活躍が始まろうとしていた。
◇ ◇ ◇
203X 年、超速宇宙航行用フリーゾンドライブの完成により惑星間の移動時間は驚異的に短縮され 各惑星には実験宇宙都市や建設基地が次々と建造、太陽系レベルのゾーンシステム<ギガゾーン>の構築と共に 来るべき大銀河進出の準備が進んでいた。ギガゾーンの実験宇宙都市ではそれぞれの惑星独自の環境や地質の特性、また 未知の物質を含んだ隕石の発掘等から 地球上では実現できなかった新しいテクノロジーが次々と発見・開発され 人類の科学はさらなる進化を遂げていた。
そんな中、火星のマルスゾーンから発進したダイアクロンのパトロール艇はアステロイドベルト付近を定期巡航していた。
「あッ あれは何だッ!!」
ダイアクロン隊員達の目前にはスペースレーダーには反応しない 全長数kmはある いびつな球状の鉄塊が太陽を背に 不気味にそびえていた。明らかに戦闘を目的として人工的に造られているその物体の表面には砲門と見られる巨大なタワーが針山の様に密集していた。そしてその中の一つがゆっくりと動きパトロール艇の方向に向けられた。
「緊急連絡!こちら パトロールDF3号、正体不明の巨大な人工構造体に遭遇!これよりコンタクトを試みる!位置は火星起点座標 XX・・・XXX・・・」
マルスゾーン・クリセ平原の第5ビルドベースはパトロール艇からの緊急通信を受信、しかし それは 激しいノイズと共に途中で途切れてしまった・・・・。
火星・マルスゾーンの総合指令基地・作戦室の中央スクリーンにはパトロール艇DF3号から かろうじて送られた三次元断層解析カメラで捉えた謎の構造体のデーターが立体投影されていた。オペレーターがブリッジと思われる部分に焦点を合わせ徐々にズームアップをかけると 次第に乗組員らしき人影が現れ 最終的には複数の不気味な昆虫型ヒューマノイドの影が映し出された。作戦室に驚愕の声が響き渡った。
「これは、紛れもなく・・・・・奴らだ、奴らが戻ってきたのだ!」
◇ ◇ ◇
謎の構造体はワルダー星人の汎用宇宙要塞だった。
ワルダー星の消滅後 彼らが征服した無数の植民惑星に散っていた統治兵団が大集結し、占領下にあった天文学的スケールの環状人工天体を新たな拠点として体制を立て直していた。彼らにとっての母星崩壊は単に燃料を満たす為の<器>が壊れた程度の事象にしか過ぎなかった。“壊れた器は取り換えれば良い”、ワルダー星人の地球再侵攻作戦にはフリーゾン超物質奪取のみならず最終的には超物質で満たされた地球そのものを<新たな器>=第二のワルダー星として奪い取るという恐るべき目的があった。
再侵攻を開始したワルダー軍団は彼らの持っていた戦闘テクノロジーと 海洋惑星、鋼鉄惑星、岩石惑星 等多様な植民惑星から奪い取ったテクノロジーを掛け合わせて新造された強力な戦闘マシン群を備えていた。さらに植民惑星から募った凶悪な宇宙傭兵軍団を新たな戦力として従え 総合戦闘力は以前よりも桁外れに増強されていた。 遥か彼方の大暗黒星雲ではこれまで以上の勢力でワルダー帝国の逆襲が始まっていたのだ。
◇ ◇ ◇
ワルダー軍団は手始めにマルスゾーン一帯に向けて攻撃を開始した。
マルスゾーンの総合指令基地が宇宙要塞の攻撃準備に取りかかった矢先、火星軌道上に移動した宇宙要塞の針山の様な砲門から一斉に放たれた無数のビーム弾が豪雨の如く火星の大地に降り注ぎ 一瞬であらゆるものを吹き飛ばした。火星の赤砂が凄まじい粉塵として舞い上がり ゾーン一帯はまるで赤い濃霧で覆われたかの光景となった。その中からランダムに動くサーチライトの様な青い光と共に不気味な足音が響き 巨大な戦闘マシン群が ついにその姿を現した。上空に円盤型の戦闘艇を従えたワルダーの火星兵団だ!
「ダイアクロン隊、全機緊急出撃せよ!」
マルスゾーン全域は戦闘体勢に入り 総合指令基地から全機スクランブル指令が下った!
