タカラトミーグループ

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project story 03

60年の先に刻むのは、
どんな歳月がふさわしいか。

ガチャ® リブランディング

1965年、ペニイ商会(現ペニイ/タカラトミーアーツグループ)がアメリカから持ってきたマシン。ハンドルを回すと小さなおもちゃがランダムに出てくる。当時は1回10円だった。あれから60年。ガチャ®という名の下に日本で独自の進化をし、今では毎年550アイテムを生み出すまでに飛躍した。そのアソビがこれから新たに歩んでいく道をつくるリブランディング・プロジェクトが始まった。2022年のことだった。

T.M.

2005年入社

ガチャ・キャンディ事業部
ガチャ営業部

キャリア入社。ガチャ営業部で営業と企画をつなぐ役割を担当。販売動向を分析し、部内に共有することで商品開発をサポートする。ガチャ®の商標保護やイベント出展の際の窓口も担当する。

N.T.

2019年入社

ガチャ・キャンディ事業部
ガチャ企画部

主にキャラクターを使用したガチャ®の企画開発を担当。アイデア開発から発売までをトータルで受け持つほか、新規IPの版権交渉なども行う。

W.M.

2017年入社

ガチャ・キャンディ事業部
ガチャ企画部

ガチャ®の企画開発を担当。アイデア開発から発売までをトータルで受け持つほか、チームリーダとしてキャラクター商品の開発、新規シリーズの立ち上げなどを行う。

M.T.

2020年入社

ガチャ・キャンディ事業部
ガチャ企画部

アニメコンテンツの雑貨やその他キャラクターなどのガチャ®の企画開発を担当。アイデア開発から発売までをトータルで受け持つほか、新規IPの版権交渉なども行う。

スタートは、考えをリセットするところから。

部内の垣根を超えたプロジェクトに立候補して集まったのは、営業・企画など立場の異なる9人のメンバー。個性豊かなメンバーたちは、それぞれの目線で意見をぶつけ合い、意見がまとまらないことも多かった。ガチャ®を回すのは、どんな人なのか。根っこの部分をイチから共有するところから、プロジェクトはスタートした。

T.M.
2025年がちょうどガチャ®が日本に上陸して60周年という節目の年でもありますし、同業のライバル会社にも勢いが出ている環境の中で、親ガチャや上司ガチャというネガティブな内容でガチャという言葉が使われていることが散見される事もあり、本プロジェクトを通して世の中にガチャ®という言葉にポジティブなイメージを持ってもらえるような発信をしていきたいという想いがありました。
W.M.
ガチャ®はどういう人たちが遊んでくれるのか、その人に向けた施策とかブランディングは何をしたらいいのかを、一度階段の一番下から順番に考えるところからスタートしました。「今までこう思ってたけど本当は違うよね」みたいなところもしっかり煮詰めながら形にしていきました。ロゴも見慣れすぎていましたが、「今までのロゴは子どもっぽいデザインだよね」という意見をうけて、あらためてターゲットとイメージに乖離があるというのが、やっていくうちに見えてきた部分かなと思います。
M.T.
打ち合わせの中で、当初は年輩の営業の方々から「やっぱり子ども向けの商品だから」と意見が出る一方で、若手の企画担当者の間では「今は若者たちの世代が主流になりつつあるのでは」という認識の差が大きかったように感じます。
N.T.
今は大人の女性、中でも20代女性F1層※2が遊んで回してくれてる人たちの中心になっていますから。 ※2:視聴率調査や商品開発などの際に用いられる世代区分で、主に20歳から34歳までの女性のこと。

ガチャ®の本質という地盤を固めるためにかけた半年。

リブランディングは協力会社にアドバイスをもらいながら進めた。一番初めに取り組んだのは、ガチャ®のブランドスローガンの制作。月に1、2回ほどの打ち合わせを行い、時には進んでいた話が、再び過去に遡ったりしながら、「まわせ、じぶんガチャ!」という言葉に行き着いた。

W.M.
本来ガチャ®って、誰かに左右されるものじゃなくて自分が楽しいものだよね、というところからブランドスローガンづくりははじまった感じですね。「まわせ」という言葉が入ったり、びっくりマークがどこに入ったり、みたいな議論がけっこうあったんです。ガチャ®っていう言葉を入れるかどうかも何回か議論があって。ただ、登録商標を取っている名前なので、タカラトミーがガチャ®って言わなきゃどこが言うんだっていうところもあって、ガチャ®という言葉を入れたワードになりました。
M.T.
協力会社さんが地盤を大事にしようってかなり言ってくださって。普段ガチャ®の開発では、あまりコンセプトを地盤から固めてつくらないので、すぐにビジュアル行きたいと思う気持ちをぐっとこらえて。土台がないと説得力のあるブランドにならないと、とても丁寧に指導されながら進めた感じですね。
T.M.
プロジェクトの打ち合わせでは、毎回「みんなそれぞれどう思った?」ということを順番に言うんですけど、まとまんないんですよ。でも多数決はやめようね、と伝えていたので。一番熱量のある人や、想いのある人の意見を軸として決めていきました。
N.T.
プレゼン大会ですよね、もう。でも、最後は割ときれいにまとまりましたよね。