上空から断続的に降り注ぐビーム弾の爆撃を避けながら 出撃可能なダイアクロンメカは次々と発進、ワルダー戦闘マシンの迎撃に向かった。 しかし大半のマシンは武装解除され小惑星破砕弾や掘削アーム等の宇宙開発用の装備しか搭載されていない為 戦闘力の差は歴然だった。しかも ワルダーマシンから繰り出されるブラスター光波はダイアクロンメカの装甲を簡単に貫く圧倒的な破壊力を持っていたのだ。それは過去のワルダー兵器のデーターには無い未知のテクノロジーによるものだった。
火星ゾーン・最大規模のマルスゾーンは僅か数時間で壊滅状態となった・・・・・。
ワルダー軍団再襲来と火星・マルスゾーン壊滅の一報は全てのゾーンを震撼させた。
地球上空10万kmの軌道上に浮かぶ宇宙ステーションCX-1の観測班は亜空間反応と共に地球上空に出現したワルダー宇宙要塞の姿を捉えた。その直下はメトラゾーン・東京シティ。ワルダー軍団の次なる攻撃目標は マクロゾーン全体の管理を司る中枢電子頭脳<ランドマスター>である事は明白だった。
東京シティに大音響のサイレンが鳴り響いた。ゾーンシティ最大級の攻撃警報<シグナル11>が発令されたのだ。
東京シティは臨戦態勢に入り 主要施設の外壁には重力場偏向シールドが瞬時に展開、全ての交通機関は停止し 人々は耐爆シェルターへの退避を急いだ。
「ワルダー軍団接近中! 隊員は戦闘態勢に入れ!」
シティ中心に位置するランドマスター格納ドーム周辺にはダイアクロン首都防衛隊のメカが集結し市民の避難を助け 上空の警戒と共にワルダーの迎撃に備えた。
◇ ◇ ◇
突如 凄まじい閃光と共に爆撃ビーム弾の雨が東京シティ中央部を直撃した。ワルダーのランドマスター破壊作戦が始まったのだ。宇宙要塞はシティ上空の層積雲の切れ間からその不気味な姿を現し 艦体を覆う 放射状に突き出た無数の砲塔から容赦ないビーム弾爆撃を続けた。
ランドマスタードームは潜行防御モードに移行し地下1000mの退避エリアまで降下、それと入れ替わる様にドーム周辺に設けられた地下リフトの隔壁が開き 巨大な戦闘車両が次々と地上に現れた。首都防衛の切り札、12機編制のロボットベース大隊だ!上空からの激しい爆撃が続く中 大地を揺るがし戦車基地より戦闘体形へと移行した12機の巨人マシンは、両腕に備えたキャノン砲を空に構えた。
「ランドマスターを死守せよ!」
ロボットベース大隊の24門のフリーゾンビームキャノンが宇宙要塞めがけて一斉に火を噴きダイアクロン隊の迎撃が始まった!
◇ ◇ ◇
一撃で山を吹き飛ばす威力を持つと云う超弩級キャノンの連続集中砲火は宇宙要塞のビーム砲塔群を徐々に破壊して行き 遂には爆撃攻撃を完全に封じ込めた。それを勝機と見たダイアクロン首都防衛隊は全マシンを戦闘モードに移行させ 沈黙したワルダー宇宙要塞を一気に撃破すべく総進撃を開始した。
しかし それはワルダー軍団の狡猾な罠だった。
ダイアクロン隊の突撃を待ち構えていたかの様に宇宙要塞最下部のゲートが螺旋状に開き ワルダー戦闘マシン群が地上めがけて一斉に降下を開始したのだ。ワルダー攻撃隊は射程距離内に入ったダイアクロンメカを新兵器のブラスター光波で次々と撃墜したのち ダイアクロン 最強と恐れられたロボットベース大隊の攻撃に移った。
だが フリーゾンビームキャノンの長時間連射でエネルギーが極度に消耗し戦闘力が大幅に低下したロボットベースは ワルダー攻撃隊の脅威ではなかった。集団で襲いかかるワルダーマシンの執拗なブラスター波状攻撃に対しフリーゾンミサイルやメザーキャノンで応戦するも その巨体は次第に満身創痍と化していった。
遂に東京シティの中心部まで侵攻したワルダー攻撃隊のマシンは ランドマスタードーム退避ゲートを取り囲み 防御壁の破壊に移った。防御壁はブラスター光波の集中照射で瞬く間に溶け落ち ランドマスターは、引いてはマクロゾーン全体は絶体絶命のピンチに追いこまれた!・・・・その時、 ワルダーマシンの一機が突如 爆発 四散、続けざまに次々と爆発が起こり ゲートを取り囲んでいたマシン群は破片を撒き散らし崩れ落ちた。
それは大空から凄まじいスピードで急降下してきた謎の戦闘マシンからの掃射攻撃だった。
鋼の翼を備えた戦闘マシンは地上擦れ擦れの所で機首を上げワルダーマシンの残骸を吹き飛ばしながら大きく弧を描き急上昇した。
上空では謎の戦闘マシンの一団とワルダー円盤型戦闘艇の空中戦が、そして地上では人型や異形の戦闘体形に形態を変えた戦闘マシンの一団とワルダーマシンの戦闘が繰り広げられていた。
ブラスター光波の攻撃を弾き返す堅牢な装甲と一撃で敵を破壊する強力な武装を兼ね備えた謎の戦闘マシンは次々とワルダーマシンを撃破しワルダー攻撃隊は瞬く間に一掃されていった。
戦況は一変し ワルダーの第二波攻撃に備え次々と飛行形態に形態を変えた 謎の戦闘マシン師団はV字編隊を組み上空の宇宙要塞の攻撃に向かった。しかし ワルダー宇宙要塞は反撃すること無くゆっくりと上昇を始め成層圏付近で亜空間ドライブをかけ 何処とも知れず消え去った。
◇ ◇ ◇
東京シティの危機は去った。シグナル11が解除され地上へのリフトアップが完了したランドマスターは要塞が撤退する際に大暗黒星雲方面に向けた星間通信をキャッチしていた。
あの巨大な宇宙要塞は地球の戦力を探る為の尖兵にしかすぎず その主力部隊の拠点は 人類未踏の未知の領域・銀河の彼方の大暗黒星雲にあるのだ!
ワルダー軍団の脅威から東京シティを守り抜いた謎の戦闘マシン師団はバトルスシリーズの最新鋭機ダイアバトルスV2のプロトタイプ機を駆る月面指令基地の精鋭チームだった。
月面・セレンゾーンの科学研究基地では大銀河進出の際 未知の脅威から身を守るため 新型防衛マシンが密かに開発・建造されていたのだ。その機体には動力・駆動・推進・武装等ユニット毎に搭載された従来の数十倍のパワーを生み出す超小型フリーゾンジェネレーターやダイアクロムと呼ばれる超硬度物質がシールドコーティングされた特殊装甲等 地球外のギガゾーン研究施設で完成された多くの新しい技術が組み込まれていた。これらの最新テクノロジーはパワーアップしたワルダー軍団と互角以上に戦える事が期せずして証明されたのだ。
地球と太陽系の全ゾーンでは バトルスV2プロトタイプの実戦データを基に様々な最新鋭戦闘マシンの開発が急ピッチで進められた。
◇ ◇ ◇
ワルダー軍団の再襲来により 人類は再び侵略星人との果てしなき戦いの渦に巻き込まれる事を余儀なくされた。
ダイアクロン隊とマクロゾーン連邦委員会は火星・マルスゾーンの様な惨事を二度と繰り返さない為に、そしてこれから始まる新たな戦いに備えて万全の防衛態勢を整えた。
マクロゾーン連邦委員会は中枢電子頭脳<ランドマスター>を中心として全てのゾーンコンピューターが連動するスーパーホットライン情報システムを構築、これにより未確認物体がゾーン内に侵入した場合 位置や戦力等の情報が瞬時に全てのゾーンコンピューターに伝わり 速やかに最適化された対応策が計算されるのだ。
ダイアクロン中央司令部はゾーン圏内に出現したワルダー軍団に対し速やかな迎撃が行える様に 惑星間の中間宇宙域に大規模な戦闘衛星基地を配備した。さらに各惑星単位での多重型防衛網を構築し、宇宙域 ・空域・地表域にはそれぞれの領域を守る巡航型戦闘空母基地を配備、迎撃マシンがワルダーの奇襲に備え常にスクランブル可能な状態で待機しているのだ。
人類、地球、そして宇宙の存亡を賭け 地球のマクロゾーンと太陽系のギガゾーンを網羅する宇宙規模の防衛体勢:ネオアタックシステムが遂に発動された!
ワルダー軍団撃退の準備は出来た! 戦え!我らのダイアクロン!!
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