おもちゃショーで得た「新生ガチャ®」の手応え。

新しいブランドスローガンとロゴに加え、ブランドムービーや社内向けのブランドブックも制作。プロジェクトがスタートしてから2年が経ち、おもちゃショーでデビューした「新生ガチャ®」。リニューアルした世界観にふれる人々から得た手応えが、メンバーの気持ちに大きな変化をもたらしていた。

T.M.
ここ最近では、ガチャ®購入のターゲット層が若い女性に変わってきたこともあって、ロゴも一新しましょうとなりまして。以前のロゴが子ども向けっぽくてかわいい形だったものを、デザイン、色使いを変えて一気にスマートにしました。
W.M.
ロゴは10案以上のアイデアをつくって「これがいいんじゃないか」「いや、こっちのこの部分がいいから採用したい」とかずっとやりましたね。おもちゃショーでのデビュー時には1分間のブランドムービーもつくって。普段お世話になってる版権元さんからは「なんかすごい新しい感じ。デザインも世界観も一新されて、新しい時代が始まった感じがします」っていう意見はありましたね。
M.T.
私、実は最終確定したものと別のロゴデザインを推してたんですけど、言われてみれば確かにそうだよなと思って。最後はこのロゴデザインにしようと意見を変えました(笑)。 おもちゃショーでは今回のリブランディングに合わせてアクリルキーホルダーをつくって、実際にマシンを設置しました。私は普段からカプセルトイコーナーなど店舗に行くことが好きなんです。でも自分の開発したガチャ®を回してる人に出会えることってそんなにないので、いざ目の当たりにするとどんな人たちが買って、こういう顔で帰っていくんだなっていうのがわかって良かったなと。すごいモチベーションアップにつながりました。
N.T.
私もブースを見た時は結構テンション上がりました。普段おもちゃショーってあんまりガチャ®がメインになることが少ないんです。だから、ガチャ®が主人公になり、テーマカラーを使ったブースがあって、「ああ、形になったんだなあ」って思いました。それと、新規提案の時にガチャ®というブランドの説明をするんですけど、プロジェクトを通して、新しいロゴも含めて私たちの強みが見えるようになり、自信をもってお客様に提案できるようになったのはちょっと誇りだなって思います。

新たな経験が、自分を成長させる。

目の前にある仕事をしながら新たなプロジェクトに自ら参加し、初めて仕事をする人たちとひとつのことを成し遂げる。日頃は最初から最後まで責任をもって一人で仕事を進めることの多いメンバーにとって、チームで意見を出し合いながら仕事を進めることは、はじめての経験の連続。一方でそれは、知らないうちに自身の成長をもたらしていた。

M.T.
私は自分の意見を言いつつも割と流されやすいタイプで。でもここでは割と自分の意見をしっかり主張していかないと物事が進まないと思ったので、前よりも積極的に発言できるようになったと思ってます。リブランディングのメンバー募集の時も、募集締め切り日ギリギリまで迷いましたが、やらなかったら後悔するなと思って一歩踏み出せたことが自分の中では大きいです。元々ガチャ®が好きでこの会社を選んだので、ガチャ®に携わることができるならばそれ以上の喜びはないなと。
N.T.
それはちょっとわかるかもしれない。 ガチャ®の開発って、基本は一人が企画から宣伝まで一貫してやるため、チームワーク感が薄く自分の目線メインでかなり職人的にやることが多いのですが、今回、営業も含めたチームを組んでひとつのモノをつくることをほぼはじめて経験しました。意見を出しても否定しない文化がそこにあったので、安心してチームに入れたのがよかったです。今までの同僚という関係から、より話し合える仲間が社内にできた感じです。
W.M.
私は日頃から商品企画・開発をしているので、ブランドとかシリーズを立ち上げる場ってのは割とたくさんあるんですよ。そのシリーズをゼロからつくって行こうというような。ただ、今回みたいに元々ある名前、ブランドでお客様も定着しているブランドをリブランディングしていく機会ははじめてでした。時代に合わせて新しくアップデートすべき部分はありながらも、既存のお客様を裏切ることはできないんで、バランスを考えながら新しいものとして見せていく経験は、今後にも生きると思いますね。
T.M.
60年の歴史をもつガチャ®のリブランディングってすごく大きな話だと思うんですよね。それをみんなと実行して、ひとつの結果を出せてこの先が楽しみになりましたね。 そもそもリブランディングってなんだかよくわからないけど任せられたという不安な中で、9人もの社員が集まってくれて。企画と営業って普段はあんまり混ざることがないんですけど、それぞれがしっかり意見を持っていてコミュニケーションも取れたし、個人的にはプロジェクトをまとめられたことがすごくいい経験になったかなと思います。今回のプロジェクト発足時に9人集まること自体、すごく嬉しかったですね。
M.T.
それでいうと、私はこのプロジェクトを通してT.M.さんにちょっかいが出しやすくなりましたね(笑)。